野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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さよならありがとう / チアリングレター





 私は、大抵のことは何でもそつなくこなせる自信があるのだが、それでも、これまでずっと大いに苦手と感じていたものが、一つあった。それは、子供の扱いである。そもそも私は、あまり子供をかわいいと思うような人間ではなく、キャーキャー騒ぐ彼らをもはや『煩い』と疎ましく感じることの方が多かった覚えがある。それに、私の容貌からして、いかつくて強面でアゴにはヒゲも生えているし、いかにも子供が寄りついてこないようにできているのである。生まれつきがこのようなのだから、今の今まで子供たちと触れ合う機会は皆無と言って等しく、果たして子供の扱いの分からぬ大人になってしまった。そんな私が、現在の病棟実習で、一般と違った意味合いで不安を抱いていたのが、小児科での二週間である。やるべきタスクも多かったが、そんなことよりも担当の小児患者さんとどう時間を過ごせばいいのかという問題の方が私にとっては大きな懸案であった。
 だが、そんな私の心配は、各チームの回診についていったりして病棟の患者さんに会いにいく度に、だんだんと氷解していった。というのも、どういうわけか、子供たちがかわいく見えるのだ。全く素直にそう見えたのである。これは、一つの“戦場”である病院の中だからこそ彼らの無邪気さが際立ったのだろうか、それとも自分が身を置くギスギスした大学の人間関係との対比としてそう思えたのだろうか、とにかく子供たちはかわいくてかわいくて仕方がなかった。これは今までの自分だったら考えられないような境地であり、昔の私を知る者だったら信じられないような状況だが、ふと考えてみると、私も今年で二十三。成人を迎えてだいぶ経つし、すでに子供を見守る側に立っていたとしてもおかしくない頃だ。この『子供をかわいい』と思う気持ちは、ひょっとすると自分の精神的な成熟の発現であろうか。
 担当患者さんは、小学校中学年の女児。はじめ、もっと幼い年代の児を予想していた私は、紹介された時に、結構ムズカしいお年頃だなと思った。しかも女子。ヒョエー、どう接したらいいものかな、こりゃ。指導医の先生と一緒に最初の挨拶に行って、実際に対面して思ったこと、『(これまた随分とかわいい娘だな・・・・。)』子供のかわいさとは、大抵はまだまだ愛玩動物的なところがあるが、この患者さんに感じたのは、一般的な“かわいさ”である。つまり、普通に美少女(いや、まだ「美幼女」か?)であった。

 さて、これからのやり取りについては、あまり犯罪的な絵面ではなく、かわいい女の子と朴訥とした大男の「うさぎドロップ」的なイメージを抱きながら読んでいただきたい。

 それから毎日、朝昼晩と遊びに行くことにした。何をすればいいかを考えるよりも、とにかく何度も会いに行くことが大事だと思ったのだ。幸い、患者さんは明るくて、こっちが何か話しかける前にいろいろと話してくれるので、場うてがして気不味いようなことはそれほどなかった。学校のことゲームのことファッションのこと、いろんなことを話したが、不思議なことに、学校のクラスメイトよりも話しやすいことにいつか気がついた。精神の成熟が云々などと前述したが、やはり私の精神の根幹は未だ子供のままでいるのかもしれなかった。一緒にゲームをしたり、本や雑誌を読んだりもしたが、最後まで私は『オレ様は遊んで“やって”いるのだぞ、エヘン』などというエラそうな気持ちは持てなかった。だっていくら思い返しても、私は患者さんと一緒になって心から遊んでいたのだから。この時、私は個人的に残念な、というかやりきれない出来事に遭い、気分が鬱々としていたのだが、患者さんと遊んでいると気も紛れ、かなり心が軽くなった。このシリーズに限らず、いつも私を救ってくれたのは患者さんたちだった。
 これまでいろんな学生が実習に臨んでも、私ほど患者さんとの時間を重ねた学生はいないだろう。私はもう、患者さんを溺愛の様相であった。私の似顔絵を描いていてくれたり(頼んだわけじゃなく描いていた)、回診などで他の人たちより遅れて病室に入った時、私を見つけた途端嬉しそうな表情をして「あ!きたー!」と言ってくれたりしたら、そりゃあ、かわいく思っても仕方ないでしょう。娘を有つ父親の気持ちとはあるいはこのようなものかしら。厳格そうな顔して、案外、甘えられるとなんでも言うことを聞いてしまいそうな傾きを、自らの内に発見した。ある日、母親にメールで近況報告した際(こういう習慣が我が家にはある)に言われた「その年だったら、一生(あなたのこと)覚えてるよ」という言葉がなんだか重たかった。
 小児科での実習が終わっても時間があったら会いに来るよという約束をしたため、次のシリーズの合間にもちょくちょく遊びに出かけた。病棟が同じなので、特に面倒はない。ここまでくると、最初のような余所余所しさはなく、完全にタメ口で、私に対して小癪にも反抗してくる生意気を見せたが、それは私のことを少しは信頼してくれている証だろうか。私に代わって彼女の担当になったクラスメイト曰く、「シバケンの話しかしない。」のだそうだ。ちょっと優越感。そして無事に、彼女の退院が決まった。私はほっと安心した気持ちだったが、一方で寂しく思うところも少しは、否、大いにあった。退院の日は、私は本来の実習があったために、患者さんに会うことはできそうになかった。前日にお別れと感謝を伝えに行った。
 病院は患者さんにとって、本来の生活の舞台にはならないで、あくまでも非日常の場所であってほしい。だから、本来のステージで、家族と友達と、そして自分自身との生活を精一杯楽しんでほしいと思った。私のことを忘れないでほしいというのは本心だし、そうだったら本当に嬉しいが、別に覚えてくれていなくても構わない。二人で過ごした時間を覚えているのは、私だけでいい。私の知らないところで、彼女が立派に成長してくれていれば、私はそれでいいのだ。彼女に教えてもらったことを胸に留めて私はこれからも頑張る。そして、たまにあの時のことを思い返して、『キミはどんな大人になっていくのかな。』とひとり物思いに耽ってみるのも、また一つの楽しみである。

 私に素敵な思い出をくれて、ありがとう。さようなら。















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  1. 2014/10/29(水) 20:22:09|
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東京ヒマつぶし日記―「洋館」と「妖怪」って似てるよね

 十月の三連休の前半二日間は、とあるライブに二日間参加する予定があったため、ひとり東京に滞在していた。東京に到着したのは第一日の午後。この日はライブに参加して終わったようなものだが、翌第二日は朝から夕方のライブ開演までに、だいぶ時間が余っていた。
 これまでにも何度かライブや観劇、その他の目的で上京をしているが、その時の滞在ですでに東京で興味のあったスポットはほとんど見物し尽くしている観があった。ここまでくると、旅先での日中の過ごし方に少し悩むところだったが、お目当ての場所がない分、かえって呑気な気を持ち、『適当に回ってみて、行き場がなくなったらライブ会場付近のカフェーでのんびりしていよう』くらいの気軽さでいることができた。
 いつか考えた「東京・三鷹、太宰治ツアー」も選択肢にあったが、ライブ前にあちこち歩き回るのも疲れそうだったので今後の機会に持ち越し、朝一からは結局いつものように洋館探訪に勤しんだ。東京の洋館もだいぶ訪れて回った印象だが、行ったことのない処がまだまだ残されているというのが、なかなか嬉しい。東京メトロ副都心線雑司ヶ谷駅から歩いて十分ほどの、雑司ヶ谷旧宣教師館(旧マッケーレブ邸)。池袋副都心にほど近い駅を出て、夏目漱石や竹久夢二らが眠る雑司ヶ谷霊園沿いに進んで、さらに迷路のように入り組む静かな住宅街の深みへと入っていくと、旧宣教師館通りなる小道があり、この通りに例の洋館がひっそりと立っている。
 外壁は板張りで白のペンキが全体的に塗られていて、目映えがよい。面白いことに、一階二階ともに壁の裾が広がっており、これは十九世紀あたりのアメリカンハウスの特色であるらしい。また、ガラス張りの大きな窓が広く開いていて、特にサンルーム側はこれでもかと言わんばかりに開口している。その窓の縁取りはグリーンで、先の白色とのコントラストが鮮やか。そして屋根は赤色で実にかわいらしいものになっている。一見、複雑な意匠はなく、割とシンプルな構造のように思えるが、玄関ポーチの方杖や、軒先の繰形などの装飾はカーペンターゴシックというアメリカ式のデザインで、ヨーロッパのゴシックに由来しながら大工(カーペンター)にも扱えるほど簡単であるというのが特徴らしい。
 入館は無料。館内には事務所などは作られていないが、そういった建物は隣に併設されているようだった。さすがに午前から訪れる人は少ないのか、その日は私の他には誰もおらず、管理人らしき穏やかな男性が玄関を掃き掃除していた。写真撮影を希望する場合は、館内の内線で豊島区役所の担当職員にその旨を伝える必要があるようで、私もその伝で事を進めた。
 外観で豪華な装飾が目立たないように、建物の内装も比較的簡素にできている。一階と二階の間取りはサンルーム含めて同一のものになっており、当時は各部屋が居間食堂寝室書斎と、それぞれの役割をもっていたことと思われるが、現在では、マッケーレブ氏や雑司ヶ谷における文化活動についての展示コーナーとして活用されている。この建築で目を見張るのはやはり、一、二階の南側に設けられた開放的なサンルームであろう。庭を見渡せるサンルームには、大きなガラス窓から日の光が入ってきて、他の部屋と比べて温度がいくらか高くなっているようだ。洋館で寒さ対策といえば暖炉なるが、各部屋に一つはある中で、一階応接室兼居間の暖炉は前飾りが作られ、アールヌーボー風のタイルが貼られていて見応えがある。また、一度天井に目を向けると、洋式の造りの中で意外性のある割竹の格子になっているので注目されたし。家具も明治当時のものが置かれており、異国の地で奔走する宣教師の暮らしが偲ばれる。
 次なる目的地に向かうべく、旧宣教師館から近い都電荒川線に乗る。JR線や地下鉄など、緻密に鉄道網が張り巡らされている東京都において、都電荒川線はどこか異色の存在である。素朴で垢抜けない、また、どこか時代に取り残されているような印象があった。そもそも電車というよりは、バスに近い規模だ。一両編成、そして前から乗って後ろから降りるシステムは、もう線路の上を走るバスと言ってもいい。
 鬼子母神前駅から乗る。何気に都電荒川線に乗るのは初めてだった。Suicaが使えるのは便利だし、運賃も高くないので感じが好い。大塚駅前までの乗車だったので、時間としてはそれほどではなかったが、野球の試合に向かう途中の子供や買い物帰りの女性などの姿があり、都内の主要な鉄道路線よりもだいぶ生活感がある。これは、リアリズムだ。気合いを入れて奇抜な服装をしている若者なんかをよく見かける原宿駅などとは、全く対照的な光景に思えた。
 山手線に乗り換えて上野を目指す。雑司ヶ谷に向かうメトロの車内で、上野の森美術館で浮世絵の展覧会が開催されていることを知り、行きたい気持ちがうずうずと湧きだしていたのだ。本当は洋館をもう一つ見学するつもりでいたが、それはいつでも見に行けるからな。ここは、今だからこそできることをしたい。しかし、いざ美術館に着いてみると―まあ、予想してなかったわけではないのだが―入場する前からたくさんの人が長い行列を形成しており、順々に案内されているようであった。待ち時間のこともそうだし、館内に入場できたところで、人の流れのベルトコンベアーに乗せられるだけと考え、残念だったが、これは諦めることにした。さて、それじゃこれからどうするか。せっかくここまできたのだから、何かして行きたいが。動物園・・・・は、三連休の日曜日だから、こちらも家族連れで混雑していた。さあ、どうする!?
 色々と考えた結果、私は東京国立博物館へと向かった。三連休と言えどもあまり人が集まることはなさそうだということと、その日、注目度の高い特別展示を行っていないことから、割とのんびりとできそうだと思ったのだ。その目論みは見事に的中し、連休だと言うのに館内にはそれほどの来場者の姿もなく、しばらくゆったりとしたひとときを賜ることができたのだった。
 美術館に足を運ぶ機会は度々あるが、博物館となるとこの日以前に訪れた経験は皆無。博物館とはどういうものか一度見てみたかったし、それに目玉となる企画展示がなくとも、ここは国立の博物館。教科書に掲載されるような美術品の数々が所蔵されていることは私もよく知っていたところ。それらの超有名作品との対面を楽しみに入館をした。
 東京国立博物館は明治五年からの歴史を有する日本最古の博物館である。所蔵品がどうとかいう以前に、まず建築としてもかなりの見応えがある。威厳を感じる本館の外見、そして豪勢荘厳な内装に思わず圧倒されてしまう。またそもそも敷地が広大で、本館の他に別館がいくつかあるのだった。平成館東洋館法隆宝物館表敬館黒田記念館資料館、そして重要文化財の黒門に庭園や五つの茶室もあって、これらすべてを回っていたら、容易に一日が暮れてしまいそうな規模の大きさである。
 国立博物館には約十一万四千点の所蔵品があり、もちろん日本一のコレクション数を誇っている。作品保存の観点から、これら所蔵品の展示ラインナップは定期的に替わっているらしい。果たして超有名作に出会うことはできるのか。本館は二階構造になっていて、一階はジャンル別の展示、二階は縄文から江戸までの日本美術の流れを追えるような展示となっている。意外に思ったのは、展示されている作品は個別に写真撮影禁止の注意書きがない限り、いくら写真を撮っても構わないということだ。流石は国立の博物館、非常に寛容である。本館のみであるが、ゆっくり回るとしたらかなりの時間が求められるだろう。私はそれほど時間のゆとりのある状況ではないので、完全に超有名作をお目当てに探し歩いていたのだが、ここも流石は国立の博物館、知らない展示品も見応えのあるものばかりである。特に縄文あたりの大きな銅鐸なんかは実際に目の当たりにすると、現代の私の目の前に辿りつくまでの遥かな時代の経過を考えると、うっすらと感動を覚える。また、ジャンル別の展示も珍しいものばかりで、美しい刀剣の展示などは知識はなくともなかなか楽しめる。しかし、いくら探しても、お目当ての作品は見当たらない。しびれを切らして近くにいた文芸員さんに尋ねてみると、これらの作品は現在展示されていないとのことだった。葛飾北斎の<<凱風快晴>>も、菱川師宣の<<見返り美人図>>も。はい、ショボーン。このままではなんだか悔しかったので、本館に隣接されている平成館も覗いてみることに。こちらには考古展示がある。すると、あの有名な遮光器土偶や、埴輪<<踊る人々>>があって、ユニークな姿を見せている。実際に見てみると、結構大きいんだなと少しは勉強になるような体験をした。また、この展示室には、大きさ形態様々な埴輪が並べられており、ひょうきんな表情をした埴輪が一同に介しているその光景がユニークで少しかわいらしかった。博物館を後にした私は、上野公園内をしばらく散歩して、駅に戻った。
 もうライブ会場の付近で待機していようと、品川駅に来た。そういえば、品川駅といったら、今年の八月に放映されたアニメ「花物語」作中で、神原駿河と貝木泥舟が追いかけっこをしていた駅のモデルとなっているところだったので、私にとってはちょっとした聖地巡礼であった。品川駅高輪口を出てすぐの商業施設内に秋田県のフラッグショップがあるようだったので、そこの食堂でランチにすることにした。他にも食べるところはありそうだったが、秋田県民としては当然気になるところだし、食に関していえば、自分の故郷には全面的の信頼があり、まず間違いはないだろうと思ったのだ。比内地鶏の焼き鳥丼と稲庭うどんのセットを注文する。店員さんの名札を注意深く見てみると、秋田県出身の人もまあまあいるようで、県内でもどこの生まれなのかが分かるようになっている。東京都にいながら、なんだか懐かしい気分に陥った。料理の味はやはり美味であり、いぶりがっこもついてきて、徹底して秋田要素で固められている。
 食後はしばらくのんびりしてから、会場に併設されている(むしろ“会場が”併設されている)水族館・エプソン品川アクアスタジアムに足を運んだ。ライブの開場まではまだだいぶ時間があったが、早いうちにロッカーを確保したほうが気が楽だったので、この時すでにライブTシャツを着こみ首にはタオルを巻いた臨戦態勢でいた。馬骨、水族館に現る!
 エプソン品川アクアスタジアムは「品川駅徒歩2分 エキマエ水族館」というキャッチコピーで売り出しているが、たしかに駅からの距離はそうとして、敷地の問題から、いかんせん展示の規模は小さくなっている。しかし、マンタが頭上を泳ぐトンネル水槽や、ペンギンやアシカもいるし、ショーもできるイルカプールもあって、密度は結構高いんじゃないかなと思う。水槽を見て回るのも束の間、イルカショーがあるようなので、そちらに向かう。円形のプールとなっているので、どこからでも見やすくなっている。座席の前方数列はビショ濡れゾーンであるらしく、カッパを着て観ることが推奨されている。なんとも不吉である。さて、この日水族館はアニメ「妖怪ウォッチ」とコラボをしており、館内にはたくさんの妖怪がいる(ふぶき姫かわいいよふぶき姫)のだが、そのコラボはこのイルカショーも例外ではなく、プールの周りや天井には「妖怪ウォッチ」のキャラクターで飾られているのみならず、ショーにはケータくん役のとまっちゃん・・・・失礼、戸松遥さんと、ウィスパー役の関智一さんがボイスで出演。だいぶ本格的なコラボになっている。そしてショーのパフォーマンスも「妖怪ウォッチ」の音楽に合わせて進む。「ゲラゲラポーのうた」とか「ようかい体操第一」とかね。トレーナーの人たちも物凄くいい笑顔でダンスしていて楽しそう。このショーの内容がなかなかハイレベルで、妖怪を抜きにしてもだいぶ引き込まれてしまった。大小様々なイルカたちはダイナミックなジャンプを見せたり、かわいらしい芸を披露していく。途中、ひたすら観客に水をかけるという悪質なコーナーが。尾びれを使って直接水をかけるのはまだかわいい方で、巨大なオキゴンドウがジャンプして大量の水を浴びせるのは、もう生半可な量ではなく、カッパを着てても防げているのか心配になるほど。時々、ビショ濡れゾーンではない席にまで水が達することもあるので、気が抜けない。私は最後尾にいて安全だったので、他の観客が水をかけられるのを喜んで観ていた。パフォーマンスの完成度やショーの構成が高かったので、次の回も観てしまった。イルカショーの合間に、アシカショーも鑑賞したが、こちらも饒舌なトレーナーさんとひょうきんなアシカのコントが面白く、楽しめた。
 ライブ終了後、品川駅のレストランで遅めの夕食をとり、帰りのバスまで待機をしていることにした。幸いにもバス乗り場付近にはファミレスがあるので、そこでのんびりパフェを食べていたが、そこから外でスケートボードの練習をしている人たちが見えた。いい年してニューエラみたいなキャップを被って、ひたすらスケートをガーガーいわせている姿を心底みっともなく思う。


