野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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趣味の話し

 「趣味はなんですか?」と聞かれても困る。この質問には、うまく答えられない。初対面の人から聞かれた時は尚更そうなってしまう。もしかすると知人に聞かれてもそうなってしまうかもしれないが、とにかく「趣味」という言葉を出されたらもう駄目なのだ。
 「趣味」ではなく「好きなもの」だったらいい。一々列挙はしないが、自分は人並み以上に好きなものを有っている。そういう好きなものの話だったらいくらでもできる。それこそ気兼ねなく、少しも頑張ることなく、素直に楽しく話せるだろう。「好きなものはなんですか?」という質問だったら、いくらでも返してあげれるのに、といつも思う。
 「趣味」と「好きなもの」を考えると、どちらもその人の嗜好を表すような言葉であり、意味の方向性はよく似ている。だが、同じような意味を有っていても、これらの言葉が相手に与える印象はだいぶ違ってくる。

 どんな人にでも「好きなもの」はある。おそらく、一個ぽっきりではなく、たくさん有っている人の方が多いはずだ。そして、その「好きなもの」の中でも選りすぐりの一、二個にだけ[趣味]というラベルが貼られて、ここで晴れて、その人の「趣味」が出来上がるのだと、私は想像している。だが、たくさんの「好きなもの」から選ばれた、数に限りある「趣味」ということになると、二つの言葉の意味の方向性は似ていても、ここで意味の“強さ”に大きな差が出来てしまっているように思える。「好きなもの」よりも「趣味」という言葉の方が、その人の嗜好の、“個性”としての一面をより強く発してしまっているのである。
 そのためか、今では「趣味」という情報は、その人を表すうえで、例えば「出身地」や「誕生日」などという基本的な情報と同じくらい高い位置に置かれているように見えるし、「この人は・・・ああ、たしかダーツが好きな人だ」という認識の仕方をすることもあったりするので、最早、趣味は個性の一要素だというより、「趣味=個性」と云った方が腑に落ちるようになっているのかもしれない。
 「趣味」というのは便利なものだと思う。初めて会う人と話をする時、相手のことをよく知らないために、まずは色々と探っていくことになるはずだが、ここで早いうちに趣味を聞いてみて、それを軸に会話を進めていくと、まるで話が弾んでいるかのように振る舞え、気不味い思いをすることがないからだ。無意識に「趣味=個性」だと意識しているためか、相手の趣味を知ると、なぜかその人のすべてを掴んだような気になるのである。何を考えているか分からない人とは話しづらい。だが、「趣味」という簡単なキャラ付けをすることで、初対面の人とも話しやすくなるのである。

 しかし、「趣味=個性」という認識がされている、そのことに気づいて程なく、私は、かえって「趣味」の話は簡単にはできないなと思うようになった。相手が、自分の「趣味」から掴んだ自分の“個性”は、思ったよりも長いこと付きまとうということも知ったからである。
 私はアニメや漫画などの、いわゆるオタク・カルチャーを好む。今の学校に入学したての頃、自ら公言したわけでもなく、ひょんなことからこのことが周囲に知られてしまい、それから私はオタクキャラとして大学生活を過ごすことになった。最初の頃は私も面白がってしばらくはそのキャラ付けに沿っていたが、あれから五年の月日が経った今でも、未だに私をオタクキャラとして“のみ”扱う人が予想を遥かに超えて多くいることに、驚きを覚えた。
 確かに今も私はアニメを観たり漫画を読んだりするのは好きだ。それは決して間違ってはいないが、これは私が有つたくさんの好きなものの中の一つでしかない。他にも好きなものは無数にあるし、アニメ・漫画関連は、あくまで私の数ある引き出しの内の一つなのである。あれから現在までの長い間、私は様々な機会で他の引き出しを開けてきたつもりでいたが、それなのに、未だに自分が最初に開けた引き出しだけが、私の個性(キャラクタ)として認識されているというのは、実に驚くべきことである。流石にうんざりもしてきている。
 「趣味」から得る相手の個性は、その人の性格や生い立ちなどは無視した簡易的な個性である。だが、簡易的であるにも関わらず、それが相手のすべてであると思いこんでしまうためか、その個性はそれから長い間、更新されることがないのではないだろうか。それはつまり、「趣味は○○です」と云ってしまったら、それからしばらくは、その○○のキャラクタで生きなければならないということになる。それは、一種の呪いのようなものである。私が、初対面の人に「趣味はなんですか?」と聞かれたら困ってしまうのは、そのせいだと考えている。その返答一つで、それからの自分のキャラが定まってしまうのであるから。

 そもそも私には趣味らしい趣味がない。先述の通り、好きなものはある。それはもうたくさんある。だが、その中から一つ、二つと選んで「趣味」として決めることができないでいるのだ。好きなものはどれも平等に愛しているので、それ一つだけで自分自身を表せるような、これぞというものはない。
 「しかし、お前はこうして文章を書いているではないか。これは趣味だと云えないのか」という声がどこかで聴こえる。しかし、初対面の人に「趣味で文章書いています」と云ったら、先方はそれからどう続けていいか分からなくなってしまうだろうから、このことはあまり云わないようにしているのだ。
 最早、趣味や嗜好は心に一つと決めなくてはならないという流れに疑問を覚える。私のように雑多なものを相互の関連なく愛することも、立派な嗜好であり、何にも変えがたい個性とは云えないのだろうか。

  1. 2015/12/16(水) 19:00:00|
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2015.11.28 平沢進のINTERACTIVE LIVE SHOW 2015「WORLD CELL 2015」2日目ライブレポ

 平沢進のINTERACTIVE LIVE「WORLD CELL 2015」2日目。筆者の会場入りは午後4時頃。初日の終演後に目星のライブグッズはすべて購入できた(メモリアルカード、Σ-12ピンバッヂ、ポスターカレンダー、トートバッグを買いました。コード・シューター・ユニフォームとサリー・バリアーはデザインが好みではなかったので見送り)ので、グッズ先行販売の待機列につく必要もなく、この日は開演までのんびりできる。昨日と同様、先行販売にはたくさんの馬骨が列を成している。Twitterで、馬骨の待機列が整然としていることに関心するようなツイートを見かけたが、成程、たしかに外から見ると、実に規律正しく並んでいるように見える。でも、静かに待っているように思えるのは、単に自分ひとりでライブに参加する馬骨が多いからでしょう(笑)。
 この日、近くの東京ドームではドリカムのコンサート、東京ドームシティーではコスプレのイベントがあり、また土曜日ということで、ヒーローショー目当ての子供連れなども多い。そして東京ドームシティーホールでは我らが平沢進、と。開場まで辺りをぶらぶらしていたが、ドリカムのコンサートに行くだろう一般人、思い思いの衣装に身を包むコスプレイヤー、一般的な子供連れ、そして全体的に黒っぽい我々馬骨が一同に会していて、筆舌に尽くしがたいchaos空間が生まれているのが面白かった。最大の被害者は、子供連れだろうな、うん。
 ちなみに私、アニメ・マンガ界隈には多少の馴染みはありましたが、その延長線上にあるコスプレにはどうも明るくなくて、この時初めてコスプレイヤーというものを目にしました。無許可での撮影は禁止らしく、成程、そういうルールなんだなと勉強になった。コスプレ業界の歴史はだろうし、これまで地道な活動を積み重ねてできた彼らのルールやマナーというのもあるだろうから、これは尊重して然るべきである。ていうか平沢進がライブをする会場の近くで、ヒラサワと関わりのある「けいおん!」のコスプレしてる人がいるってちょっと面白い。ちなみに、昨日のインタラ初日は「けいおん!」の主人公・平沢唯の誕生日でもありました。うーん、奇妙な偶然。

 初日と異なって、2、3日目の開場は午後5時。特にすることもないので、早々に会場に入ってのんびりとしていた。初日に大体の流れは分かったし、GOOD ENDも出したし、アクオド・コード・ガンについても流石に慣れて特に心配はなかったので、昨日のような緊張は少しもなく、客入れBGMなどを聴いてゆったりと過ごしていた。今日は他の成功ルートかBAD ENDを観れればいいやくらいに思っていて、大した意気込みも有ってはいなかった。ちなみにこの日の服装も、初日と同じ黒いタートルネック、サスペンダー、黒いパンツにブーツをインという1998年版「WORLD CELL」を意識したものだった。嗚呼、恥ずかしい。
 昨日と同じく、開演前にアクオド・コード・ガンの発射練習が行われ、それが終わると場内は徐々に暗転していく。

 平沢進のINTERACTIVE LIVE SHOW「WORLD CELL 2015」2日目の開演である。




  今回のインタラのキーマン・過去向く士が登場し、カンペがん見でおおまかにストーリーの説明をする。初日も思ったけど、士さんは、本来なら不親切を地で行くヒラサワのひとりではあるが、要所要所で穏やかな口調で丁寧な説明をしてくれるから、学校の先生みたいだ。そしてこの日も馬骨大合唱祭、まずは次々発信される信号音と同じ音程で歌って、現在のヒラサワたちを呼び込む。ここからライブは大きく動き始めるのだが、やはりここの音楽が気持ちを一気に高ぶらせる。士がアバターにSiWiコードを発射する。このコードは、「アヴァター・アローン」の歌詞に因んで、①朝顔のレベル、②虹のレベル、③オーロラのレベルと3種類あったが、これはライブの展開とも関わっているのだろうか。
 ステージのテンションはどんどん高まっていく中、ついに平沢進とPEVO1号が登場。大歓声!出囃子が響く中、2人は早速ギターを抱えて演奏の位置につく。そして流れるのは興奮をさらに鼓舞する勇ましいメロディー!


1 舵をとれ(「WORLD CELL 2015」Ver.)

 さて、「WORLD CELL 2015」2日目の見どころ、ヒラサワはデストロイ中にわざと寝っ転がったのか?が早速やってきた。だが、この日のデストロイでは、御大は寝っ転がるなんて絶対しないどころか、明らかに昨日よりも動きが全体的に控えめになっちゃってるんですけどー!?とにかく、これでハッキリした。初日に転んだのは、完全なる事故だったのだ。ああ 完全なる 完全なる(唐突な祖父なる風)


2 アヴァター・アローン
3 アディオス


 新譜のトラック最初の2曲が続けて演奏。アディオスのオープニング感溢れる曲調と、煌びやかな照明効果がいいですねえ。合言葉は「アディオス 光学現実」!


□HOT POINT → 「青」

 そして早くも第一のHOT POINTがやって来た。初日も思ったんですけど、HOT POINT前にモニターにカメラが近づく時の音楽、ピアノの音色がどこか切なくて、ホログラムをひとりで必死に登っているアバターへの憐れみのような気持ちも湧いて、少し胸がしめつけられちゃいますね。音源化希望(すぐこれ)。
 さて、まず橋は「右」に架かっている。初日が「左」だったからだろうか。いずれにせよ、コード・シューターさん、今宵もありがとう。ていうか、この時点での橋の右左は、ライブの進行にどう関わっているのだろう。この選択がルート分岐に直接関わっているようには思えないが。
 そして肝心の観客によるルート選択の時間だが、相変わらずかっこいいBGMに合わせて会場の馬骨が選んだのは「青」のコード。まあ、初日の第一HOT POINTは「赤」だったから、新しいルートに進むにはこの選択をするのは当然かな、と。


4 回路OFF回路ON

 Σ-12さんが早くも登場。崖を普通に歩いて登っているが、これが初日でネタバレしたシーンでいいですね。早速回収していきますよー。Σさん、これから船に乗る云々と話していたが、これが初日の「幽霊船」につながるんですかね?となると、次のHOT POINTで「赤」を選んだら、初日のルートに戻りそうな予感・・・。物語でいちばんのお助けアイテム・Σ-12の眼をアバターに渡すが、いやいや本当に眼ん玉取り出すんかい!あんたは幸福の王子か!
 そして曲の途中で、昨日も登場した原住民風の陽気な巨人も登場。次々とネタバレシーンを回収していく馬の骨、有能。巨人のセリフはテロップではなく録音されたものが用いられてましたが、こいつの中の人、ヒラサワ本人なんですね・・・。エンディングのスタッフロールにあった“ピエロ”とはおそらくこいつのことで、そのピエロ役はヒラサワだったから、まあ、そういうことになりますよね。いやあ、やっぱり色んな声出せるんだなあ。いつもは大根芝居なくせに、声の演技はやけに上手いのがムカつく(笑)。
 昨日もそうだったが、サビの場面で毎回スポットライトがアリーナ席の同じところに差し込むから、そこに座ってたお客さん眩しそうだったなあ。


5 MURAMASA

 初日と同様、1号さんのMURAMASA奏法が見られるが、この日は刀をカメラのクレーンに取り付けて、裏に行く時間を短縮・・・って、そんな大した手間じゃないでしょ、それ(笑)。
 Astro-Ho!のポジションには、タコが代わりに入っている。アバターの足元で、崖にへばりついているのだが、何だこのシュールな画は。


6 異種を誇る「時」

 やはりキャラクターとしては時計が登場して、初日と変わったところはそれほどない。サビ終わりにちょんとレーザーをつま弾くのだが、二回目のそのパートでは弾かないのに音が鳴っていた。成程、あそこは“空振り”だったのか。


□HOT POINT → 「衝突」 → 「青」

 第二のHOT POINTに到着。橋は当然のように架けられている。コード・シューターの皆さんは流石である。士さんの説明が短縮版になっていた。もしかすると、初日も本当はこうなる予定だった・・・?さて、赤と青のどちらに進むかだが、私はとにかく初日のルートと離れた方に行きたかったので青の声を出していたが、本番前の声出しの時点でだいぶ割れていたので、結局きれいな和音は奏でられずに、「衝突」に終わってしまった。嗚呼。
 この時はPEVO1号さんのタブレットで決めるのだが、あれはギリギリ「青」に入っていましたね。でも、運任せだったとはいえ、結局は私の思惑通りに事が進んでよかったです。「青」に入った瞬間、思わず「よしっ」って云っちゃった☆テヘ


7 Wi-SiWi

 タコは既出のため、ここではアバターに語りかけるのは、なんと月。でも「Wi-SiWi」の歌詞的にはタコより月の方がだいぶしっくりくる。錆の色ということか、ちょっとオレンジがかった月でした。
 昨日はちょっと不安定気味だった歌唱も、この日は好調。う~ん、聴けば聴くほどエロい曲だ(←)。
 で、たしかこの場面だったと思うけど、アバターのポッケからお助けアイテム・Σ-12の眼がポロッと落ちて、それを「キングダムハーツ2」のノーバディみたいな気持ち悪い動きをする奴が蹴っ飛ばしてしまった。士さんも「しまった!想定外だ!」とか云ってはじめて慌てた様子を見せたし、そもそもこのΣ-12の眼がどんな役割を果たすか分かっているので、もはやこれからGOOD ENDに至るとはあまり思えない。BAD ENDを見るのも目的の一つだったから別にいいけど。


8 オーロラ3

 もうBAD ENDでもいいじゃん!だってこれ聴けるんだもん!
 いやいや、まさかの選曲でしたね。個人的に今回のインタラいちばんのサプライズはこれ!INTERACTIVE LIVE「白虎野」の伝説の1曲目。ライブで披露するのは「PHONON 2550」以来ではないでしょうか。かなり壮大なアレンジになっていて、もはや原曲とは全く異なった存在感のある曲になってますよね。このアレンジを好きな人はたくさんいるようで、かくいう私もこれ大好きです。自分の葬式に掛けてほしい曲の一つ(笑)。
 で、この超人気曲(あまりにも久しぶりなので最早レア曲と云ってもいい)のイントロが、何の前触れもなく流れたときの、どよめきにも似た馬骨の大歓声といったら!やっぱりみんんさ、これ好きなんだねえ。
 いやほんとこの感動を何て云って伝えたらいいか・・・。この屈指の昇天曲を生で聴ける嬉しさ、心の昂ぶりを!

「祈るなら 今は 願いは叶うと」
「キミの始まりの日へ 帰る日に」

 ヒラサワ楽曲の中でもとりわけ歌詞が好きな曲。力強さとやさしさ、美しさが同居している。こういうことを安易に云いたくはないけれど、まあ、これ聴いてたら、自然と涙が滲んできますよね。
 ストーリー説明もなく、ゴージャスな舞台照明の中、ただヒラサワの歌唱にのみ集中できる。間奏のギターソロ(デストローイ!というわけではなかった)もバッチリ決め、会場の馬骨たちはもう喝采喝采大喝采である。


9 火事場のサリー

 そしてサリー嬢が登場。ストーリー的には初日とそれほど変わりはなかったかと。しかし、演奏だが、この日はステージ前方の階段にヒラサワと1号さんが腰かけて弾き語りをするという、普通のアーティスト的かっこよさのあるものになった。「はっ!」はやっぱり振り返って歌う。しかし、こうやって改めて見ると、御大ものすごく若いなあ。これで61歳ってすげえよ。


□HOT POINT

 最後のHOT POINTだが、なんと!橋が!途切れてる!ああ~!さっきの「衝突」のエダメージ出ちゃったよ~!コード・シューターさんすいません~!嗚呼、ゲームオーバーかなこれ、などと思ってたら、

士「“橋大工”の妖精を呼びましょう。」

ん?
いま、「橋大工」って、言ったよね?