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  1. 2014/10/26(日) 09:46:59|
  2. 旅行記
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The Paradise Line




 私が、旅行やその他の用事でひとりで電車に乗っている最中は、必ず愛用のウォークマンで音楽を聴いて過ごしている(車内が混んでいる時など状況次第では控えるが)。電車に乗っている時にずっとイヤホンをつけている、ということをあまりよく思わない人もいるかもしれないが、私は好きだ。お気に入りの音楽があれば、旅モードの気分はもっと軽やかに、そして鉄道で過ごす時間はもっと豊かになっていくからだ。風情のあるローカル線などを走っている時はなおさらのことで、イヤホンから流れるBGMがなかったら、おそらく旅の楽しみが半減するに違いない。たぶん先ほどの「電車でイヤホン」問題は、都会のリアリズム溢れる忙しい路線についての話なんじゃないかと思う。私もそういう利便性だけを求められている電車に乗る時は、音楽は聴かない。これはあくまで、旅情を醸している鉄道だけに限った習慣なのだ。
 ウォークマンから流す曲は、退屈しのぎの味気ないランダム再生ではなく、完全に『これが聴きたい!』と指名して聴いている。音楽は、乗車中の退屈を紛らわす(そもそもあまり退屈というものを感じないのだが)ためじゃなく、旅中の雰囲気をもっといいものにしたいから聴くのだ。だから、音楽であれば何でもいいというわけではなく、その時の気分や目に入った景色に合わせて、『これが聴きたい!』という曲を選んで流している。そうなると、基本的にウォークマンは手の中に握っているか、外に出したままにしていつでもすぐに操作できるようにしている。はっきり言って落ち着かない。
 『選んでいる』とは言っても、実際は、聴く曲はだいたい決まっていて、いつも同じようなラインナップになってしまうのがほとんどだ。鉄道で聴く用のプレイリストも作っているくらいである。演劇関連、ゲーム音楽、はたまた昔の映画の挿入曲と、ジャンルとしてはいろいろあるが、どれもこれもあまり激しくなく、陰湿で薄暗くもなく、どちらかといえば耳に心地よいアコースティック系で、それでいて陽だまりの中にいるような暖かさを感じる曲ばかりである。旅の途中なのだ、せっかくだから楽しく、豊かな気持ちでいたい。普段はハードロックやハードコア、パンクの類も好きだが、流石に旅行中は聴きたくないし(苦笑)。また、実を言うと、私の最も愛するアーティスト・平沢進の楽曲でさえも、旅の最中はあまり聴かない。どの曲が良くてどの曲がダメなのかは、実に微妙な基準で直感的に選んでいるのであるが、まあ、キーワードは「心地よさ」と「向陽性」であると言っておこう。
 具体的に挙げてみると、最近だとシルク・ドゥ・ソレイユ作品の「OVO」のサントラが、他のアルバムだとXTCの「Oranges & Lemons」が気に入っており、よく聴いている。単曲で言えば、「夏の魔術(原題:Summer Magic)」という映画の挿入歌「On The Front Porch」や、HOW MERRY MARRYの「僕にできること」、音楽ゲームのギターフリークス/ドラムマニアの楽曲であるThomas Howard Lichtensteinの「STOP SPINNING ME IN CIRCLES (New Version)」なんかがよく聴く曲だろうか。あと、ポンキッキーズの歌の「さあ冒険だ」もお気に入りだし、そうそう、Electric Light Orchestraの「Twilight」も忘れちゃいけない。だって「電車男」だし(笑)。日が落ちてきた頃には、中孝介の「君ノカケラ」やスフィアの「Hazy」で、しんみりするのもいい。
 ・・・・なんて、このまま鉄道で聴く曲のラインナップを紹介していたらキリがないが、最後に一つ、鉄道の旅だからこそ、とりわけ大きな意味を持つ曲を、一つだけ紹介したい。列車が出発する時、私が数あるお気に入りの中から選んで、いつも一番最初に聴く曲なのだが、それこそがこのレポート(赤面)のタイトルにもなっている、「The Paradise Line」なのである。ひょっとすると、曲名からピンときた人もいるかもしれないが、「The Paradise Line」はファミコン用ゲーム「MOTHER」のサウンドトラックに収録されている曲だ。「MOTHER」のサントラは一般的なゲームのサントラと趣向が変わっており、ゲームのBGMに歌詞をつけて少しのアレンジを加え、一つの洋楽曲にしたものを集めているのである。ファミコンゲーム特有のピコピコ音から、あれだけの良曲たちを創り上げたのは全く見事としか言いようがなく、このアルバムは今のところ、私の生涯通じての名盤の最有力候補になっている。
 「The Paradise Line」とは、本来はゲーム中で主人公が乗る鉄道路線のことを指すが、サントラ版の歌詞を考えてみると、ゲームの世界を離れ、また違った場所にある空想の路線としての「The Paradise Line」のことを歌っているように思える(あくまでの私の印象で、本当はやっぱりゲームの「The Paradise Line」の歌なのかもしれないが)。歌詞や曲調からは、鉄道旅行の楽しさがまっすぐに伝わってきて、それだから私の鉄道旅行にも欠かせない曲になる。また、「The Paradise Line」という架空の路線は、各地に実在する、美しく、乗るだけで至福を感じる鉄道路線たちを象徴しているようでもあり、「パラダイス線」という言葉の響きだけでも、胸がドキドキする。だから、列車での旅の最初は、毎回この曲を聴いているのだ『ひょっとすると、今から走るこの路線が「パラダイス線」なのかも。』という、これから始まる旅への期待を込めて。










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  1. 2014/10/22(水) 18:48:56|
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平沢進×核P-MODEL「LIVE HYBRID PHONON」ライブレポまとめ

一日目

 平沢進×核P-MODEL「LIVE HYBRID PHONON」初日。今回の会場・ステラボールが所在する品川に、私が到着したのは午後4時のこと。あと3、40分ほどでグッズの先行販売が始まるので、まずは荷物を入れるロッカーを急いで確保したいところであったが、すでに高輪口のロッカーはすべて埋まっている。ロッカーは一応会場外にもあるみたいだが、どうも数が少ないらしく、これらも絶対埋まってるだろうなと考えて、会場とは逆方向の港南口に走る。品川駅を出て広場に下り、後ろ側のタクシー乗り場のあるところ、道路を挟んで向こう側にロッカーがある。なんと、これらもほとんど埋まっている(たぶんライブ関係ない)ので、急いで一つを確保。よし、次は物販だ。品川駅を高輪口へ、再び走る。