え・・・え!?もしかして・・・。


10 橋大工

 はい、筆者歓喜。

士「橋が途切れてます」
馬骨「「「ああ・・・(落胆)」」」
士「橋大工の妖精を呼びましょう。」
馬骨「「「え?え?」」」
♪~「橋大工」のイントロ
馬骨「「「「「あああああああ!!!!!!!」」」」」
↑この流れほんと好き。

 えーとですね、私、このインタラクティブライブが開幕する前に、『平沢進INTERACTIVE LIVE SHOW「WORLD CELL 2015」開催直前!歌ってほしいあの曲この曲』というレポートを書いていたんですけど、この中で、ライブで演奏してほしい曲として真っ先に挙げたのがこの「橋大工」でして。というより、インタラでもノンタラでも何でもいいから、とにかくライブで聴きたい曲でありました。
 今回のライブは「WORLD CELL 2015」ということで、ストーリー的にはこの曲はやるだろうと思っていましたが、初日を迎えてみると、あまり前作「WORLD CELL」に寄せていないような感じがして、この線だと「橋大工」も演らないかなあと諦めていました。
 それが!その「橋大工」が!演奏されたのです!「演るだろう!」→「演らないかも・・・」にまで落とされたその時に演奏される。これには感慨もひとしおで、イントロが流れた瞬間「よっしゃあ!」って声を出して喜んじゃいました。近くの席の観客の皆さん、うるさくしてしまってすいませんでした。
 それからはひたすら双眸から落雷しっぱなしだった。ライブでこんなに涙を流すのは生まれて初めて。
「ヤーイヤーイヤー」「ハイホー」という掛け声も、「つるはしを降りおろせ 夜通しで振りおろせ」「完全なる地図には道が続くキミへと」という歌詞も、一つ一つが胸にすっと入ってくる。
 ちなみにこのライブ以来、私は「橋大工」を聴くたびに双眸から落雷するようになってしまいました。このレポートを書いている時は、ライブのセットリストそのままのプレイリストを流しているのですが、「橋大工」を聴いている時だけ自然と落雷してしまうから、この時ばかりはもう作業どころではなかった。
歌い終われば、橋の修復も完了。無事に渡れるようになった。場内、大拍手。
ていうか、あれ?ここで「橋大工」が挿入されると、ライブの曲数が合わなくなると思うんですけど・・・。これやっぱりWORLD CELLが回らないBAD ENDコースか?となると、「橋大工」が歌われる時点でBAD END直行ということではなかろうか。


□HOT POINT →「青」

 橋も直って仕切り直しの最後の谷。もはやBAD ENDになることは分かっていたし、これから歌われるであろう楽曲も絞られているので、どちらに進もうがライブの結果としてはそれほど変わらないだろうから、正直云えば、もうどっちでもよかった。でもできるだけ昨日のルートと離れた経路を取りたかったので、私は青の声を出した。他の馬骨のみんんさも同じ気持ちだったのか、判定は「青」。


11 クオリア塔

 初日と同じく、この曲でWORLD CELLに到着。Ψヶ原スコープのところに下りてきたヒラサワがWORLD CELL再起動のスイッチを押すのは同じだが、昨日にはなかった演出として、スクリーンにはそのスイッチの映像に、モニター上にかざしたヒラサワの手が重なって映っていて、これも物語と現実がリンクしているようで印象的だった。
 で・・・以下のシーンはこの曲の時だったか、次の曲の時だったかは確りと憶えてはいないが、とりあえず記録していくと、やっとこさ岩山を登りきったアバター。山の頂上には例の恐ろしい顔面があり、アバターはそれに睨まれた恐怖で手を離してしまい、崖から落下してしまう。ここまでは初日でもあった場面。それを止めるのはやはりサリー。このカタストロフのシーンはストーリーでもいちばん重要な場面だが、Σ-12の眼を失って、それでどうなったのか、この肝腎なところを憶えていない。しかし、サリーから「立ち上がるのよ!」という叱咤激励をもらうことはなく、むしろお嬢からは「どこまでも落ちなさい」などと、冷淡に突き放されたような・・・。うーん、あまり憶えてない。


12 ホログラムを登る男

 このBAD END直行ムードの中でのビビビビ音イントロは、初日とは違ってどこか絶望的に聴こえる。相変わらず御大の歌唱には圧倒される。サビのシャウトは歌っていないようだった。照明がいきなり真っ赤になったり、青白くなったりして、「嗚呼、平沢進のライブだなあ」としみじみ実感する。


13 鉄切り歌 (鉄山を登る男)

 士さん登場。士さんが話すシーンで流れる「WORLD CELL」のアレンジBGMも中々いいですね。で・・・案の定、WORLD CELLの再稼働に失敗したということで、この日はBAD ENDでした。間もなく世界を“存在麻痺”が襲うわけで、これは実に恐ろしいことだ。アバターは、他のタイムラインでなんとかやっているらしく、まあ無事ならなにより。
すると、そのアバターとは別のヒラサワが鉄山の登っている映像が見え、頭を抱える士さん。

「また変なのがやってきた・・・。それとも、こいつに期待しますか?」

 そして、イントロが流れる。そこからの流れは初日とほぼ同じ。この日も黒天使・ヒラサワが降臨(「「「ぽわ・・・」」」)。で、後から知ったのですが、サビの「だんだん切れ♪だんだん切れ♪」のところ、御大は歌っていなかったそうですね。それは「お前たちがコーラスしなさいよ」ということなのだが、二階バルコニーからはそのサインが分からず、コーラスできませんでした。うーん残念。いつぞやのライブの「ハルディン・ホテル」でも、「トルヒーヨのハルディン!」の馬骨コーラスを容認していたこともあった気がしますが、なんか今回のライブの御大、やけにやさしくない?気のせい?でも、この「鉄切り歌」、サビをコーラスまで含めて全部歌ってみると、絶対に酸欠になるので、こちらに任せられるところは任せようかななんて思ったのかも。

 演奏終了後は「ありがとう」と云って、これまた珍しく観客席に深々と一礼をしてハケる。エンドロールの「鉄切り歌(Karaoke Ver.)」には手拍子で合わせる。
 そして、徐々に明るくなるホール内。
 しかし、観客の歓声は止まらない!


【MC】(うろ覚え)

 大歓声の中、ヒラサワ、1号さん再登場。

ヒラサワ(以下「ヒ」)「今日も、途中までいいルートを通ってハラハラしましたが、最後は悪いエンディングになって、スタッフ一同、ほっとしております」
馬の骨(以下「骨」)「「「(笑)」」」
ヒ「WORLD CELLも、そう毎日毎日回してらんない
骨「「「(爆笑)」」」

 いやいや、WORLD CELL回すのがこのライブの目的でしょーが!WORLD CELL回んないとやばいっていう話だったじゃん!

ヒ「成功ルートはもう一つあります。さっき私ものすごいヒントを云ってしまいましたね。自分で云ってて思わずドキっとするようなことを口にしてしまいましたが、明日こそ綺麗なエンディングになるように頑張ってください」

まあ、結果を知っているからこういうことが云えるのかもしれないけど、このヒラサワの言葉を素直に受け取るなら、もう一つの成功ルートは青→青→赤でしょうね。なんで最後青に行っちゃったの・・・。

そして、ゲストのPEVO1号さんを紹介。

ヒ「PEVO1号です!」
骨「1号さーん!」「PEVOー!」

1号さん、サイン波攻撃で応える。1号さんの人気に嫉妬ww

ヒ「それで、今日はアンコールやりません」
「「「「「えーーーーーーー!!!!!」」」」」
ヒ「ストーリー性のあるライブなんでね」
「「「「「「えーーーーーー!!!!!!」」」」」」
ヒ「・・・お前らがつけ上がらないように」
「「「「「わーーーーーー!!!!!(喝采)」」」」」←おかしくね?これww

そして、宣言通りに二日続けてアンコールはナシ。「ありがとう」と云ってヒラサワは舞台を下りた。



 平沢進のINTERACTIVE LIVE SHOW「WORLD CELL 2015」2日目は、ストーリー的にはBAD ENDに終わってしまいましたが、ライブとしてはどう考えても、3日間通じてのベスト中のベスト中のベストでしょう!だって、「オーロラ3」と「橋大工」が聴けたんだよ!もう“存在麻痺”になっていいや~。
 この2曲、好きな人が多い人気曲でもありますし、数ある楽曲の中でも正念場に歌われるというか、あまり軽々しくは披露されない(勿論、どの曲も軽々しく歌われるわけではないけど)ので、これが同日に演奏されるっていうのは、この上ない贅沢のように思いました。
 個人的な事情では、両曲は私が平沢進の音楽に「関心がある」から「好き」になる過渡期によく聴いていたものなので、そういった感慨の浅からぬものもあるし、なんとなく他の楽曲よりも「嗚呼、ヒラサワだなあ」感を強く感じてしまうため、この2曲を演ったこのライブは、初日よりも“平沢進のライブに来た感”が強く、終演後はしばらく大きな満足感に包まれましたような気持ちでありました。
 余談ですが、ライブ終演後に“人の兄”こと、Gazio国王・YOU1さん、メカノ店長さん、そしてバチバチソニックのお二人がこぞって歩いているところに出くわして、圧倒的な関係者オーラにたじろいでしまいました。


※「WORLD CELL 2015」3日目Ustream配信ライブレポは、諸事情によりライブ中継を視聴することができなかったので、執筆はしませんので、悪しからず。




2015.11.28 平沢進 INTERACTIVE LIVE SHOW「WORLD CELL 2015」2日目@東京ドームシティーホール

1 舵をとれ(「WORLD CELL 2015」Ver.)
2 アヴァター・アローン
3 アディオス
4 回路OFF回路ON
5 MURAMASA
6 異種を誇る「時」
7 Wi-Si-Wi
8 オーロラ3
9 火事場のサリー
10 橋大工
11 クオリア塔
12 ホログラムを登る男
13 鉄切り歌(鉄山を登る男)


  1. 2015/12/10(木) 19:00:00|
  2. 平沢進
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上越線莫迦列車 一 始発列車

 H君とは学校のクラスメイトである。
 イニシアルがSで出席番号も遠い私がどうやって彼と知り合ったのかは今更憶えていないが、連れだってトレーニングをしたりして、今では級友の中でもとりわけ気安いひとりになった。
H君は一度どこかの大学を出てからこちらに入ってきたので、いくつか多く年を食っていることもあり、よくそんなことまで・・・と、思わず感心してしまうくらいに物を知っているのだが、その引き出しのひとつに鉄道というものがあった。
 私が今までに書いた旅行記を読んでもらうと分かると思うが、私は鉄道に乗るのが好きである。それで、ここに「鉄道」という共通項が生まれて、自然とそういう方面の会話をすることもよくあるのだが、私は鉄道に乗りこそすれ、その他詳細な知識は全くといいほどに入っていないため、H君の重箱クラスの話には付いていけず、彼の講釈を私が「ふうん、ふうん」と聞いているのがほとんどである。ちなみに私は鉄道に乗ればそれでよく、知識を入れること自体にはそれほどの関心がないため、彼の話はそれほど真面目には聞いてはいない。だから「ふうん、ふうん」と聞いているのである。彼と鉄道旅行をすることもあって、今年の春に書いたしまかぜの乗車記や伊勢志摩の旅行記に登場するクラスメイトこそ、このH君であった。
 彼に誘われるかたちで、今秋に私は北越急行のイベント列車「超低速スノータートル」に乗ることになった。この催事では、北越急行が持ち得るあらゆるサービスが総動員されており、それはもう実に楽しいものであった。鉄道旅行記を書く時はできるかぎりこの文体でと思っているのだが、しかしどういうわけかこの日のことはいつものようには書けずに、最早ただのイベントレポになってしまいそうだったので、今回はいっそ書かないことにした。だが、いざ書かないとなると、以下の本題で所々分かりづらくなるところが出てくるかもしれないので、冒頭の内にH君の素性も含めて記しておいたのである。
 さて、スノータートルに乗る際に、乗車券代わりに私たちが求めた切符は「えちごツーデーパス」であった。この割引の切符は、その名の通りに連続する二日に亘る効力を有している。その一日目をスノータートル乗車に充てて、それで十二分に元は取れている。だから無理に二日続けて乗る必要もないのだが、やはりこの一枚で相当広い区間を走れるというのは、実に魅力的なところでもあった。
 この切符があれば上越線の越後中里にまで行けるのだ。そこからわずか二駅のところには、あの土合駅がある。私は土合に降りたことはないし、それはH君もそうだった筈である。これは利用しない手はないと、H君と北越急行の旅中にあれこれと話して、果たして翌二日目に我々の土合行きが決まることとなった。そのついでに、私の希望で水上にも立ち寄らせてもらう。
 いちばん早い時刻に土合に到著する計画を取ると、新潟駅からの始発列車に乗らなくてはならない。その時間帯にはまだバスなどは走ってないし、周辺には気軽な駐輪場もないためにチャリで行くこともできないので、自宅から駅まで一時間ほど歩いて向かうことになる。この徒歩移動の他に色々な準備もあるので、始発に乗るためには、遅くとも発車時刻の一時間半前には布団から抜け出ている必要があると見えた。
 だが、この前夜、つまりスノータートルに乗った日の夜のことだが、私には別の案件で級友との集まりがあった。この会合は毎回、テッペンを割ってからのお開きで、帰宅するのも日を跨いでからになる。いつもはそれでもいいのだが、しかし今回は条件が異なっていては始発に間に合うために、日頃よりもはるかに早い時刻に起きないといけない。明らかに睡眠時間が足りなくなる。いつも十分な睡眠を取る私には事である。少しでも寝る時間を長くしたいので、その寄合は私だけ途中で抜けさせてもらって早めに帰宅できたが、それから入浴なり準備なりはしないといけないので、すぐに寝れるわけではない。それらの諸事を一つずつ済ませて、遂ぞ床につけたのだが、そのわずか二時間後に私は再び目覚めるのだった。魂の二時間睡眠。明らかに睡眠時間が足りない。ついでにいえば前日もスノータートル乗車のために、始発に近い列車に乗るべくかなりの早起きをしている。鉄道旅行者の朝は早いとはいえ、二日連続でこの起床時間は流石に堪える。
 午前五時十七分、新潟発の上り始発列車には、それなりの乗客数があった。前の日にH君は「かなり混む」などと私を脅したが、それほどではない。日曜日だが学生の姿がちらほらと見えるのは、おそらく部活動の朝練習のためだろう。中高の頃の私は部活動に熱心であったが、朝練の経験だけはない。だからあくまでイメージのみで話をするが、朝練というものはどうも、あまり効果的な練習法には思えない。
 長岡で乗り換えの上越線の車内でいよいよH君と落ち合った。H君は鈍行の始発には乗らないで、新幹線でここまできた。新幹線を使う案を採ると、わずかに長めの睡眠を取ることができるのだが、せっかく有効な切符があるのに余計な運賃がかかるのがかなり癪で、私は鈍行に乗ることを頑なに決めていたのだった。そもそもの貧乏症に加えて、卒業旅行の懸案から、近頃はさらに余分な出費を抑えるように努めているのである。今回、起床時間を無理くり早めて、新幹線に乗ることを控えたのは、自分の時間を売るということである。
 六時三十三分、長岡駅から上越線の越後湯沢行が滑り出した。ここからの沿線はそれなりにのどかな風景が見られるのだが、朝が早く血圧が低いことや、どんよりと怪しげな雲行き、そもそも昨日に同じ経路を通っていることもあって、この日は両者ともに冷静な眼差しで車窓を見ている。前日はいつものように、窓外に犬の散歩を見とめると「犬マンだ!犬マンだ!」などとはしゃいだり、農村の集落の畑を見て、喜々と野菜の話をしたりするが、この日もそういったやり取りはあるにしろ、意気は顕著に落ちている。が、別に不機嫌というわけではないので、気不味くはならないで、それぞれの朝食を貪っている。
 眼に煩いヒュッテのある上越国際スキー場とすれ違って一駅、二駅、三駅で越後湯沢に到著した。あまり時間もないので、御不浄に寄ったりしてすぐに乗り換え。八時十三分、上越線の水上行である。この頃になると、発車から程なく見える、バブル期に完成したような典型的スキーリゾートの中の某ホテルを見て「あれは“ブラックNEXT21※”だな。タイガーマスクで云うところのブラックタイガーのような、NEXT21の永遠のライバルだ」などという、思い返すと全く意味の分からない“ほら”を吹けるくらいには頭が冴えてきた。リゾート地帯を抜けて野趣溢れる山間部に入り、付近に集落等もなく一体何の用途があるのか分からない土樽駅を過ぎて、長いトンネルを抜けると、次なる停車駅は我々の目的である土合である。土合駅は日本一のトンネル駅として名高い。目当ての下り線とは大きく異なり、上り線の歩廊からは頭上に空が広がっている。雨に降られるのは覚悟していたが、案外と粒が大きくなってきたので、たまらず傘を開いた。晴れていればそれに越したことはないが、この冷やかな天候や山肌の木々に引っかかる真っ白いもやなどで、日本屈指の秘境駅を訪ねる感慨がさらに深いものになるとなれば、「生憎」などという後ろ向きな言葉を使う必要もない。我々はひとしきり写真撮影に勤しんだり、ひと時の感慨に耽っていたが、いつまでもそうしているわけにもいかないので、構内へ。山あいの歩廊では雨のしとしと音ばかりが聞こえる。その静寂のなか、私の胸は案外と高鳴っていた。


※「NEXT21」・・・新潟死期終焉都市の哀しき繁華街・古町に建つビル。その高さと外見ゆえ、周辺でもとりわけ目立つ建物であるが、その内部には特に何かがあるというわけではない。テナントで入っていた書店はできてすぐに潰れ、来年にはファッションフロアの「ラフォーレ原宿・新潟」の撤退も決まっており、ますますゴースト・ビル化が進むことが予想されている。目先の合理性やその場のノリで使えない箱モノばかりを造り、結局中身や価値はゼロに終わる新潟死期終焉都市のお粗末な都市計画を象徴する建物の一つである。

  1. 2015/12/09(水) 19:00:00|
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2015.11.27 平沢進のINTERACTIVE LIVE SHOW「WORLD CELL 2015」1日目ライブレポ