 高輪口を出てすぐの横断歩道を渡り、Wing高輪なる商業施設をまっすぐ突っ切って進む。いちょう坂という急な坂を上って左手にあるエプソン品川アクアスタジアムの中に、今回のライブ会場・ステラボールがある。一応、事前にこの会場について調べてみるも、ネットの情報だけではうまくイメージがつかめず、実際に訪れてやっと実態を把握することができたのだが、このステラボール、本当に水族館の隣、というか中にあるようなライブホールであった。ホール入口の横には水族館に続くエスカレーターがあるし、同じフロアには、水族館のアトラクションが設置されていて、メリーゴーラウンドが見える。隣の棟には映画館もあるし、カフェーもある。ホール単独で存在するのではなく、水族館を中心にした、所謂都市型エンターテイメント施設の一部分になっているような感じだった。水族館に映画館にカフェー、周辺にはショッピング・モールや飲食店も多くあるので、ライブ前の暇つぶし、あるいは腹ごしらえには事欠かない。

 会場に着いてみると、早速先行販売の行列ができている。ぱっと見、100人単位だ。いちょう坂を駆け上がって最後尾に並ぶ。この先行販売の時もそうだし、開場を待つ列でもそうであったが、私たちは常時この坂に並んで待機させられる。これが結構キツいのよ。ただ立ってるだけでも変なバランス取らなきゃいけないし、ちょっと足をブラブラさせるのも平地でやる時のようにはいかない。列が進んだ時は坂を下ることになるが、坂はかなり急なので、気をつけなきゃもう一気に駆け下りてしまいそうになる。あんな大勢の人間が集まっている坂道で、誰かひとりでも転んでしまったら・・・・。気をつけましょう、皆さん。さて、グッズの先行販売だが、私の前にたくさんの人がいた(こいつら全員馬骨なんだなー、と思うとちょっと面白いよね)ので、開場までに買えるかな・・・・?と少し心配であったが、列は意外にもすんなりと進み、開場時間までだいぶ余裕を残して、お目当てのライブTシャツ2種類と扇子を購入することができた。やったね!しかも、会場外のロッカーにまだ空きがあったので、グッズ購入、ライブTシャツに着替えを済まして、すぐさま入れる!また港南口まで走る手間が省けてよかったですヨ?

 観客の会場入れだが、予め調べてみたところによると、この整理の仕方が中々評判がよろしくないようで・・・・。番号整理が大雑把だというのだ。今回のライブだとどうだったかというと、整理番号1-500番台までは、1-100、101-200というように、100番ごとに列を作っていたが、それ以降は501-1000というように、かなり大きなまとまりで、一旦、坂の上に待機させられるのだ。また、そのまとまりの中で、番号で細かく整理はしない様子であった(おそらく観客に一任するということか)。501番と1000番では事情が大きく違ってくる。このまま大雑把に案内されたら・・・・、と不安に思い、他の馬骨の皆さんもどう案内されるのか分からない様子であったが、肝心の係員はホール入口付近、若い番号の列近くに偏って配置されており、坂の上の一団には十分に説明がされないままであった。これは改善すべき点である。だが、最後にはこの大きな塊の中で、「501番から510番までの方―!・・・・511番から520番までの方―!」と順番に呼び込み列を作って案内する形式になり、なんとか最低限の秩序を保ちながら会場入りすることができたかなと思える。

 ホールに入ると、右手に会場内ロッカー(結構いっぱいあった)、左手にグッズコーナーがある。チケットをもがれ、ドリンクチケットをもらうと、右手に二階席への階段、左手に花輪が飾られ、奥にはドリンクコーナーがある。急いで一階フロアへ!

 整理番号600番台だったが、十分にステージに近い位置を取ることができた。結構年配の馬骨の皆さんもいらっしゃるみたいだったから、あまり前に行く人はいないのかな?にしても、ヒラサワライブの客層って面白いよね。80-90年代から追っているようなベテラン風の人もいれば、見るからにミーハーそうな若者(馬骨歴3年の私もここに入るのだが)もいる。パッと見、女性客の方が多いかなという印象。相変わらずゴスロリファッションの人も見かけるし、上坂すみれ嬢を思わせるさらさら姫カットのお嬢さんの姿も見える。こう、女性客が多いと、割と身長の高い私はライブ中の見晴らしがよくなるので、結構助かっております(笑)
 
 客入れBGMは前回の核P-MODELライブ「パラレル・コザック」の時の同様、インターナショナルなテクノポップ(って言うのかな、コレは?)曲集。またメカノの店長に聞かなきゃいけないのかな・・・・?ステージも、「パラレル・コザック」のように、上手下手それぞれの前方に例のマイクスタンド(しかし、マイクとしては機能していない模様。集音部では青いランプが光っている)が一本ずつ置かれ、その周りに、上手にEVO一本とノートパソコン、下手にもEVO一本とノートパソコン、そしてミキサーが置かれている。公式ではアナウンスしてなかったけど、一応核P-MODELのライブでもあるから、PEVO1号さん来るのね。物販でもPEVOグッズ売ってたし。となると、ヒラサワが下手、1号さんが上手に来ることになる。前回と全く同じだ。
 前回と違うところは、そのマイクスタンドの後ろが、一段高くなっていて、そこにレーザーハープが置かれているということ。これまでのヒラサワライブでレーザーハープは中央のヒラサワを挟むように2セット置かれていたが、今回はそれらを離して、ヒラサワに1セット、1号さんに1セットずつ用意されているみたいだった。お?1号さんレーザーハープ初体験?そして極めつけは、ステージ中央後方にどどんとテスラコイル。今回のライブ、いろんなパフォーマンスが見れそうだな。よくわからないのは、テスラコイルの前に2つずつ置かれた、丸めたポスターみたいな円錐状の物体。何これ?ただのオブジェ?ていうか長いメガホン?


さて、そうこうするうちに、時刻は午後7時。平沢進×核P-MODEL「LIVE HYBRID PHONON」一日目、開演である。


 ライブ前に、出囃子を集めたアルバムを発売しているから、自然と出囃子がどうなってるのか気になってくる。今回のそれは、「パラレル・コザック」の「崇めよ我はTVなり」のような、激しい電子音がけたたましく鳴るような感じ。一曲目は核Pなのか。こっちの方が軽妙というか、軽薄というか、厳めしいというよりは、少し人をおちょくってるような印象だった。音楽に合わせてバンと光る照明がかなりカッコイイ。そしてついに出てきたおっさん二人。例の謎円錐物体を飛脚のように肩に担ぐ。こっちのハゲ・・・・失礼“スキンヘッド”は1号さんだな。じゃあ、あっちの人は誰だ?福間さん?(第三の人物をすぐに福間さんだと思うのはやめなさい)だってヒラサワっぽくないよ!黒髪じゃないし。・・・ん?・・・んん!?

・・・ほえ?


平沢進、白髪。
うわああああああああああ!!!



 たぶん、「やべえモン見ちまった・・・・!」って瞬間的に思ったの、小生だけじゃないはず。え?何?何なの?白髪なの?(確認)カツラ?地毛?ていうか髪下してるじゃん!坂本龍一っぽいじゃん!なんでこう、一曲目が始まってすらいないのに、こういうこと仕掛けてくるかなー。超面白いじゃん。
 この時点で会場はヒートアップ。フロア前列の馬骨は少しでもヒラサワに近づこうと、前へ、前へ。うわ、近い近い!
 白髪とハゲのおっさん二人は「パラレル・コザック」の衣装を着ている。白衣で白髪って、アヤしすぎでしょ・・・・。そして担いでいた例の謎円錐物体を手に持ちかえたと思ったら、それでテスラコイルの根本をえい!と突く。すると、ビビビビビ!という電気音を発しながらテスラコイル放電開始!超~カッコイイ!しばらく機械のように静止する二人。そして今度は上から垂れ下がっているヒモを握り、タイミングを合わせて下に引っ張ると、テスラコイルの左右の設置されてあった長方形のモニターに、液体が溜まっていく(映像)が!おお!今回はモニターを使うか!液体が満たされると、一度消灯して、炎が燃え上がった。モニターの準備も完了ということか。この時点ですでにカッコイイわけです。カッコイイしか言えないです。


 一曲目何かな~と思っていたが、出囃子の時点でちょろっとイントロ流れてたし、今回は割と早い段階で分かっちゃうんだよね。

ヒラサワ「♪ファイファイ屋~、感嘆(エコー:感嘆、感嘆、感嘆・・・・)」

・・・・何だよ、カッコイイじゃん。

1 アンチ・ビストロン(Mecano Ver.)
 Aメロ部分(「♪ファイファイ屋~」のところ)でぶつ切りし、最後の語句を繰り返すようにエコーがかかる。これを毎回やるようなアレンジ。結構大きくアレンジされているんだな。ギターソロは控えめなデストロイ。しかしギターを二回ヒザ蹴りします。おっさん二人のシンクロナイズドギターも披露。ギターソロのパートも、少しアレンジがあったかな?要所要所でギターが入り、これがまたかっこいいんだ。モニターには、「マトリクス」風のサイバー的な映像と、たまに歌詞が流される。歌詞間違ったらすぐ分かっちゃう。

2 Rocket Shoot Ⅱ
 ちょっとまて。「平沢進×核P-MODEL」とか言っておきながら?前回の核Pライブでもやるかやるかと思わせて結局「ENOLA」しかやらなかったのに?いきなり二曲目から?P-MODEL曲を?やっちゃうなんてそれって・・・・。
ありがとうございます!ありがとうございます!
しかも、名曲「Rocket Shoot Ⅱ」!これが生で聴ける日が来るなんて・・・・。なんでそんなに声が伸びるの?って話ですよ。この時点で、「このライブ、何かが違うぞ」と本能的に察知した。

3 Gipnoza(「パラレル・コザック」Ver.)
 1号さんのギターから始まる、前回のライブアレンジ。ギターが目立つようなアレンジなので、少し浮遊感のある原曲よりも硬派な印象。モニターにはGipnoza模様がウニョウニョと流れる。結構画質いいんだな。にしても、序盤からトばすな・・・・。

4 暗黒πドゥアイ
 聴きたかった曲きた!「πドゥアアアアアアアアアイ!!!!」CDではシャウトしない間奏でも、「πドゥアアアアアアアアアイ!!!!」のサービス。これもモニターには歌詞が表示される。にしても、序盤からトばしすぎだろ・・・・。

5 それ行け!Halycon(「パラレル・コザック」Ver.)
 1号さんのMIDIギター制御で始まる目まぐるしいアレンジ。やっぱり弾くのが難しいのか、少し、ほんのちょっぴりだけつまずいてましたね。原曲ではピコピコしていたイントロは、ここでもギターで演奏されるので、かっこよくなっている。モニターには、全馬骨待望の、動くHalyconが!四肢をクネクネさせて、モニター内を行ったり来たりしたり、増えたりしてかわいらしいのなんの。サビでは大量のHalyconの群れが飛ぶ!福間さん・・・・じゃなくて毛糸帽の男が活躍していた間奏部分は、今回はテスラコイルが大放電する。白髪になったヒラサワのように、白黒反転した2PカラーのHalyconもいましたよ。おっさん二人のポジショニングは前回と同じ。交互に屈伸も相変わらずだが、1号さんが内股気味だったのが、無性に気になった。屈伸から「♪テケテケテケテケテケテケテケテケ、デデン!」でマイクスタンド前に戻るのがかっこよすぎる。

 演奏終了後、場内は暗転し、レーザーハープが点灯。左右それぞれ、上中下とレーザーが走るが、それらが反射されて、一階フロアの上空(つまり私たちの真上)に伸び、二階席のへりの部分に当たっている。かっこいいね。もう何回「かっこいい」って言えばいいんだか。そして上手下手のレーザーハープを結ぶように、一本のレーザーが走っている。重厚な弦楽器の音色が奏でる物々しい音楽を聴きながら、二人がハープの前に移動するのを見る。おっさんたちは上下を走るレーザーでひとしきりデモンストレーションを行い、持ち場へ。ちなみに、一本レーザーが使われるのは、このデモ部分のみのことであった。なんにせよ、ここからヒラサワソロのパートが始まるのだと分かった。

6 Nurse Café
 ソロ曲、最初は華やかにこの歌。馬骨も「ナースカフェへ!」と合唱する。1号さんはレーザーハープ初披露でしたね。核P曲と違ってコーラスに入る必要もないから、黙々と演奏に集中していた。ヒラサワは歌う必要があるからか、なんとなくレーザー演奏の難易度や複雑さは、終始1号さんの方が高かった気がする。私はこの日、一階フロアの前から三列目中央寄りにいたのだが、位置的に、ヒラサワの顔がレーザーハープの枠にかぶって見えなかった。嗚呼・・・・。