 筆者の会場到着は午後4時半頃。平日だし、まだ仕事が終わる時間でもないし、物販の先行販売にはそれほど並んでないだろうとタカをくくっていたら、何だあの大行列は!ざっと見て・・・というか最早ざっと見ることもできないほどにたくさんの人たちが列を成している。しかも恐ろしいことに列は奥の方までずっと伸びているうえ、すでに蛇行もしている。ひえぇ~、これみんな馬骨なの?マジ、ウケる(ギャル沢風)。こりゃ開演前にグッズは買えないかもなあと思いながらも、他にすることもないので列の最後尾についた。
 相も変わらず、平沢進のライブの客層はつかみどころがないというか、全くもってキャラクターがバラバラ。長年追い続けてきたであろうベテランの馬骨もいるが、それと同じくらいに私の様な若い世代もいる。女性ファンの方が多そうだが、なんか、女性の馬骨の皆さんってやけにキレイな人多いよねえ。時々、思わずギョッとしてしまうような美人を見かける。はあ~、眼福眼福。また、流石に驚いたのは子供連れで来ているグループもいたこと。いやいや、そんな年から平沢進なんて聴いてたら学校の友達減っちゃうよ!
 会場に集まる馬骨の見た目にも一貫性はない。一つ傾向があるとしたら、黒っぽい服を着る人が多いという事。ノモノス・パーカーやパラレル・コザックのハイカラーコートを纏ってライブ気分を出す人も多いが、そういうのはまだ可愛いもので、過去向く士をオマージュしてか髪を白銀に染めている実に気合いの入ったお嬢さんなども見かけた。私も金髪ではなくこういう色にすればよかったかなと思うところもあったが、さすがにそれはやりすぎかな~。普段の生活もあるし。ちなみに今回私は、アウターこそ何の変哲もないミリタリーコートだが、それを脱いだら黒のタートルネックに黒サスペンダー、黒のパンツを黒のブーツにインという、1998年版「WORLD CELL」の時のヒラサワの衣装を意識した格好で参加した。なんだかんだ云ってコスプレまがいの服装をしてしまうのであった。恥ずかしいっ!
 グッズの先行販売は開場1時間前、つまり午後5時を過ぎた頃に始まったのだが、列は全くと云っていいほどに進まない。やきもきしているうちに開場時刻の午後6時を迎えてしまい、このまま並んでいてもグッズは買えないだろうと見切りをつけて、物販列を外れてひとまずは開場に入ることに。会場内からグッズ販売の様子を見てみると、同時に1、2人くらいにしか対応できないような感じで、成程、これじゃスムーズに捌けるわけないよなあ。

 今回のインタラの会場、東京ドームシティーホールはとてもキレイ。アリーナ、第1~3バルコニーという階があるが、各階のホール外のスペースにお手洗い―これまたキレイ―やフード&ドリンクコーナーが用意されているという、実に良心的な設計になっている。ロッカーはアリーナと第1バルコニーのフロアにあったと思うが、今回は座席指定のライブなので、利用している人はあまり見かけなかった。第1バルコニーの正面後方にVIP席があるのか、この日来場していた「人の兄」ことGazio(1回くらいは行きたかったぞ!)店長YOU 1さんがそちらの部屋に入っていくのを見かけた。YOU 1さん、小柄だけど、滅茶苦茶かっこよかったですよ!あんな年の取り方をしたひ・・・。
 どうなるか気になっていたステージ上の設備だが、まず分かりやすいところで、今回テスラコイルはナシ。「夢みる機械」はやんねえみたいだな、嗚呼。客席側に階段が付いた大きな台の上中央に、レーザーハープが構えており、それを挟むように上手側にギタースタンド、下手側に横置き用のギタースタンドがそれぞれ1つずつあり、後に上手のスタンドには光子(PHOTON)が、下手の横置きスタンドにはEVOがセットされた。横置きスタンドの後方にはミキサーが控えているのが見える。その台の下の下手側には、いつもヒラサワスペースの背後に置かれ、後方から覆うようなレーザーハープがセパレートされて、それ単独で置いてある。見慣れない光景だが、これはきっとゲスト用のレーザーだろう。ストーリーにがっつり関わっていて、レーザーハープを弾いたことのあるアーティストといったら、あの異星人しかいないわけだ。見慣れないものはまだあり、まず台の前方、左右の階段を下りたところに、見るからに胡散臭い怪しげ~なデザインのモニターが置かれてある。アリーナ席に降りて近くから見てみると、これまた胡散臭い探知機風の同心円と、絶えず出現する数字がモニタリングされてある。もはや意味が分からないので、言葉で説明しようがない。そして、ステージの上手下手それぞれの袖ギリギリに、何やら大きな機械が用意されている。初見では何なのか判然としなかったが、よく見てみると、何のことはないカメラのクレーンである。この場所にあるのは面白いが、ライブ中も終始ヒラサワや異星人を舐めまわすように撮影して、それがスクリーンに映されるのだが、そのアングルがなんか普通の音楽番組のようでね、今まででは観れなかったアングルもたくさんあって、技術面がかなり進歩しているなあと感じた。スクリーンは「ノモノスとイミューム」方式でステージの後方に。でも前回のよりはるかにデカイと思うんですけど。

 さて、私の座席は第1バルコニーのステージ上手側のブロック。座席表を見る限りだと、結構斜めだなあ・・・とボヤいていたが、実際に座ってみると、スクリーンをはじめ、ヒラサワ用のレーザーハープや光子など、ステージの全景が、その奥行きまで分かるように見渡すことができ、ライブを観るには普通にいい席だったので安心した。なお、今回の客入れBGMは「パラレル・コザック」からの傾向か、またしても様々なテクノポップといったもの。これがまたノリがよくてかっこいいんだ!
 私はあまりの緊張(インタラの初日だし、アクオド・コード・ガンが上手く撃てるかも心配だった)から、頻繁に御不浄に行ってばかりだったが、開演5分前となると流石に座席に落ち着いていた。すると、ステージ上に茶髪ロングのおねえさんが登場し、今回のライブのホットポイントの練習をするという。場内はもうやんややんやの大喝采。一応、事前に訓練はしてきた(ひとりで・・・)とはいえ、実際はどうなるのか全くイメージはできなかったから、これは本当に有難い。今回のホットポイントは観客の声でつくる和音の種類で進行を決めるという、実に凄まじい方法で行われる。観客は赤の音程と青の音程のいずれかを発して、それぞれマイナー・コード、メジャー・コードを響かせることになるのだが、おねえさんがこの説明をしている時点で場内には笑いが起きてくる。面白いから笑うのではなく、あまりに難しく思えるから、それなのに無性にワクワクしてくるから笑ってしまうのである。それで、実際にやってみると、案外すんなりと音程が合うのだから馬の骨の底力は全くすごい。音程を合わせること自体はそれほど難しくないが、問題はきちんと和音をつくることである。これはいくら頭で考えたところでどうしようもない、最早習うより慣れろというべきところだ。
 それから程なくして、場内が暗転していく。
 
平沢進のINTERACTIVE LIVE SHOW「WORLD CELL 2015」第1日目の開演である。




 「我々の目的は2つ。①光学現実を消去すること、②WORLD CELLを再稼働させること」というヒラサワのナレーションから、最初にスクリーンに登場するのは、ストーリー上の重要人物、別のタイムラインからやってきたヒラサワ、通称“過去向く士”。現在のヒラサワとの区別のためか髪色は「HYBRID PHONON」を思わせる明るい白、インテリメガネをかけて、ストーリーの都合から身体は半透明に透けている。まずは彼がこのインタラの概要を説明するつもりらしい。ていうか、カンペがん見(笑)。

「ここに別のタイムラインから持ち出した『WORLD CELL 2015』のマニュアルがあります。今からこれを読みあげましょう。こうすることで余計な映像を作る手間が省けます。」
―場内、爆笑。

 そして、インタラのストーリーを読みあげていくが、ちょっとまて。ストーリーって超長かったじゃん。それ全部読むの?と思っていたら、

「ちょっと待って下さい。こんな退屈なストーリーをすべて読みあげなきゃいけないのですか。」

あ、よかった。気づいてくれた。

「ここはざっくりといきましょう。つまり事態は悪化したのです。」

と、今度はざっくりしすぎ(笑)
 そして今回のライブの目的や、もう一人のヒラサワ“アバター”などについて大まかに説明をしていく。階段近くにあった怪しげな機械は、「Ψヶ原スコープ」と「アバタースコープ」といって、それぞれをモニタリングしているらしい。現在アバターは「光学現実」を見せられて、ホログラムの岩山をよじ登っている。その光学現実を消去することがWORLD CELLの再起動に関わってくるらしい。その他詳細は略す(ていうか憶えてねえし☆)が、つまり士さんは自分の身体が半透明なのに、アバターの身体は透けていないことに嫉妬しているのだ。でも、半透明の自分がアバターの運命を握っているんだどうだすげえだろみたいなことも云ったりして、案外お茶目なところもあるのかな。
 士、曰く、そろそろ現在のヒラサワとPEVO1号を呼びたい。そして彼らはコード・シューターが砕いた岩に囲まれてしまっているから、アクオド・コード・ガンでそれらを打ち抜いてくださいと。てっきりいつものように「CALL ヒラサワ!」かなと思ったが、今回はあくまでコーラスを奏でるということを重視して、あまり声の大きさは求めていないらしい。「CALL ヒラサワ!」で喉が潰れたらどうしようとかも考えていたので、これはまあ、いいでしょう。そして音楽に乗って、提示された信号と同じ音程を次々合唱していく(音程はどんどん高くなる)。それを続けていくと、岩が砕けた!そのまま出囃子が流れるなか、先に登場したのはゲストのPEVO1号、そして後からこのワンマンショーの主役・平沢進がステージに現れた。大歓声。
 レーザーハープから緑のレーザーが客席に向かってビーンと走る。うひゃあ!かっこいい!すると、例の2つのスコープからもレーザーが伸び、ヒラサワ、1号両名によって、モニター画面が上空を見るようにセット。成程、こうなるのか。両端のクレーンカメラがそのモニターに近づくと、その様子が後方スクリーンに映し出されている。うわ!ちゃんと映像映ってる!アバター、ホントに山登ってるよ!この演出はマジで鳥肌立った。一から百まで創作って分かってるけど、リアリティが高くて、私たちもその創作の中に暮らしているような錯覚を来す。この、開演から一気に畳みかけるような一連の流れ、これこそ平沢進のライブだよ。
 アバターは主体性に欠ける人物だから、時おりアクオド・コード・ガンを発射して道筋を示さなければならない。まずは士がSiWiコードを発射するが、

「これからアバターをコントロールするのは、皆さんです。」

 いきなりギターを担ぐヒラサワと1号さん。すると会場いっぱいに勇壮な旋律が流れ始めた。平沢進のINTERACTIVE LIVE SHOW「WORLD CELL 2015」、その記念すべきオープニングは・・・え?この曲?


1 舵をとれ(「WORLD CELL 2015」Ver.)(?)
 
 正直、意外な選曲だと思いました。この曲、ライブの1曲目ってイメージがなかったからなあ。まあインタラの命運は私たちの選択次第ということで「舵をとれ」なのかしらん。原曲は弦と管楽器が主体だったが、今回はギターサウンド重めでハードで硬派なアレンジ。ひょっとして「PHONON 2555」もこんな感じだったのかな?
 早速、在宅オーディエンス、今回のストーリーでいったら“コード・シューター”の皆さんを紹介。インタラ恒例であり、毎回感動するシーンの一つである。前回「ノモノス~」の時はあまりにも在宅オーディエンスの人数が多過ぎて、スクリーンに名前を流す速度がバリ速だったが、今回もそのパターン。でも、会場にいなくとも、こんなにたくさんの人がライブに参加しているのだと感じると、やっぱり感動してしまう。会場、大拍手。
 で、この曲といったら、間奏のギターソロ!デストロイギターですよ!その期待を知ってか知らずか、ヒラサワ、1曲目からデストローイ!ギターのボディに2回も膝蹴りをかましたりして、観客の興奮も一気に最高潮を引き上げる。そして今一度ギターを持ち挙げて、3回目のヒザくるか?と思わせておいて、ヒザに当てた瞬間に御大、まさかのジャンプ、というかちょっと跳ねて両脚の前後を切り替えただけにも見えましたが、61歳の機敏な動きに、その刹那思わずこちらも「うおお・・・!」となったが、ジャンプの高さが足りなかった(実際、ジャンプとしては哀しいぐらいに低かった・・・)のか、タイミングが合わなかったのか、あるいはただ単に滑っただけか、着地でバランスを崩して、御大そのまま後方にするっと転倒。ギターソロ中なのですぐに起き上がることもできず、そのままゴロンと寝っ転がる体勢に。ここぞとばかりに大喜びの馬骨。だってステージに寝っ転がるヒラサワなんて、滅多に見れるもんじゃないですからね。ギターソロを終え、起きあがった後に何もなかったかのような顔で歌い続けるヒラサワにニヤニヤが止まらない。いや~、初日の1曲目からやってくれますな~。とりあえずヒラサワさん、体幹を鍛えてください!


2 アヴァター・アローン

 新譜からはまずこの曲が演奏。てっきり「アディオス」で賑やかに始まるのかなと思っていたので、これまた意外。レーザーハープ捌きが洗練されててグッドです。ていうかやっぱりヒラサワは歌が上手い。CDそのまま流してるんじゃないかと思うレベルで生歌が上手い。
 ふとヒラサワの後ろの方を見ると、1号さんがずっと腕を挙げてひたすらレーザーを遮っている。ファンクラブ会報36号の「HYBRID PHONON」のライブレポによると、『レーザーハープはロングトーンだと手が熱くなる』という1号さんの談があったが、とすると、あれ、滅茶苦茶熱いんじゃないかなと。
 ストーリー説明も兼ねているが、スクリーンにセリフが表示されているときは歌わずに間奏を引き延ばすようにしている。これだとストーリーはストーリー、歌は歌と集中できるので、いいアイデアですね。


3 アディオス

 うわ!照明がめちゃくちゃキレイ!色とりどりの照明が踊るようにステージと客席を照らして、会場が一等華やかで煌びやかになる。照明がバルコニー席にも差し込まれましたが、超眩しい。先程のモニターやカメラもそうだし、照明技術も相当に高く、このライブはそういう技術的な演出も見応えがある。
 これもレーザーハープによる演奏が主だが、せわしないこと。「罵詈喝采罵詈喝采」のときの振りがかっこよかった。ギターソロは特にアレンジはなし。
 スクリーンに映るは、光学現実によって覆われた本物の街。今は誰も住んでいないが、WORLD CELL動かしたら戻ってきましょうと士さん。合言葉は「アディオス光学現実」!


□HOT POINT → 「赤」

 ここで、インタラがインタラである由縁、観客による分岐選択のコーナーが挿入される。まず、コード・シューターの皆さんが谷に橋を架けてくれたかをチェック。左に架かっている!ありがとうございます!先述したとおり、今回は観客が発する声の音程で分岐が決まる、馬骨大合唱祭のかたちになる(前回は馬骨大運動会だった)。開演前に練習はしたが、実際の判定がどうなるかは分からなかったので、少し心配だった。士さんも簡単に説明をしてくれるが、これ、士さんの云う通り「今はうまく飲み込めなくても、やっているうちに分かってくるでしょう」っていうタイプのものだから、とりあえずやってみる。
 練習時と同じように、神がかっているかっこいいBGMに合わせて赤・青の音程をそれぞれ出していく。私は青の音程の方が発声しやすかったので、とりあえずそちらの音を出していたが、全体の判定は赤。でも、衝突コードではなく、ちゃんとコード判定されたのは嬉しい。今回の分岐選択の方法を知った時、これ衝突コード一直線じゃね?とか思ってましたからね。初日だし、分岐がどうなるかは正直どうでもよくて、とにかく衝突コードを出さないようにと考えていたので、無事に次に進めてかなりほっとした。

 進行方向は決まったが、一向にライブが進まない。あ、これはひょっとして・・・、インタラ名物、ライブトラブルですか?ずっと暗転している中ヒラサワに「頑張れー!」という激励の声が(笑)。
 やっとのことで映し出された映像には、なんだかどこぞの先住民を思わせ、やけに快活の声で話す巨人が登場。こいつが出てきた時、会場で悲鳴にも似た声が聞こえた気がするが、その気持ちはわかる。しかし、そのムービーは途中で停止され、あ、これはまた・・・と思ったものです。ていうか、このムービーってDVD形式だったの?次に映ったのは、岩山の断崖を普通に歩いているΣ-12さん。会場、大歓声。Σさんの人気に嫉妬(笑)。しかし、これも違った場面だったようで、程なく停止。スタッフさん頑張れ!

 そして最後に登場したのが、時計。時計。もはや人じゃない。物。その時計にもセリフがあるからウケる。時計と来たら、この曲でしょうね。


4 異種を誇る「時」

 新譜のなかでもとりわけ御大の歌唱を堪能できる曲ですが、会場で聴いてて鳥肌が立ちました。どう聴いても、音源よりはるかに上手い。すっと沁み込んでくる。サビ前に赤い照明で照らされるステージがキレイ。サビ~ギターソロの間、横置きEVOに向かうついでにレーザーハープをちょんと弾いてて、なんかツボ。


5 回路OFF回路ON

 これまたせわしないレーザーハープ捌き。「アーウン アーウン」もレーザーで出力。ギターソロはアレンジはそれほどないが、すさまじい勢い。畳みかけてくるなあ。サビ、「急げよ類なき回路は今も開く」の「回路は今も開く」の部分、CDでは「か~い~ろ~は~」に聴こえたが、ライブでは「か~いろ~~は」だったので、ちょっとだけ違和感があった。でも、私が今この部分を口ずさむ時は「か~いろ~~は」の方を選んでいるので、生歌の影響力は大きい。「回路OFF 回路ON」のところの照明の切り替えがキレイでした。


6 MURAMASA

 なんか聴き覚えのあるBGMが流れてるなあと思ってたら、案の定空からAstro-Ho!さん登場(3年振り3回目)。会場の馬骨大喜び。私の近くの席の人も思わず「おおっ!」って云っちゃう。なんでHo!さんはいつも空から落下してくるんですかねえ。断崖を登るアバターの脚をつかみ、自分も崖にしがみついて、上空から降ってくるMURAMASAへの注意を促す。しかし、ここではMURAMASAは、自らが砥ぎ自らを切りつける物としてあるのが、自分が思っていた歌の解釈と違っていたところ。
 さて、肝腎の歌の方ですが、まず1号さんが徐に裏に向かったので、まさか・・・と思ったらそのまさか!手に日本刀持ってるぅー!その刀でレーザーハープを一切。これでも音は出るのね。ロングトーンもしてましたが、刃先の細い刀でレーザーを遮るって、結構難しくないですかね。ひとしきり刀奏法を披露してからイントロに突入。イントロももちろん刀で演奏をするが、ヒラサワの歌唱パートとなると、演舞をやめて直立不動となる1号さん、申し訳ないけど、滅茶苦茶面白かったです(笑)。しかも、御大は1号さんの方を見向きもしないという。どんな打ち合わせをしてこんなことになってしまったんだろう・・・。この曲、サビの声の伸びが気持ちいいところ。そのサビの時は、1号さんは刀を上に掲げたり、「SIREN」というか、ポケモンのタケシのポーズを取ったりしておりました。真顔で。