7 ナーシサス次元から来た人
 近頃のライブのセットリストを見てみると、最近演奏されてなかったので、なんとなくこれは演るかもなと思ってました。7曲めにしてやっと訪れたしっとりタイム。ヒラサワの歌声に沁み入って、いい感じにトーンダウンすることができた。と思ったのに、

8 王道楽土
 またヒートアップしちゃうじゃん!ていうか何今日のセットリスト。ガチ曲ばっかじゃないですか!やだー!にしても、まさかこの曲を演ってくれるとは思わなかった。モニターでは炎が燃え上がり、照明ももちろん真っ赤。サビの音圧が凄まじかった。ギターソロはデストロイはしないで、あの超かっこいい旋律を奏でていく。これには拍手喝采である。

 演奏後、おっさん二人はステージ中央に置いてある例の謎円錐物体を取り、さっきは突っついていたにも関わらず、今度は望遠鏡のように覗きこみ、会場中を見渡していく。なんだなんだ?まだ毛糸帽の男探してるの?しばらく観察を続け、程なくして出囃子のように、テスラコイルの根本を突くと、そこに置かれていた小モニターが水しぶきを挙げ、背後のテスラコイルも放電を開始する。次第に、水しぶきのチャポン音と、テスラコイルの放電音が何かしらのリズムを形成し始める。このリズムは・・・・

9 アンチモネシア(「HYBRID PHONON」Ver.)
 聴きたかった曲その2。「パラコザ」での「白く巨大で」を思い出させる、働きながらの演奏だ。テスラコイルに合わせて例の巨大メガホンで足元を突くと、モニターにチャポンという音をたててしぶきを挙げる。ヒラサワはやはり歌いながらで打ちづらいのか、突かないところで突きそうになり、すんでのところで手を止める様子が見られたし、また、突きそびれることもあった。これ、突きの判定どうなってるんだろう。突きそびれたとき、モニターにしぶきが映らなかったように見えたけれど。サビの部分では、歌いながら円錐物体を望遠鏡のように掲げて再び会場内観察。結局、そのメガホンは何なんだ!?間奏はテスラコイルの放電にて行う。テスラコイルが完全に楽器として働いているのが印象的。水のはねる音と、電気音が調和して、元々この曲が持っていたやさしい雰囲気がさらに助長されている。

10 庭師KING(「LIVEの方法2」Ver.)
 いや~、これ聴きたかった!やるかなとは思ってたけど、出囃子部分、誰かが大地を耕す音が聴こえた時は嬉しかった。流石にCDに収録していた出囃子は短くされていた。こんなに秀麗な「♪ヘーイヤイー」が今まであっただろうか。この瞬間に照明に照らされるヒラサワが凛々しい。生でヒラサワが歌う「庭師KING」が聴けて、生きる活力が蓄えられた。ここから少し、私の位置からでもヒラサワの顔が見えるようになった。サビの1号さんのレーザー捌きが、「わん!わんわんわん!わんわん!わん!」と、ちょっと犬っぽかった。

11 現象の花の秘密
 これ絶対演ると思ってました。事後報告ですが。ソロの最新アルバム「現象の花の秘密」の曲はライブで定着させるためにやるだろうなと。ここは優雅に横揺れです。アジサイの花の様な照明が、赤、黄色、“血の色”ピンクと色鮮やかで、レーザーハープの緑色もあって、ちょっとした植物園気分に。

12 聖馬蹄形惑星の大詐欺師
 二人がギターを担いだところでイントロが流れる。人気曲きましたね。馬骨大盛り上がりですよ。1号さんはひたすらデケデケギター。サビで少しだけPHONON2555風の動きを見せる。「♪聖なるかな」の時に、ピンク色に照らされたヒラサワの眼力がヤバかった。ギターソロはおとなしめ。

13 Big Brother(「LIVEの方法2」Ver.)
 これも最新アルバムから(「パラコザ」もこんな感じだったっけ?)。出囃子部分で段を下り、核Pブースに移動、そしてギターを担ぐ。このアレンジひたすらかっこいいですよね。間奏ではおっさん二人がシンクロナイズド・デストロイギターを披露。ヒザ蹴りは二回、最後はギターを耳元で立たせるポーズでキメ!

14 Parallel Kozak(「HYBRID PHONON」Ver.)
 ハイパー声休めタイムである。毎回インスト曲は一曲演奏するよね。ちょっとタイミングをはずすようなアレンジが挿入されている。ヘドバンが止まらないよ~!「パラコザ」のように片膝つくパフォーマンスも披露。ブレーキ音、衝突音の後は、そそくさと持ち場に戻っていたが、今回はシームレスに、1号さんのギター演奏が始まる。ん?これは!?

15 フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ 2005
 マジか、フルヘやるのか・・・・。これてっきり「トーキョー・ビストロン」限定アレンジかと思ってたのに。まさかのフルヘ。「♪デンデンデンデン」イントロが流れた時点で馬骨は歓喜である。だってフルヘ聴ける機会って滅多にないよ!たぶん。「Rocket Shoot Ⅱ」の時点で何かありそうな予感がしていたが、それはフルヘのことだったのか。1号さんに合わせて、みんなで手拍子をしよう。「♪も~ぉ~」の後は分かりやすいが、「♪へ~えぇえ~えぇえ」の後の手拍子は、やるところとやらないところがあるので、聴きこんで慣れましょう。いや~、手拍子できて嬉しい楽しい!過去のフルヘ動画では終盤にかなり苦しくなっていたが、今年で還暦を迎えたヒラサワ、確かに多少苦しそうだったが、しっかりと歌い切り、成長といいますか、これまで積み重ねてきた年月を感じさせるような貫禄がありましたね。最後は1号さんも一緒にスタイリッシュに「フルヘッ!」で決める!

 フルヘ後に、間髪いれずに演奏が始まる。MIDIギターで何とも言い難い甲高い音色を出す。なんだろうコレ。こんな曲あったかな?なんかガムランっぽく聴こえるけれど。ん?ガムラン?ひょっとして・・・・!すると、私がまさしく思い浮かべていたイントロが流れてきた。

16 Black In White
 はい、オレ歓喜。これも歌ってくれるなんて・・・・!感無量だ。ていうかフルヘの後にコレとかキツすぎだろ!最初の高音パートは少し苦しそうだったが、それ以降しっかりと歌い切り、サビのファルセット具合も秀麗。未だにコレ歌えるんだ、すごいな・・・・。タイトルだけを考えると、ある意味この「HYBRID PHONON」にふさわしい曲に思える。だって「Black In White」だよ。

 演奏が終わっても、ガムランの余韻は消えずに、少し短調風になった重苦しく不気味な音色が響き続ける。何に続くのか気になっていたが、段々と、少し可愛らしい、だからこそ気味の悪い弦楽器のリズムが聴こえてくる。そして、次第に耳に入ってくるのは、あの悪夢のようなイントロ。どんどん大きくなってくる。恐怖のパレードがやってくる!

17 パレード(「HYBRID PHONON」Ver.)
 マジで今日のセトリ何なの。「パレード」もやるとか、人気曲ばっかじゃん。この曲の演奏も久々か?「Black In White」からの流れで始まる感じは、いかにも「HYBRID」に思える。モニターの映像は、色のないどこかの世界のゴミ処理場の風景。パレードが通った跡か、それともこれから彼らが向かう先か。ライブ後に公式twitterによると、この映像は大和久マサル氏によるものなのらしい。サビで音圧が一気に上がり、照明も煌びやかになる。間奏はテスラコイルの大放電。

18 Kingdom(「SWITCHED-ON LOTUS」Ver.)
 もうイントロの時点で、もう・・・・ね。そして初っ端のサビの時点でもう・・・・ね。ホントこの曲、このアレンジ生で聴けるなんて思ってなくて、終始泣きそうだった。なんだよこの歌唱力。この壮大なアレンジ。天に昇る気分を味わった。そして、ライブの終わりが近づいているのだと察した。

19 救済の技法
 このセトリはおかしい。なんでこんなラスボス曲ばっかなんだ?ちょっと「ドヤ顔の技法」を思い出してニヤニヤしてしまった。轟音に合わせて拳を振り上げる馬骨たち。照明で真っ赤なった舞台で凛々しくレーザーハープ演奏をするおっさん。壮大な曲で馬骨を圧倒する。演奏終了後、ヒラサワは1号の方を一瞥、1号さんうなずく、ヒラサワちょっと戸惑い気味にハケる。段取りがよく分からなかったのかな。ていうか、え?これがラスト?戸惑う馬骨たちであった。

 鳴り止まない拍手と歓声の中、ライブグッズである扇子を手にし、扇ぎながら再登場したヒラサワと1号さん。

ヒラサワ「この・・・・さりげない物販アピール」(このタイミングでしゃべるんだ!)
馬骨「(ウワーサリゲナーイ)」

レーザーハープの前につき、馬骨の「白い!」の指摘には耳を貸さずにアンコールへ。

20 白虎野
 もうセトリ最高すぎ。まあこの曲もどこかでやると思ってたけれど。「パレード」も演奏したし、「パプリカ」関連曲(「~娘」ではないけど)つながり。ウチ帰ったら「パプリカ」見なおしますよ。モニターの映像はインタラクティブ・ライブ「白虎野」の映像(アリさん)。これはオールド・ファンには嬉しいだろう。ヒラサワの歌声は、本当に「喉からCD音源以上」だった。ものすごい華やかなフィナーレになりそうだった。

 核Pブースへ。ここでMCが入るみたい。

ヒラサワ「ローディーの松村師匠にギターのチューニングをするように言われたので・・・・。見よ!ヒラサワのチューニング姿です。」
馬骨「「「うおおおおおおお!!!」」」
・・・・おかしくねえか?コレww

ヒラサワ「核P-MODELもこれで・・・・3回目のライブになったわけですけど・・・・、また異星人を引き連れて・・・・」
馬骨「「PEVOさーん!」」「「1号さーん!」」
1号さん、サイン波攻撃。
ヒラサワ「PEVO1号です!」
(((大拍手)))

ヒラサワ「えー、PEVOがシングルを発売しまして・・・・、物販の方でも販売してるんですけど・・・・、で、今度ライブするんだっけ?」(なんか普通に会話を始める)
1号「(マイク入ってなくて聞こえない)○○○・・・□□□です。」
ヒラサワ「・・・・に!ライブをやるそうなので・・・・」
これはひどいwww
1号さんも思わず苦笑い。

ヒラサワ「では最後の曲です。」
馬骨「「「えーーーーーーー!!!!」」」
ヒラサワ「(無視)」

 核P曲でラストを飾るのは・・・・

21 Timelineの東
 オーラスはやっぱりコレか!さっきの「白虎野」と相まってものすごい明るくて華やかな締めくくりだ。「パラコザ」の再現、マイクスタンドこすりつけ奏法ももちろん披露する。やっぱりエンディングにぴったりな曲だなー。最後は楽しく盛り上がっちゃって終わりましょう!
演奏後、ヒラサワ「ども。」で退場。本当に楽しいライブをありがとうございました。



 「LIVE HYBRID PHONON」、近年稀に見る、充実度の最高レベルのライブだったんじゃないかな。ソロと核Pのいいところがうまく「HYBRID」している。初期曲は皆無で、ソロの時系列的な振り幅はあまりなく少し大味と言っちゃ大味気味であったが、ソロ、核Pの人気曲、ガチ曲、ラスボス曲ばかりの、俗っぽい言い方をすれば「神セトリ」と言ってもいい内容で、観客たちは終始圧倒されていた。それでいて、P-MODEL曲の披露、多くの新アレンジなど、サプライズ要素、新要素も豊富。レーザーハープにテスラコイル、そして核P曲でのEVO演奏、また、新採用のモニターなどで、機械的にも多彩なパフォーマンスが披露された。本当に満足度が高く、あっという間のライブだった。そして、ヒラサワの白髪。白沢。こういうセルフプロデュースや話題作りは流石の腕前である。衣装やステージの配置、出囃子や序盤の流れはヒラサワソロというより核P要素が強く感じる。MCでも、核Pの立場で話しているような印象を受けた。まあだからどうということもないけど。今日のセトリから二日目、そして最終日と、どのようにラインナップが変わっていくのかが楽しみだ。


二日目

 平沢進×核P-MODEL「LIVE HYBRID PHONON」二日目。初日のうちにお目当てのライブグッズも購入できていたので、この日も行われる予定のグッズ先行販売の行列には並ばず、開場時間のギリギリまで、ライブ会場・ステラボール近くの水族館を楽しみながら待機をしていた。ステラボールの内部の様子や客入れの仕方など、ライブ周辺の事情も把握することができていたので、あまり心配事はなく、開場前も私にしては珍しくリラックスした心持ちでいた。

 ライブ二日目の私のチケット番号は1000番台中盤。それほど早いものではなかったし、一日目に前列でのライブを堪能していたので、『今日は後ろの方で、しっとりとヒラサワの歌声に聞き入るか。』と気楽な気持ちでいた。客入れの仕方は昨日と同様に、1-500番台までは予め100番ごとに列を作り順番に会場に案内する、それ以降の番号については一旦ひとまとめにして待機させ、前の番号の列が会場に入り次第、100番ごとの列を作って案内する、という方式を取っていた。流石に初日よりはスムーズに進み、係員どうしの意思疎通もうまくできているような印象。初日にはなかった、501番以降の、100番ごとの列の場所を示す看板(つまり、501-600、601-700、・・・と書かれた看板)が作られており、この対応の早さは高く評価するしかない。

 ステラボールに入り、グッズ売り場やドリンクコーナーには目もくれずにホールに向かうと、意外にもフロア前方がまだまだ空いていたので(やっぱり前に行きたがる人は少ないのかな?)、ライブ前の計画―『今日は後ろの方で、しっとりとヒラサワの歌声に聞き入るか。』―を瞬時に転換、瞬時に払拭し、いそいそと前の方へ。初日は中央寄りの位置取りをして、レーザーハープの後ろに立つヒラサワのお顔を拝見することが叶わなかったため、それを見越してこの日はステージ上手側(PEVO1号さん側)へ。世界のニュー・ウェイブを聴きながら開演を待つ間、他の観客を観察していたが、荷物を持ったまま前列に来てしまっている人が結構いるのよね。仕舞いには大きなバッグパックを背負ってる人なんかもいたりして、流石にそれはロッカーに預けるべきだと思った。あまりライブハウスに来たことがない人が多いのかな、ヒラサワライブの客層は。

 そんなこんなで、時刻は午後6時30分。平沢進×核P-MODEL「LIVE HYBRID PHONON」、二日目の開演である。

 なおこの日は、多くの作品でサウンドトラックを平沢進に依頼し、自身もヒラサワのファンで、親交も深かったアニメーター・故今敏監督の誕生日であった。おそらく初日とはセットリストを多少変えてくるに違いないが、今監督を意識するような曲目になるのかどうかが、個人的には気になるところであった。まあ初日からして「パレード」に「白虎野」と、今監督作品にゆかりのある曲が披露されていたので、このライブ全体の構成が、そもそも今監督を意識したものだったのかもしれないけど。

 場内が暗転し、例の出囃子が流されると、後ろの観客に押されるように前へ、前へ。ふみゅ・・・・結局今回も近くのポジションについてしまった。角度的にはヒラサワの顔は隠れないはずだ。1号さんも近くで見れる(1号さんは身長が高いのでレーザーハープにカブることはない)し、これは中々イナフな位置取りができたかもしれないぞ。

 相変わらずけたたましい、それでいて軽薄な出囃子が鳴り響き、明らかに放出しすぎなスモーク(一瞬ホントになんも見えなかったww)の中、核P-MODELの二人が登場!ヒラサワはやっぱり白髪であり、昨日の出来事が夢ではなかったことを無言で諭してくれる。てっきり日替わりで髪の色も変わるのでは?と思っていたが、今回のライブは白髪で突きとおすのね。例によって、謎のメガホンを担いでパフォーマンス。よく見ると謎メガホンにはマーブル状に模様がついてある。昨日もあったっけなあ?メガホンでテスラコイルの根本を押すと、テスラコイルが起動して激しく放電を始める。この光景を見るのは二回目だが、やっぱりこの瞬間は鳥肌が立つほどにかっこいい。ていうか、白衣羽織った白髪とハゲのおっさんが、謎の円錐状物体でテスラコイルを操作して放電させるって、絶対ライブじゃないなにかだヨ・・・・。上から垂れ下がるロープを引いてモニターに映像を満たしていく。モニターが満タンになると「ピュンっ!」という電子音とともにすぐに消灯、かと思ったら炎があがり、これにてライブの準備は完了。出囃子の音が抑えられていったところで、

ヒラサワ「♪ファイファイ屋~ 感嘆(エコー:感嘆、感嘆、感嘆・・・・)」

 やっぱりこの入り方かっこいいな。


1 アンチ・ビストロン(Mecano Ver.)
 もう一度言います。この入り方かっこいいな。まあさすがに一曲目は変わらないよなあ。出囃子が同じである以上、それに続く一曲目が変わるわけがない。先の「♪ファイファイ屋~」のあとでステージ前方の核Pブースに移動するのだが、ギターを担いで最初に、観客を小バカにするような表情でおっさんたちが交互に「デーン」「デーン」と弾いてから歌い出すのが心底シビれる。サビの途中でもヒラサワが気だるそうにギターで「ギューン」とやるのもかっこよかった。「パラレル・コザック」のように二人が同時に屈伸するタイミングも凝っている。かなりいいアレンジだよなあ、コレ。

2 論理空軍
事後報告になっちゃいますけど、この曲はいつかやるんじゃないかなと思っておりまして。おそらく日替わりで演奏する曲は変えてくるだろうと思っていたのだが、気合いの入ったアレンジをした曲や、モニター映像が凝っている曲、あとは出囃子とつながる一曲目や、前の曲後ろの曲でつながりを持っている曲は三日間通して披露されるだろうなー、とおぼろげに予想して、じゃあどこで曲変えてくるかと考えたら、まずはこの二曲目であった。初日では「Rocket Shoot Ⅱ」が入ったけど、おそらくここはP-MODEL曲枠だなと予想し、かつ「音楽産業廃棄物~P-MODEL OR DIE」、「電子悲劇/~ENOLA+6」、「P-MODEL」などに収録され、核P-MODELの1st.ライブ「トーキョー・ビストロン」でも披露された曲のうち、ライブの二曲目にふさわしい、イントロから盛り上がる曲が演奏されるはずだと考えた。そこをいくと、この「論理空軍」はやるだろうなーと思った次第であります、はい(Dustoid)。てなわけで、おおまかに予想していたわけですが、いざイントロが鳴ると予想が当たったということなんてどうでもよくてね、もうただただこの曲が聴けるってことが嬉しくて、思わず『うおおおおおおおおお!!!』って叫んじゃいましたよ、お兄さんは。とにかく、二曲目は日替わりP-MODEL曲枠で決まり!たぶんこれもこの日だけ歌われるはずだが、モニターに映るのは歌詞だけとかそんなんじゃなく、伝説のPV映像で、これがまた嬉しいのなんの。まさか今回のライブで小西さんと福間さんの顔まで拝見することができるとは(笑)。アレンジやパフォーマンスは控えめ。原曲そのままでお楽しみくださいってことかな。

3 Gipnoza(「パラレル・コザック」Ver.)
 初期P-MODEL風とも言える、かっこいいイントロが1号さんのギターによって奏でられていく。なるほど、ここも固定なのね。最初の「パワーホール」チックなイントロに入るところの盛り上がりがすごい。かなりライブ映えする曲だと改めて思った。1号さん、ひたすら「ワっ!」

4 パラ・ユニフス
 ここも変わりそうだったなあ。一日目は「暗黒πドゥアイ」だったわけだけど、なんとなく、アレンジが加わってなく、原曲のままで披露される曲は日替わりになりそうな予感がしてた。これも盛り上がる曲ですからね、フロアは揺れに揺れてました。私のヘドバンも止まらず、なんと弱冠四曲目にして、首が痛くなってくるという(苦笑)。

5 それ行け!Halycon(「パラレル・コザック」Ver.)
 やっぱりイントロのMIDIギター制御が難しいのか、1号さんはまたしても多少のまごつきを見せる。ここも固定の、ライブ映えする曲パート2です。ライブではギターの音が目立つが、こっちのほうがなんとなくかっこよく聴こえてくる。モニターにはもちろんハリコンが、四肢をうにょうにょ動かしてモニターを行ったり来たり増えたりして、大層あいくるしい。サビで映るようなハリコンの群れが私たちの体内で働いてると思うと、なんとも微笑ましいですネ。このアレンジは、間奏がかっこいいんですよ。テスラコイルも放電演奏されるし、モニターの映像も凝ってるし、おっさん二人は突っ立ってギター弾いてるし、どこを見てればいいのか分からなくなるほど、見どころの多いパートである。これら様々な要素が合わさって、ステージ上にできる一つの画は、物凄く胡散臭かっこいいんだろうな。

 演奏終了後、レーザーハープのスイッチが入り、フロアの上を緑色のレーザー光線が走る。前日と同じく、ここからヒラサワソロ曲コーナーが始まる。大仰な弦楽器の旋律に合わせてデモンストレーションを行うおっさん。やがて聴こえるあの声は・・・・


6  Nurse Café
 あ、ここは変わらないんですね!てっきり替えてくるかなーと思ってましたが、先のデモンストレーションのBGMから、この「Nurse Café」につながる流れができていたのだろう。これも人気曲だし、ソロコーナーの幕開けとしては華やかでいいですネ。この日は角度的にヒラサワの顔も見えるし、幸先いいぞ。「ナース・カフェへ!」

7 帆船108
 替わりました。私の好きな曲がここで来ました。替わるにしても、前日が「ナーシサス次元から来た人」の枠だったから、しっとり曲でくるかなと思ってたら、まさかの昇天曲。レトロフューチャー・チックな閃光音と、歌詞の仏教的世界観がマッチしていて、いかにもヒラサワ音楽らしい曲ですが、こういうのを演奏してくれると、一気に「PHONON」って感じが出てくる。照明も青っぽく、「PHONON」っぽい。ヒラサワの歌声も音源以上のもので、サビの吐息混じりの歌唱は色っぽい。間奏は沁みました。ライブ会場でこれが聴けるなんて・・・・、ホントに嬉しい。

8 スノーブラインド
 レアな曲がきましたね。このタイミングで「スノーブラインド」か・・・・。これまでの曲と異なり、静か~に始まるから、しばらくの間何の曲か分からなかった。確かに原曲にも入ってるけど、一番最初の「♪あ~あ(↑)~~~あ(↑)~あ(↓)~」の歌声、ライブでヒラサワが実際に歌うのだが、明らかに原曲よりも声量が大きい(というか原曲だとボリュームが抑えられている)し、あまりに声が綺麗だったから、神々しさが増して、違う曲に聴こえてしまう。まあこのあたりで、あ、この曲だ!と気づき、おなじみの名状しがたいイントロが流れてきて確信したのだが、イントロが流れても、どうもフロアの反応がよくない。この曲、認知度が低いのだろうか。それとも、私みたいに『え、この曲やるの!?』と思い、意表を突かれてハッとしてしまったか。この曲は、ひたすらヒラサワの歌声に聞き入る時間。飛び跳ねる人も嬌声を送る人もいない。モニターにも雪が降り、照明も真っ白。こういう時間も、なんだか物凄く「PHONON」っぽい。なんとなく、前日から核P要素の方が強い印象だったので、やっとこういう平沢進らしい空間ができたなと感じた。

 演奏後、モールス信号が鳴り響く中、例の謎メガホンを掲げる二人。メガホンに模様が出来ているように感じるが、前日もこんな感じだったかな?メガホンを望遠鏡のように覗いて、観客の方も観察していくが、観客の中に、自分が見られていそうな時に、彼らに向かって手を振る人の姿が(笑)。たぶんあのヒラサワさんのことだから、覗いている方の目は閉じてるかもしれませんよ(笑)。テスラコイルを突っついて起動させ、放電音と水しぶきの音で奏でる曲は、


9 アンチモネシア(「HYBRID PHONON」Ver.)
 これホント切ない曲ですよね。テスラコイルの放電音と核P-MODEL曲が全体的に持つディストピアSF風の世界観と、やさしい水しぶきと歌詞の太古性、神話性が対照的だが、それらが合わさることで、こんなにも切なく胸を締め付ける音楽ができあがるのか。PEVO1号は黙々と確実に突くのに対し、ヒラサワは少したどたどしいまま。こうやって並んでいるのを見ると、かなり身長差あるよなーと思う。

10 庭師KING(「LIVEの方法2」Ver.)
 誰かが大地を耕す音が聴こえたら、それが庭師KINGだ。会場が再び熱気を放つようになる、人気のアレンジだ。今回のライブはハイライトとなるシーンがありすぎて困る。個人的に、いつもこの曲に元気づけられているし、今後さらに頑張らなきゃいけなくなるから、このタイミングでライブで歌ってもらえると、激励されるようでなんとも嬉しい。相変わらず美声の「♪ヘーイヤイー」演奏中にヒラサワは舞台裏の方を見ていたが、何があったのだろう。

11 脳動説
 やっぱり入れてきた「現象の花の秘密」曲。やっぱりライブでの定着を目論んでいるのか!?この曲は「PHONON 2555」でも披露されているから、同アルバムでいちばん演奏されている回数としては多くなる。にしても、白髪で白衣で「脳動説」なんて歌ったら、完全にマッドサイエンティストだよ・・・・。意外にも、レーザーハープ捌きが慌ただしい。

12聖馬蹄形惑星の大詐欺師
 へ~、これも固定なのか。二人がギターを担ぐ時点で、この曲だなと分かる。一曲の中で照明がコロコロと変わる。昨日に引き続き、“血の色”ピンクに染まるヒラサワが印象的だった。

13 Big Brother(「LIVEの方法2」Ver.)
 何かの起動音が聞こえ、二人がステージ前方の核Pブースに下りてくる。「庭師KING」が固定されるなら、同じアルバムに収録されているこの曲も固定されるだろう。この曲をキッカケに馬骨になる人が多いくらいの人気曲であるし、まずアレンジが超絶かっこいいから、ライブの中でも屈指の盛り上がりを見せる。出囃子部分の際に、ヒラサワはギターをチューニング。昨日「ヒラサワのチューニングです。」というMCで盛り上がったが、ここにきてナチュラルにチューニングしちゃってるよ!本来の出だしの前に、一回イントロを弾く。なんか不服そうな顔をしてたが、あれ、出だし間違ったわけじゃないよね?ね?その後の演奏は滞りなく進み、「♪連呼せよさあ思慮は今罪と知るべし」のパートは完全にアヤしい集会。ツイン・デストロイギターもビシっと決まり、最後はギターを耳元に立てるポーズ。

14 Parallel Kozak(「HYBRID PHONON」Ver.)
 ハイパー声休めタイムである。今回のライブでは曲中盤に新パートが挿入されているが、よく聴くとこれ、フルヘのイントロじゃん!すでに次の曲へのフラグが立っていたとは・・・・。これも「HYBRID」と呼ばれる由縁か。

 てなわけで、今日もヒラサワさんに頑張ってもらいましょう!