□HOT POINT → 青

 2回目のHOT POINT。橋も架かっている。ありがとう、コード・シューターの皆さん!士さんが最初の時と全く同じ説明をしてくれるが、流石にこれは短縮してもいいのではないかな。先程は「赤」だったからか、最初の声出しの時点で「青」の声を出す人が大多数。この最初の声出しの時の会場の動向で、自分の選択を決めるのもいいかも。今回も衝突コードを避け、無事に「青」のコードを発射。いや~、ほっとしました。


7 Wi-SiWi

 Astro-Ho!さん、アバターにΣ-12の眼というお助けアイテムを授けて落下(うろ覚え)。落下した時の会場の「ああ~(落胆)」の一体感(笑)といったら。
 そして、個人的に新譜で1、2を争う好きな曲のイントロが流れる。イントロ時にもギターで演奏。いや~、しかし、あまり大会場に映えない曲ですねえ(苦笑)。「サッと目覚めよ 影が来て祝うよ 幸い WI-SiWi 起きろ外道 腐れムーンは ああ」の一節の「幸い Wi-SiWi」のつなぎでちょっと音程が乱れてましたね。他の部分でも、特に「Wi-SiWi」と歌うところで、かすかにふらついていたような。しかし、こういうところで、ああ、本当に生歌だったんだなと理解できた。今まで、CD流してんじゃねえの?って思ってましたからね(笑)。サビ前のシャウトは仰け反りながら、音源よりもはるかにかっこよく披露してくれました。
 演奏中のムービーが印象的。岩山の中腹(?)に三角座りしているアバターに、説教のようなことをしているのが、どういうわけか、タコ。タコ。人じゃない、軟体生物。

タコ「お前を今みたいな状況にした言葉は何だ。」
アバター「『あり得ない』だ・・・(シュン)。」
タコ「お前を半人前の役立たずにした言葉は何だ。」
アバター「『無理』だ・・・(シュン)。」
(うろ覚え)

 この場面は、ストーリーやコンセプトに通じるものがある。


8 幽霊船(「WORLD CELL 2015」Ver.)

 今度は大きな船がニュっと出てくる。その甲板にいるのは、Σ-12さん!Σ-12さんじゃないか!

Σ「なんだ、まだいたのか。」

とかなんとか云ってたけど、ちょっとまて。アンタこのストーリーに出てきてないじゃん?またトラブルかなと思ったら、そのままライブは続行。これが正しいルートのようだが、さっきのトラブルのこともあって、どれが正しいルートなんだかよく分からなくなってしまう。
 そして、突然に炎に包まれる船。焼け焦げて真っ黒になったその姿は・・・、あれ?どこかで見たことがあるぞ。
 と思ったら演奏開始。超ハードで金属的なパーカッションが前面に出た新アレンジの「幽霊船」。なんだこれ、かっこいい~。ヒラサワがするアレンジにしては比較的簡易な方かなと思うが、それでもパーカス一つ入るだけで、印象は大きく変わってくる。原曲は弦メインで、少し今回のライブや新譜の曲とは毛色が違うから、このアレンジは雰囲気も合ってていいなあ。


9 火事場のサリー

 今度は炎に包まれて真っ赤な服を着たブロンド美女が登場。あなたが火事場のサリーなんですね?美人ですねえ。で、その声を演じている人ですが、もう一声で折茂昌美さんって分かっちゃいます(笑)。本当に特徴的な声。折茂さんは前回「ノモノス~」ではサンミア役を演じていたが、その時のちょっといかめしいサディスティック風ではなく、サリーでは声色が若々しくて少女らしい可憐さやいたずらっぽさもあり、コケティッシュでエロティックな女の魅力もある、という、なんともグッとくる凄まじい演技をされていたなあと。口癖は「変な人」。
 演奏はひたすらヒラサワと1号さんによるギター弾き語り。かなりかっこいいけど、なんか、普通のアーティストみたいだぞ(笑)!私個人としては、この曲がいちばん歌いづらいかなと思っていたが、やはりヒラサワはヒラサワ。流石の歌唱力で生歌を披露してくれる。Aメロの低音部どうやったら出せるの・・・?
 「カタストロフで はっ!」の「はっ!」は、それに合わせてヒラサワははっ!と振り返って、吐き捨てるように歌うが、最後の「はっ!」の時、勢いよく振り返ったせいで、バランスを崩してよろめいてしまう。そういえば、他の場面でも時々足元がおぼつかないところがあったなあ。ヒラサワさん、体幹を鍛えてください!


□HOT POINT → 「衝突」 → 「赤」

 3度目のHOT POINT。橋は架かっている。本当にこのライブは在宅オーディエンスの皆さんがいないと成り立たないな。ありがとうございました。最初はお試し的に「赤」、2回目はさっきは赤だったから「青」、そしてこの3回目が、いちばん観客を迷わせたんじゃないかなと思います。声出しの時点で、赤と青は五分五分と云った感じ。それをうまく切り替える術も有たないので、本番でもうまい和音が出来ず(ここまで来ると、成功失敗の感覚が分かってくる)に、「衝突」コードになってしまいました。会場の「ああ~(落胆)」の一体感。「衝突」だと、いままでの成果を破壊してしまうとの前情報だったので、ここまできてゲームオーバーかなあ・・・と思ったら、PEVO1号のタブレットでルーレット的に決めるという。おお!つまり「衝突」でもゲームオーバーにはならないんですね!なんか、やけにやさしくないですか、今回。ルーレットの結果は「赤」。いや、ホント、救われましたね・・・。


10 クオリア塔

 イントロからギターで演奏。サビがとことん美しい。
 そして物語も佳境といったところで、無事にWORLD CELLに辿りついた。演奏終了後に現在のヒラサワがΨヶ原スコープに下りてきて、WORLD CELLの起動スイッチを押す。だが士さんによると、スイッチを押したから再稼働するとは限らない。アバターの光学現実を消去できるかどうかが重要らしい(うろ覚え)。


11 ホログラムを登る男

 暗転した会場に、聴き慣れたビビビビ音が鳴り響く。今回のライブのメイン楽曲が正念場で演奏。やっぱりこの歌はこういう扱いになるよなあ。アルバム発売に先駆けて一曲だけフルで配信され、その分多くの人の耳に入っているだろうが、新譜発売後もその他の曲に全く埋もれぬ存在感があった。本当にこの歌には大きな力が込められていると思う。
 ライブでもその存在感は変わらず。レーザーハープやギターの演奏もなし、御大は最後まで歌に徹していて、その見事な歌声に鳥肌が立ちっぱなしであった。

「飛べよなお高く 流刑の憂いに忘れた翼 力得よ無傷のまま」
「叫べ声高く 愚弄の砦の頂に見える 何もかも幻と」

白状してしまえば、平沢進の楽曲の歌詞は何が云いたいのか、どんな意味があるのか、私には完全には分からない。でも意図や意味を超えて心に伝わるものは確実にある。


 やっとこさ崖を登り終えたアバター。岩山の頂上で待っていたのは、映画「トロン」に出てきたような、何とも恐ろしい巨大な顔面。アバターは恐がりなので、その恐ろしい顔面を目にして、思わず崖から手を離し、落下してしまう。(馬骨「ああ~」)
 その落下を止めたのは、サリー。アバターに、Σ-12の眼を覗いてみなさいと促すと、そこに見えるのは地面に這いつくばっている自分の姿だった。「あり得ない。」という言葉でさらに落下していくアバター。それを再び止めるサリー。これが「カタストロフで いつも会えるよ」ということだろうか。地面に這いつくばっているのが本当の自分の姿だから、起きあがってみなさいと促してみるも、アバターは「無理だ。」と云い、その瞬間、さらに落下してしまう。三度落下を止めたサリー。すると今度は「立ち上がりなさい!さあ、立ち上がるのよ!」と今までとは違う熱血的な言葉で励ます。インタラでこんなに直情的な言葉が聞けるとは・・・。そのサリーの説得により、起きあがろうとするアバター。そこにはもうホログラムの岩山などはない。立ち上がり、見上げてみると、そこには稼働を停止したWORLD CELLが聳え立っていた。オチは分かっていたが、これには鳥肌。


12 WORLD CELL

 まず最初に云いたいこと。
 大和久さん、マジで本当にお疲れさまでした!!
 少ない準備期間の中、各種CGを作成するという超ハードワークにも関わらず、あのWORLD CELL再稼働の美しい映像を生み出したこと、本当にリスペクトします。奇怪なメカニズムが次々動き出し、謎のエネルギー源から力を得て、たくさんの輝く光の粒を撒きながら再び活動を始めたWORLD CELL、心から感動できる場面でした。
 「WORLD CELL」は前回の「ノモノス~」でも演奏されたが、あの時は完全にインストゥルメンタルだったのが、今回は生歌声が入る。原曲と少し違う声が入っていた気がしたので、もしかしたらこのインタラのためにちょっとはアレンジしていたのかも。
 とにかく、WORLD CELLは再起動した。これはGOOD ENDでしょう!