15 フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ 2005
 シームレスにイントロが流れて、馬骨は大盛り上がり。さあ、楽しい楽しい手拍子タイムだお!この曲の手拍子は単純に見えて、意外と難しい。「♪も~ぉ~」の後の手拍子はカンタンだが、「♪へ~えぇえ~えぇえ」の後は、手拍子をするところとしないところがあるから注意が必要だ(実際間違って叩いちゃう人いたし)。昨日より苦しそうに見えたが、かつてのように「えっほ!えっほ!」となる失態は決して見せずに、最後は「トーキョー・ビストロン」の時を彷彿とさせるフルヘッ!ポーズを1号さんと二人でキメ!

16  Black In White
 フルヘ後の曲が気になっていたが、例のガムランが流れてきたので、ここの枠も固定だと知る。次の「パレード」とのつなぎの兼ね合いかな。にしても、フルヘのあとにこの曲は死ねるww最初のメロはやっぱりキツそうだけど、サビのファルセットはCD以上に綺麗に歌っていましたよ。ホントに歌うまいんだなー。

 演奏後に、例の不吉なガムラン、そして軽妙な弦のリズムが刻まれる。二人がレーザーハープの後ろにつくと、おなじみのあの不気味なイントロが聞こえ、その音がどんどん大きくなっていく。恐怖のパレードがやってきた・・・・!


17 パレード(「HYBRID PHONON」Ver.)
 モニター映像凝ってたからな、これは替わらないよな。今監督の誕生日に聴く「パレード」。17曲目なのは、「パプリカ」で言うところの「いわくありげなセブンティーン」ということか。改めて聴くと、よくできた歌詞だよなー。「地に落ちた道理の通り」「ユートピアのパロディ」「頼みはSSRI」など、詞の背後に潜む世界の恐ろしい姿が見え、それでいて語感がいい。間奏でテスラコイルが黙々と働く光景は、ライブ終盤ということもあってか、なんだか切ない。サビで一気に音圧、照明が華やかになる。

18  Kingdom(「SWITCHED-ON LOTUS」Ver.)
あ、これも固定なのね。冒頭で期待してた曲をやるとしたら、ここだろうと踏んでいたので、少し残念かな。でも滅多に聴けないこの曲が、二日連続で、しかももちろん生で聴けるというのは、大きな幸いである。イントロでステージ上の照明はすべて真上に伸びていたが、その光はどこを差していたのだろうと考えると、目頭が熱くなる。ヒラサワはたくさんの曲を歌っているけれど、“昇天度”でいえば、この曲のこのアレンジはトップクラスだと思う。

 演奏終了後、聞きなれない弦音楽が流れ、その合間合間に「ダン!ダン!ダン!ダン!」と激しい轟音も響く。そんな中、レーザーの後ろでギターを担ぐ二人。初日にはなかった流れである。日替わり曲には違いないが、この導入では、何の曲だか判断がつかない。何だ何だと戸惑う馬骨たち。すると、突然あの印象的すぎるイントロが聞こえてきた。なんだ!この曲だったのか!


19 TOWN-0 PHASE-5(「HYBRID PHONON」Ver.)
 なるほど、言われてみれば、あの導入はこれっぽかったわ(笑)。本編ラストを飾るような人気曲の中で考えても、これは妥当な選曲。なんとなくコレも「PHONON」のイメージが強いんだよなー。今回は「♪インヤぁ~」のパートで、ギターの旋律を入れるという大きなアレンジが加わっていた。また、Aメロのバカコーラス部分では、二人はレーザーハープを弾くついでに、身体正面を上手側を向くようにして、右手を指先までビシッっと伸ばすポーズを取る。ちょっとエントロピー!ポーズに似てますね、コレ。そしてこれにすぐさま呼応する馬骨の適応力すごい。間奏ではまたしてもツインギターソロを披露。かっこいいです。これも好きな曲だったので、満足だ。「HYBRID PHONON」二日目も、本編は華やかにフィナーレを迎えた。演奏後、ちょっと手を挙げてからハケるヒラサワ。

 しかし、二人への歓声は止まらない!

 しばらく馬骨を焦らしてから、涼しげに再登場する二人。涼しげなわけは、またしてもさりげなくライブグッズの扇子で扇いでいたからだ。1号さんに至っては、仰がずに扇子を広げて聴衆に見せつけるというさりげなさ。レーザーハープの後ろにスタンバイし、おしゃべりもせずにアンコールへと。


20 救済の技法
 これアンコールか!一気にヒートアップするフロア。ステージは赤い照明に照らされる。この曲から発せられるエネルギーってすごいよね。


 演奏終了後、場内が暗くなった中、ずっと突っ立っているヒラサワ。一向に次の曲が始まらないので、なんとなく歓声を送る馬骨の皆さん。「しゃべってー!」とか好き勝手なことを言うが、私に至っては何の脈絡もなく「還暦おめでとうございます!」と言う始末。

ヒラサワ「失礼いたしました。ここでMCする段取りでしたが、つい仕事に一生懸命になって(忘れて)しまいました。」

ホントかなあ?

ヒラサワ「今年の寒い時期にライブをしました核P-MODELですけれども・・・・、デビュー9年目にして、3回目のライブをするという・・・・実にけしからんことで。」

けしからん!にしても、今回のライブ、「平沢進×核P-MODEL」ということだったが、ヒラサワ的には核P-MODELとしてステージに立っているのだろうか。

ヒラサワ「核P-MODELのライブに協力してくれる・・・・、あー別のプロジェクトでは、私の、同僚に近い存在です。PEVO1号です!」
1号さん、サイン波攻撃!
1号さんの人気に嫉妬ww

ヒラサワ「えー、PEVOはCDを出しまして・・・・、物販(強調)で売ってますけれど、シングルを出しまして、このあとフルアルバムも出ます。私・・・・ヴォルキス・プロラデュークも、3曲ほどギターを演奏しております。」
馬骨「おおーっ。」
ヒラサワ「これがまた、コピーしづらいギターになっておりまして・・・・(苦笑)。何卒よろしくお願いします。」
(((大拍手)))

ヒラサワ「えー、では最後の曲です。」
馬骨「「「えーーーーーー!!!」」」
ヒラサワ、ちょっと変な動きするけど、無視。


21 白虎野
 おお!今監督の誕生日にオーラス「白虎野」!これは否が応にも、監督を意識しちゃいますね。照明の華やかになる。ヒラサワの歌声は音源以上とか言ってる場合じゃないくらいに、美しく、素晴らしい。ベトナムの白虎油田にあやかったヒラサワ流の人間賛歌で、望みを持ち続ける人々のエネルギーに包まれるように、ライブが完結する。初日に続いて、この日も最後の最後まで満ち足りた気持ちになる。ヒラサワ「どうも。」で退場。PEVO1号は大きく一礼してハケていった。




 いやー、二日目もいいセットリストだった!ヒラサワのMCでも感じたことだけど、今回の「HYBRID PHONON」は核P-MODELの要素が強く思えたが、この日演奏された「帆船108」「スノーブラインド」そして「TOWN-0 PHASE-5」で、私の中では一気に「PHONON」っぽさが増し、二日目はヒラサワソロとしての印象も少しは感ぜられるようなライブになったと思う。初日が力で押すような感じだったが、やはり「帆船108」「スノーブラインド」で選曲に幅が出てきて、私個人の満足度としては、僅差でこの日の方が高いかなーって。

 あと、印象的だったのは、開演前に近くの人のスマホの画面が目に入った(覗き見たわけじゃない。目に入ったのだ)が、twitterで「知らない曲もあるけど、ノリで楽しみます!」みたいなことをつぶやいてる人がいたり、終演後に友人に「白虎野」と「白虎野の娘」の違いという、なんとも今更なことを語っている人がいたり、結構、ヒラサワに出会って間もない、若い世代の馬骨の姿(私もこの部類に入るのだが)をよく見かけたことだ。前回の核P-MODELライブ「パラレル・コザック」から、フロア前列のモッシュが話題になったが、こういうライブの楽しみ方をする若年馬骨が増加しているのかもしれないなんてことを考えるようになった。
 でも、過去のライブ映像を見ると、観客、結構揺れてるよねえ?このタイミングでモッシュが話題になる理由が見当たらない・・・・。私としてはこれくらいの揺れはモッシュとは言わないのだけれど、ライブ中に気分が悪くなっている人もいたみたいだし、私の周辺にはいなかっただけで、他のエリアではやたらな動きをする不届き者がいたのかもしれないな。そういう奴は正直ライブにこないでほしいと思うけど、一方で、フロア前列にいくことのリスクも考えるべきだと思うな。前情報でフロア前方に小モッシュが発生したことをおそらく知っていただろうし、それであえて前の方に飛び込んだのなら、多少の激しい運動は覚悟の上で臨むべきであろう。ライブで重要なことは、きちんと自己管理を行うことと、他人に迷惑をかけないような節度を持つことである。


三日目

 三連休最終日はなんとなく自宅にいたいと思い、チケット申し込みの時点で、平沢進×核P-MODEL「LIVE HYBRID PHONON」三日目については不参加を決めていた。しかし、最近のヒラサワライブにはUstrem配信という、自宅組にはたまらなく嬉しいサービスがある。全日SOLD OUTのライブを自宅で、しかも無料で観ることができるのだから、これは物凄く贅沢なことである。

 夕食を済まして、程なく時刻は午後6時30分。平沢進×核P-MODEL「LIVE HYBRID PHONON」三日目の開演である。

 初日、二日目は会場にいたため、今回のUst配信がどんな感じなのかは、最終日で初めて分かったのだが、今まで観たインタラクティブ・ライブ「ノモノスとイミューム」、核P-MODELライブ「パラレル・コザック」の時のそれとは、明らかに画質音質のよさが桁違いである。タイムラグもないし、ノイズもない。動きもスムーズ。一つのライブでも最終日が近づくにつれて、配信の具合がよくなるということがあったが、それはUst配信のスタッフさんの努力によるもので、今回のこの良質な配信もそのスタッフさんたちの努力が実った結果だと言えよう。

 カメラのアングルだが、フロア前方上手側から、ヒラサワの立つ下手方向を見上げているような角度であった。角度的に仕方ないことだと思うが、PEVO1号さんが見切れたり、完全に姿が見えなくなってしまうようことが多かった。また、カメラはスモークが噴出される場所に極近であったため、最初は大量のスモークで何も見えなかった。

 配信が開始された時、会場ではすでに出囃子が流されており、それから間を空けずに平沢進とPEVO1号、核P-MODELの二人が登場。スモークが晴れたら、いきなり二人が例の謎メガホンを担いでいたからちょっとビックリした(笑)。テスラコイル起動、モニターの映像の充填など、昨日一昨日、その場で自分の目で観た光景を、自宅のパソコンで観るというのは不思議な体験である。


1 アンチ・ビストロン(Mecano Ver.)
 流石に三回も聴くとなると、このアレンジにも馴染んできた。この配信で思ったのだが、イヤホンを装着して観てみると、会場では聴けなかった細かい音にも気づくことが出来る。まあ、会場と言っても、音のいい後ろの方だと聞こえたのかもしれないけれど、私が位置取っていたのはフロア前方だったため、ずっとスピーカーから流れる爆音のシャワーを浴びていたので、こういう曲の作り込みまでは聴き取ることができなかったのだ。

2 SPEED TUBE
 二曲目はP-MODEL曲枠と踏んでいて、最終日は何が来るかなと楽しみにしていたが、ここにきてついに名曲「SPEED TUBE」が演奏されるとは!手堅く「ENOLA」かなと思っていたので、これは会場にいた人たちが羨ましい。たしか「トーキョー・ビストロン」の一曲目ってこれだったっけ?アレンジは特にない。

3 Gipnoza(「パラレル・コザック」Ver.)
 やっぱりここは三日間固定、ライブでの盛り上がりが異常な曲。配信の方がギターの音などもよく聞こえる。ライブ会場よりも音のいい配信って・・・・。

4 排時光(「パラレル・コザック」Ver.)
 四曲目は日替わり核P-MODEL曲枠。前の二日間は「暗黒πドゥアイ」「パラ・ユニフス」と、比較的激しめの曲が演奏されたが、三日目はどこか陰湿で禍々しいこの曲が歌われた。この選曲は少し意外に思った。やっぱり最初は調子の悪いヒラサワのMIDIギター。何度もエフェクターを踏み踏み。ギターソロは交互に弾くが、「パラレル・コザック」の時のように、新パートが挿入されている。Good Morning Human 汝光なり。

5 それ行け!Halycon
 ここも全日程固定。配信でもモニターの映像がよく見え、無事に動くハリコンも認めることができた。この日はモニターを中心に見ていることにしたが、ハリコンのアニメーションは単調なものじゃなくて、結構バリエーションがあったんだな。

 演奏終了後、レーザーが点灯し、ヒラサワソロ曲コーナーが幕を開ける。やっぱりここでも見切れてしまう1号さん。1号さんは犠牲になったのだ・・・・。


6 Nurse Café
 三日間通しで、ヒラサワソロコーナーは華やかにこの曲からスタート。観客の「ナース・カフェへ!」の合唱がよく聞こえました。

7 脳動説
 あれ?「脳動説」この日もやるんだ!初日二日目で考えると、ここが日替わり曲の枠かと思ってたのだが、そういう“枠”など最初からなかったのかもしれないな。となると、二日目にこの曲が演奏されていた「庭師KING」の後に何がくるのか気になってくるし、そもそもこういう“枠”がなければ、いつ日替わり曲が歌われるか分かりづらくなる。肝心のヒラサワの歌唱はこの日も流麗。ファルセット絶好調でしたね。昨日と同様に、最初のサビは「♪こっ!っとな~きを~~え~~~た~~~」と、「こっ!」を強調していた。相変わらずレーザーハープ捌きが忙しい忙しい。

8 王道楽土
 ほおぉ~、この曲もやるんですか。初日と最終日に披露ということであれば、ひょっとすると、今回のセットリストは三日間の固定曲と、二日演奏される曲と、一日だけ披露される曲で構成されているのかもな。モニターには炎が上がるけど、これサビで高さが上がるのね。照明も真っ赤で、物々しい雰囲気だというのが、画面越しからでも伝わってくる。

 ここで小芝居タイム。モールス信号と風の音を聞きながらの例の謎メガホンを使ったパフォーマンスであるが、このメガホン、なんか汚くなってないか?どういう意味合いがあるのだろう・・・・。


9 アンチモネシア(「HYBRID PHONON」Ver.)
 テスラコイルの放電音と水しぶきの音がなんとも言いがたいやさしい哀愁を放つアレンジ。Twitter上で馬骨有志により、この二人がメガホンでテスラコイルの根元を突っついてしぶきを上げるパフォーマンスは、「テクノ湯もみ」と命名された!

10 庭師KING(「LIVEの方法2」Ver.)
 Twitterを見てみると、初日二日目ではこの曲で必ずノイズが出るという噂であったが、それは本当だった。なぜか出囃子部分からノイズが出現しだした。それは歌いだしにまで影響し、ノイズがビリビリいいながら「♪ヘ゛ーイ゛ヤ゛イ゛ー」となって、思わず笑ってしまった(笑)。そのノイズは途中で収まり、無事に美声の「♪ヘーイヤイ~(ビブラート)」も聴くことがかなった。配信でも素晴らしい歌唱力。最後はレーザーハープを「デン!デン!デン!」と三閃して決める。

11 帆船108
 「庭師KING」終わりに演奏される曲が気になっていたが、二日目にも演奏されたこの曲が、「脳動説」と曲順を入れ替えるように披露された。これも二日演奏される曲なのだろう。ここでもヒラサワの歌声は見事である。サビの歌声がやさしく、かつ少し色っぽい。

12 Astro-Ho! Phase-7
 お!ここで日替わり曲が登場。しかも再び「現象の花の秘密」から!「排時光」も演奏されたし、今日はなんか薄暗くて胡散臭い曲が目立つなあ。この曲はライブでのベンチャーズ風のテケテケギターに注目だ。サビのギターもどこかレトロな音色。これ、弾くの難しそうだよなあ。間奏とかヤバいだろ。

13 Big Brother(「LIVEの方法2」Ver.)
 再び会場のボルテージを最高潮にまで上げる人気曲が、三日間通しで披露される。サビの1号さんのギターがかっこいいんですよ。「♪連呼せよさあ思慮は今罪と知るべし」のパートは照明が赤くなり、完全にアヤしい集会の様相。

14 Parallel Kozak(「HYBRID PHONON」Ver.)
 ハイパー声休めタイムである。直立不動でギターを弾く二人。次の曲への伏線も織り込まれているアレンジになっている。

 さて、それじゃヒラサワさんに頑張ってもらいましょう!


15 フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ 2005
 よく聴くと、「Parallel Kozak」終わりのブレーキ→衝突音が、フルヘのイントロにも盛り込まれてるじゃないですかー!会場でも思ったが、なんかテンポ早くないか?こんなもんだったっけ?こんな簡単な手拍子で会場が一つになる。パソコンの前の私ももちろん手拍子を合わせる。三日間でいちばん辛そうに聞こえたが、しかし最後まで歌いきる。お見事です!

16 Black In White
 フルヘっ!から少し間を空けて(小休憩?)、演奏が始まった。フルヘ直後だから最初は苦しそうだったけど、次第にいつもの調子を取り戻し、この難関曲を綺麗な声で歌いきった。サビはもう圧巻である。これまたお見事です!

17 パレード(「HYBRID PHONON」Ver.)
 いわくありげなセブンティーン。「Black In White」からの流れは全日程固定。「Black In White」も「パレード」も、曲が始まる前に少し長めの導入を設けているのは、やっぱりこの流れのキツさを見越した曲間の小休憩のためか。

18  Kingdom(「SWITCHED-ON LOTUS」Ver.)
そして極めつけはコレね。「Big Brother」から本編ラストまでの、難関曲で一気に畳みかける流れには圧倒される。白い照明とヒラサワの歌声で、神々しいステージが出来上がり、twitterで昇天してしまう馬骨が大量発生(笑)。本編ラストの曲は、もちろん次の曲になるのだが、今回のライブのクライマックスはやっぱりこの曲に思えるんだよなあ。

19 救済の技法
 本編ラストは初日と同じくこのラスボス曲で。今度はtwitterで昇天から救済される馬骨が大量発生(笑)。華やかというよりは、力強く、聴く者を圧倒するように締めくくる。最後は照明でチラ沢となり「ありがとう。」と言ってハケる。

 しかし、二人への歓声は止まらない!


 歓声に後押しされるように、再び登場する核P-MODELの二人。例によってさりげない扇子アピールをしている。ヒラサワ、扇子を1号に手渡すと、1号はそれを上に掲げてこれまたさりげないアピール。レーザーハープの後ろにつき、ギターを担ぐ。この時点でアンコール一曲目はアレだなと分かるわけです。そして二日目に私を戸惑わせたアレンジ・イントロが流れ始めた。


20 TOWN-0 PHASE-5(「HYBRID PHONON」Ver.)
 何の曲か分かっている状態で聴いてみると、確かにあのアレンジはこの曲の流れだわ。やっぱりギターの調子が悪いヒラサワ、ツインギターソロの時に立ち位置とエフェクターの間をうろうろとしている。Aメロのバカコーラスに合わせて手を挙げるポーズは、これからライブの定番となるか!?

 核Pブースに降り、そして馬骨へのご褒美(餌)、MCが始まる。この日東京は台風の影響が懸念されていたので、ヒラサワもこれを気遣う。

ヒラサワ「お足元の悪いなか、ご来場いただきありがとうございます。えー・・・・遠方から来ていて今日帰れない人。(挙手―!)」
馬骨「「はーい!」」
ヒラサワ「うん、帰れ。」(←「帰るな。」だったかもしれない)
馬骨「「「キャー!!」」」
おかしくねえか?コレww

ヒラサワ「来れなかった人は・・・・いないから聞いてもしょうがないか。」
(自宅組「「「はーい!」」」)

ヒラサワ「またしても、松村師匠からチューニングをするように言われたので・・・・、チューニングしながらMCをします。前回の核P-MODELのライブから協力してくれてる・・・・。」
馬骨「「「1号さーん!!」」」
ヒラサワ「紹介します、PEVO1号です!」
1号さん、サイン波攻撃。
1号さんの人気に嫉妬ww

ヒラサワ「PEVOは、アルバムに先駆けてシングルを出してます。アルバムでは私もギターを弾いてます。PEVOのアルバムをお買い上げください。」
ただの宣伝(笑)

ヒラサワ「では最後の曲です。」
馬骨「「「えーーーーー!!!」」」
ヒラサワ「(無視して)・・・・Timeline(ボソ・・・・)」
馬骨「「「うおおおおおおお!!!!」」」


21 Timelineの東
 やっぱりこの日、そして今回のライブ全日程のオーラスはコレ!本当に華やかなエンディングにぴったりな曲だ。「♪道を東へ~」のところで、「パラレル・コザック」の時のように、ギターをツイッと立てる動きを見せるが、配信映像で見ると、この際のヒラサワののけぞり具合が面白かった。馬骨待望のマイクスタンドこすりつけ奏法も爆発。最後まで満足度、充実度の高いライブだった。




 こういう高品位なライブを自宅で配信で観れるのは物凄く嬉しい。TwitterのTimelineを追いながら見るのも、また違った楽しみ方だ。だって、明らかにあそこでやってるのはただの馬骨大喜利大会なんだから(笑)。
 初日はラスボス曲だらけの圧倒的なセトリ、二日目はレア曲もあった幅の広い「PHONON」的なセトリ、最終日は薄暗く胡散臭い曲の目立つセトリと、三日間でだいぶ印象が変わるが、どの日程も充実している内容で、見どころも多く、満ち足りた気分で終わった。『馬骨でよかった』、「LIVE HYBRID PHONON」は素直にそう思えるライブだった。









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この部屋からトータルへ 私たちとつながってください

  1. 2014/10/21(火) 19:13:34|
  2. 平沢進
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上高地に憧れて

 友人との二泊三日の松本旅行の最大の目的である、日本屈指の景勝地・上高地探訪は、旅程二日目に計画された。上高地といえば少し思い出すことがある。今年の夏期休暇最終日に級友たちが大勢集まる会が開かれたのだが、それに私も出席した際、自然と休暇中の過ごし方に話題が移り(もう五年も同級であるというのに、こういう余所々々しい話題でしか話せなくなる時が、未だにある)、そしてとある友人から、ガールフレンドと上高地や安曇野に旅行に行った話を聞いて、妙に腹立たしく思ったのも事実だったが、一方で、これらのまだ見ぬ土地への憧れが芽生えてもいたのである。今回、私を旅行に誘った級友もその会に居合わせていたのだが、おそらく彼も件の友人の思い出話を聞いて、それで当地探訪旅行のアイデアをひらめいたのだろう。実際、私が彼にこの話を持ちかけられたのは、会が終了して店を出た時だった。
 上高地はマイカー規制が常時行われている。そのため、私たち観光者は、近くの駐車場に車を停め、そこから出るバスに乗って上高地に行かなくてはいけない。駐車場がある場所には、沢渡と新島々の二つがあり、沢渡は松本から車で一時間、上高地までバスで三十分であるのに対し、新島々は松本からアルピコ交通の電車に乗り三十分、上高地までバスで一時間弱となっている。上高地に着くまでの時間に大差はなく、本来、どちらを選んでも不便はないので、途中で地方の電車に乗る新島々行きが個人的には嬉しかったが、車の方が安上がりで、時間のコントロールが容易ということで、探訪前夜に沢渡行きが決まってしまった。
 混雑を考え、早起きをして松本から沢渡へ、アルピコ交通上高地線に沿うた田舎道を自動車で走る。沢渡は標高が高いところにあって、まだ九月というのに、朝方だと気温は一桁なのである。この時、私はどういうわけか半ズボンを履いていたため、この時は結構寒かった。沢渡に着いたときに時刻はまだ午前の八時頃であったが、いくつかある駐車場にはすでに多くの自動車が停められ、どこも「満車」の文字を掲げている。だが、少し道を奥に進んだところのパーキングにはまだまだ空きがあり、結果、運よくバスターミナルに近いところに駐車することができた。おそらく旅行者のほとんどは沢渡入口部の駐車場に、急いで停めてしまう傾向があるみたいである。なお、私たちがターミナルからバスに乗り込む頃には、道は多くの観光客の車で混雑し、もう駐車どころではない有様だったので、本当にタイミングがよかったと、少し肝を冷やした。沢渡バスターミナルに行き、上高地へ向かうシャトルバス(有料)に乗る。他の乗客を見ると、本気で登山する装備を持つ人や、そこまではいかずともいかにもハイキングしそうな服装の人がほとんどで、半ズボンという場違いな格好の身の程知らずは私しかいないみたいで、恥ずかしく思った。
 上高地へ向かうバスの路は、どこかに探検をしに行くみたいでワクワクする。規制前の区間でも、山林を流れている小川を車窓から認めることができ、すでに水が澄みきっていることが分かる。宿が一軒しかなく慎ましい風情を醸す平湯温泉を通り過ぎて、ついにマイカーが規制されている区域に入る。入口には物々しい巨大な鉄門があり、その時は開かれていたが、観光バスや許可を得た車両以外は入れないように管理人が門の近くに常駐している様子だった。あの風光明媚な観光地からは想像もできない警備の厳重さである。しかし、この物々しい管理がされてあるおかげで、これから特別な領域に入るという実感が湧き、少し緊張感も出て、シャトルバスはどこかのテーマパークのアトラクションのようにも思える。いよいよ上高地に入るのだ。
 私たちは上高地バスターミナルの少し手前、大正池バス亭で降車した。この日に散策するルートを考えると、ここで降りるのが一筆書きができて都合がいい。バスを降りると、外の気温は沢渡よりもはるかに低く、子供たちですら長袖だというのに、半ズボンを履いている私は完全に大間抜けである。歩いていても凍えるほど寒く、できれば立ち止まりたくない感じだった。バス停から歩いてすぐの大正池は、大正四年に焼岳が噴火して一夜のうちに出現した広大な池である。今見ても十分広々としている印象だが、実はこの大正池は土砂が流れ込んで年々小さくなっているらしく、現在は噴火当時の十分の一の大きさだというから、驚くばかりだ。背後にはその焼岳がそびえている。天気がよくこの時、焼岳には雲一つかかっておらず、勇壮な姿を余すことなく眺めることができる。大正池が上高地の代表的な風景になっているのは、水面に立つ枯れ木と、エメラルドグリーンの水の幻想的なコントラストによるものだろう。周囲には多くの観光客がいて煩いが、それであるにも関わらず静寂を保つ池を眺めていると、その景色に吸い込まれるようになる。
 池をボートで遊泳している人たちの姿を見かけた。どうやら貸しボートがあるみたいである。私たちは面白がって、すぐにボートを借りることに。私も遊覧には興味があり、全面的に賛成であったが、半ズボンでこの気温の中でボートでゆったりは、色々とマズい。いよいよ凍え死んでしまうのではないか。小舟に乗り込むが、思ったよりも揺れて少し腰が引ける。まずは友人が漕ぐことに。こうやってボートに乗る機会は普段全くないが、朝の洗練な空気と青空に包まれて水面を進むのはとても気持ちがいい。自分が働かなくてもいい場合は特にそうである。しかし、程なくして漕ぎ手は私にスイッチ。座る場所を移す瞬間は、中々にスリリングだった。実を言うと、私はこの時までボートを漕ぐ経験は一度もない。うまく漕げるかどうも自信がなかった。それだのに、今度は枯れ木の立つ池の奥の方まで行ってみることになる。枯れ木やそれ以外の障害物が多く、しかもこの辺りは池の底が浅くなっていて座礁のリスクもある。それだからなおさら不安であったが、ドギマギしながら漕いでいくうちに、だいぶスムーズに操作できるようになってきた。なるほど確かに枯れ木の近くは底が浅い。座礁しないようにしたいが、ボートの進行方向は漕ぎ手の背中側。進む先がどうなっているのかが見えないため、同乗している友人たちの指示が決め手となるが、その指示がすでにマズそうな状況になってからされるために、こっちは気が気でない。結果、一度ボートを底に乗り上げてしまった。オールで底を押して脱出する。他にも倒木への衝突の危険にも見舞われたが、その都度、力技で何とか乗り切った。こういうマズそうな状況に何度も見舞われていると、自然とオール捌きに慣れてくる。ケガの功名というやつだ。おそらく、将来、女性をボートに乗せる機会があったら、私は軽やかにボートを漕いで、その洗練さていながらも頼もしい姿に、女性をときめかせることができるだろう。本当の問題はそんな機会が訪れるかどうかだ。漕ぎ手の役目をもう一人の友人に引き継ぎ、無事に(?)私の仕事は終了。あとは、優雅に大正池遊覧を堪能するだけだ。多くの旅行者で賑わう池の岸を離れ、哀愁漂う枯れ木や幻想的に透き通る水面を見る。普段の生業を忘れて、一枚の絵画の中に迷い込んだような錯覚を覚えた。
 大正池から、上高地のシンボル・河童橋方向へ、自然研究路を歩く。その道中にも上高地の自然が生んだ、素晴らしい景観が待っている。中千丈沢の押し出しとは、大雨が降る度に中丈沢の上流から土砂が流れ込んで、押し出された石屑が堆積してできた場所である。形。大きさ様々な小岩が転がっていて、なんとも荒涼としている。沢に近づいてみると、水流があまりに透明であり、少し感動してしまう。枯れ木や焼岳など、先の大正池に似た風景だが、天気や時間帯、そして水流の違いから、全く違う印象を受ける。こちらの方が少しばかり明るい。この辺りから気温が上がり始め、半ズボンがちょうどいい感じになってきてよかった。
 そこから再び歩くと、田代池という小さな池に出会う。こちらは土砂で梓川の流れがせき止められてできた池らしい。水が透き通っているため、浅い池底の赤褐色がくっきりと見える。規模は大きくないが、周りの森林的景観も相まって、ここも創作の世界が実現しているように感じた。河童橋へ、田代湿原を歩き始めるが、途中で研究路は梓川コースと林間コースに分岐する。なんともインタラクティブな自然路である。私たちはいかにも上高地らしい景色を求めて、川沿いのコースを進む。爽やかな晴天の下、焼岳を眺めながら、梓川の緩やかな流れを楽しむ。これはまさしく良質な、精神の保養となる。途中で、少し川原に降りてみる。おだやかに蛇行して走る梓川の純粋さと、周りを囲む山々の目映い緑色が美しく、これこそ上高地と言うべき絶景がそこにはある。川にちょっと手を入れてみると、とても冷たくて心地よい。川沿いの道は見晴らしがよく、木のテーブルなんかも設置されているので、こういうところでお弁当を広げたりすると、さぞ楽しいだろう。
 上高地帝国ホテルに近い田代橋も過ぎ、さてもうすぐ河童橋だぞというところだったが、先ほどから私たちは空腹を覚えていたので、一旦、上高地バスターミナルに向かう。この辺りには食堂もあるし、また売店もあるから、おにぎりや軽食を買って自然の中のテーブルで食べるのもよかっただろう。しかし、今回は観光センター二階の食堂で昼食を摂る。メンチカツも付いてくるボリューミーな山賊焼き定食を食べる。早朝から歩きっぱなしで、お腹が減っていたので、もうどのメニューもおいしくて、ペロリと平らげてしまった。やはり空腹は最高のスパイスということか。
 そして、ついに上高地のシンボルたる河童橋との対面を果たす。見晴らしがよく穂高連峰を認めることができるが、多くの観光客で混んでいて、騒々しくて落ち着かない。なぜ橋の名前が“河童”なのかは、どうやら芥川龍之介の「河童」に関係があるみたいだが、私はこの作品は未読であるので、何のことやらよく分からない。この河童橋の周辺が、上高地の中心地となっているようで、ホテルや食堂、売店、軽食など、先ほどのバスターミナルよりも賑わっている。流石にさっきランチをしたばかりだから、こういう店には用事はなかった。これから再び歩いた帰りにまた戻ってくる予定だったので、この時は寄り道をせずに橋を渡り、今度は明神橋方面へと歩みを進めることにした。
 河童橋から梓川の右岸を歩いて明神橋へ。この山間の道は、これまで歩いた川沿いと違って、坂道や階段の多く、アップダウンが比較的激しくなっている。この道程でも、川沿いの道とは一味違う、様々な草木の生い茂る多層的な森や、どこか物々しく不気味な岳沢湿原の風景などに出合えるのだが、明神池へ先を急ぐ気持ちと、じわじわと出てくる足腰へのダメージで、明らかに最初の余裕がなくなり、口数も少なくなってくる。気になるのは、途中途中の案内看板にある「明神橋まで○○m」の記載である。
 明神橋に至る直前に、明神池がある。この池は穂高神社の神域にあたるために、拝観料として三百円が必要になる。明神池には一之池と二之池があり、どちらも明神岳からの土砂が湧き水をせき止めてできたものであるらしい。一之池は山の中にあるだだっ広い池で、池には何も浮かんでいないので眺めがいい。池に大きく突き出ている桟橋があるが、この幅が狭く気をつけないと池にポチャンといってしまいそうだった。二之池も決して小さくはないのだが、池に木が立っていたり、岩の小島が多く浮いているために、少し窮屈な印象である。しかし、どこか荒涼としていて薄暗い雰囲気があって、いい。
 そしてついに明神橋に到着した。先ほどの河童橋よりも大きくて迫力のある木製の吊り橋である。吊り橋だから、歩いていると揺れて楽しい。橋周囲の川原で小休憩を取っている観光客の姿を見かけ、中には昼寝なんかをしている人もいて、こういう場所でする昼寝はさぞ贅沢で気持ちいいだろうなと思った。橋を渡って対岸へ。ここからは梓川の左岸を歩いて河童橋に戻るのだが、この帰路はひたすら山道になっている。川沿いとは言っても、こちらは崖の上にあるような道なので、川はたまに足元に見えるといった程度。実を言うと、これといって特徴的な景観はない。それでいて道の高低差がなく、歩きやすいのもあって、私たちは黙々と河童橋への一本道を進んでいた。これは反省すべき態度であるが、この日、新潟無機終焉都市から遅れて合流する友人との待ち合わせのことも念頭にあったので、そうのんびりとはしていられなかったのだ。河童橋―明神橋の往復だが、復路がなだらかな道で本当によかったと、心から思った。
 河童橋に戻り、休憩がてら思い思いの軽食をおともにして(私はキャラメルソフトクリイムを食べた)、上高地で過ごす最後のゆったりした時間を楽しむ。野生のカモが梓川に身を任せて、ただ流されているのが面白かった。ホテルのレストランのメニュー看板が外に出されていたので、興味本位で少し見てみたが、『あれ?思ったよりも高くないな。これならちょっぴり贅沢をするようなもの・・・・。』と思っていたら、それはいわゆるセットのみの価格で、メイン料理のお値段は、私のような貧乏学生には縁のないような数字であった。第一、コーヒー一杯が私たちの昼食一回ぶんに匹敵するような値段なのだ。こういう時、メニューはしっかり見ておくようにした方がいい。勘違いをしたままでうっかりお店に入ってしまうと、もう取り返しのつかないことになるから。
 私たちはここに早朝からいたが、それからおやつ時まで当初の予想以上に長い時間を過ごしていた。それだけたくさんの見どころと魅力が、上高地にはあったということだ。帰りのバスターミナルに行くと、そこには駐車場までのバスを待つ旅行者の超超長蛇の列があって思わず閉口、そして少し戦慄した。行きはよいよい帰りはこわいということか、長時間待っていることを覚悟したが、バスの回転が思ったよりも早く、三十分ほどで乗車することができた。流石は屈指の観光地・上高地。旅行者への対処のシステムが完成されている。沢渡の駐車場から帰りの車の渋滞も心配だったが、これも全くの杞憂で、拍子抜けするくらいにスムーズに道路を走ることができた。その後、塩尻のとある道の駅で友人と合流し、そこからほど近い、一友人のオススメだという食堂で、夕食を済ませた。牛ロース焼肉定食を食べる。風変わりな鉄板で自分で肉を焼いて食べる形式だが、肉が良質、かつ特製の付けダレもおいしく、自然の中をひたすら歩いた一日の疲れが一気に回復するようだった。店も昔ながらの素朴な風情で好感がもてる。おいしく豊かな食事は、旅の大きな醍醐味だと改めて実感した。


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  1. 2014/10/20(月) 18:44:08|
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シバケン-いかれたNeet-

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Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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