 士さん登場。無事にWORLD CELLを再稼働させることができたと。やっぱりGOOD ENDじゃないか!そして、光学現実も消去したので、会場の外の街の様子は今までと全く違って見えるとのこと。この設定は上手い。もうすぐ現在のヒラサワと重複してしまうので、そろそろ別のタイムラインに行くと話している途中で、今度は鉄クズで出来た山を登っているヒラサワの姿が見えた。それを見た士さんは頭を抱えて「また変なのがやってきた。」


13 鉄切り歌 (鉄山を登る男)

 初めてアルバムを聴いた時から思っていた。この歌はエンディングだなあと。予想通りに、インタラのエンディングはこの曲だった。ステージ上も明るく照らされ、華々しい。
 さて、問題の「空を見ろと聞こえた 胸の声の束の間 天高く行く人を見た 思慮の羽で飛ぶ声」の場面である。スクリーンには、「パラレル・コザック」以来のディスクグラインダーを使って鉄を削りながら鉄山を登るヒラサワが映る。ふと空を見ると、そこには背中に翼を生やして飛ぶ人の影があった。その人は、さも当然のように、黒い翼を有ったまた別のヒラサワだった。おおー、鳥人ヒラサワだ!とか思っていたら、そのヒラサワ、こちらに眼を遣り、「あ、見つかっちゃった?」あるいは「あいつ、まだ鉄山なんか登ってるよ。ぷぷ。」とでも言いたげに、徐に口の前に手をもっていく。

馬骨「(あ・・・天使かな?)」

この瞬間、何とも云えない空気が生まれたのが分かった。私は、観客からの強い「ぽわ・・・」の波動を感じた。私の隣の席の女性もこのシーンで思わず自らも口の前に手をやっていた。

 演奏は「だんだん切れ♪だんだん切れ♪」と賑やかに。インタラ初日ということで、まだ観客の多くはノリきれずにいるように見えた。私は手拍子してたけど。
 演奏終了後、ヒラサワは特に何も云わずに退場(一度は退場しかけて何かするのかと思ったら、結局何もせずに退場した)。何だかあっけない終わりに、あれ?あれ?終わり?となている人も結構いたんじゃないかなと思う。私も、終わるとは思ってたけど、あまりにあっけなかったので、肩透かしを食らったような気分だった。エンドロールのBGMは「鉄切り歌 (鉄山を登る男)」のカラオケ版だった。

 ステージが暗くなり、代わりに場内が明るくなる。
 しかし、観客の歓声は止まらない!


【MC】(うろ覚え)(特に順番がアヤしい)

 ステージが再び照らされて、ヒラサワと1号さんが登場。

ヒラサワ(以下「ヒ」)「えー、初日ということで・・・」
馬骨(以下「骨」)「「「(笑)(ニヤニヤ)」」」
ヒ「あれがいちばんいいエンディングということになるのですが・・・」
骨「「「(大喜び)」」」
ヒ「初日に出されたら、明日から私はどうしたらいいのか。」
骨「「「「(爆笑)」」」」
ヒ「でー、それで考えたんですけど、今回はアンコールやりません!」
「「「「「えーーーーー!!!!!」」」」」
ヒ「・・・えーじゃない。」
「「「「わああああああ!!!(悦)」」」」←おかしくね?これww

ヒ「ちょっと、ネタバレもしてしまいましたが。」
骨「(笑)」
ヒ「明日からは、そちらのルートに行けるように頑張ったらいいんじゃないでしょーか。」
骨「(笑)」

ヒ「えー、最近よく一緒にやっていますが、今回も助っ人として来てくれました。」
骨「PEVO―!」「1号さーん!」「1号―!」
ヒ「PEVO1号です!」
1号さん、サイン波攻撃。馬骨、大喝采。
ヒ「えー、PEVO星に電話をしまして。刀ある?って聞いたところ、長いのと短いのがあるということでしたので、せっかくなので、長いのを持ってきてもらいました。」
骨「(爆笑)」

 あのMURAMASAは1号さんの私物だったのか・・・。

ヒ「えー、ということで今日はアンコールはやりません。」
「「「「「えーーーーー!!!!!」」」」」
ヒ「・・・・・・えっ、そ、それでっ(狼狽)。」
骨「(笑)」
ヒ「成功ルートはもう一つあります。明日からはそちらのエンディングも見れるように頑張ってください。ありがとう。」
骨「(大拍手)」

 ヒラサワ、1号さん、退場。
 客出しBGMはPEVOの曲。新しいアルバム買ってないから分からないよぅ・・・。



 今回のライブ、日程は2015年の1月の時点で発表されており、それからその形式をどうするかを決めるイベント「過去向く士・Ψヶ原の策謀」がずっと続いてきたわけですね。そしてインタラクティブ・ライブの決定、新譜発売、ライブ当日と、ほぼ一年、WORLD CELL関連のストーリーを含めると17年ものバックボーンが今回のインタラクティブライブ「WORLD CELL 2015」にはありました。まさに大河ドラマと云えましょう。その割には、やけにあっさりとして、シンプルでコンパクトなライブになった印象を受けました。アンコールをやってくれなかったのも残念。
 だけど、カメラやモニター等の機材や会場の照明など技術面の進歩があり、ライブとしての完成度はものすごく高かった。会場の音響も良くて、思う存分ヒラサワの美声を堪能することができましたね。
 そのヒラサワ、歌唱力はやはり流石といったものがあるし、横置きギター、デストロイギター、レーザーハープといったおなじみ要素はそのままに、「火事場のサリー」での1号さんとの弾き語りや、「MURAMASA」での1号さんの日本刀奏法など、演奏の“画”も様々あり、密度も高かったと思う。
 ストーリーは、かなり分かりやすいものになっている気がします(いや、タコとかΣさんとかは置いといて、全体の流れが、ね)。云いたいことも分かるが、これはヒラサワがずっと伝えたかったことでもあるような気がしますよね。御大のメッセージにはいつも励まされます。物語中に、複数のヒラサワも出てきて、ネタとしてもかなり面白かった。それとなんとなく、今回のヒラサワはやけにかわいらしい感じがしましたよね。コケるし、天使だし。あとは、なんとなーく、ヒラサワにしては色々とやさしかったなあとも思います。「衝突」出した時は、本当にゲームオーバーになると思ってましたもん。
 そして最後に、
 大和久画伯、マジで本当にお疲れさまでした・・・!




2015.11.27 平沢進 INTERACTIVE LIVE SHOW 「WORLD CELL 2015」 1日目 @東京ドームシティーホール

1 舵をとれ(「WORLD CELL 2015」Ver.)
2 アヴァター・アローン
3 アディオス
4 異種を誇る「時」
5 回路OFF回路ON
6 MURAMASA
7 Wi-SiWi
8 幽霊船(「WORLD CELL 2015」Ver.)
9 火事場のサリー
10 クオリア塔
11 ホログラムを登る男
12 WORLD CELL
13 鉄切り歌 (鉄山を登る男)



  1. 2015/12/04(金) 19:00:00|
  2. 平沢進
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北国街道出雲崎訪問記

 ある雑誌の記事を読んでから、出雲崎という土地に興味を抱いていた。出雲崎は新潟県中部の沿岸に位置する小さな町だ。日本海を挟んで向かい合う佐渡島からの金銀荷揚げ港であり、かつては幕府直轄の天領として賑わっていた、北国街道沿いの宿場町である。
 私は事あるごとに出雲崎を訪ねる機を窺っていたが、日本海に面し、切り立った崖に囲まれたこの町は公共交通機関では行きづらく、間の悪さからことごとく訪問を断念してきたのだが、この度に田舎の両親が自動車で訪新した際に、頼んで連れて行ってもらうことで、訪問をかたちにすることになったのだった。
 新潟無機終焉都市から出雲崎へは、日本海沿いの国道をひたすら走って一時間ほど。車窓からは、細長くて奥行きのある妻入りの家屋が断崖の下に立ち並んでいるのが見える。これこそが当地を代表する風景であり、私がこの町に関心を寄せるきっかけにもなった景色である。
 町の地理関係がよく分からなかったので、第一に、道の駅に寄って情報を集めることから始めた。地図さえあれば十分だったが、観光情報のコーナーに行っても、それらしきものは扱っておらず、周辺の施設のパンフレットがあるばかりである。おやおやと思って屋外に出ると、大きな地図看板があったので、それを参照するに、目星の場所のほとんど街道沿いに所在しているようだった。そもそも街道を中心にしてできた町なのだから、主要な名所も街道から大きく外れることはないのだろう。
 大通りから街道に入るが、古い路ということで道幅は細いものになっている。果たして車はすれ違うことができるのかと思ってしまうところだが、それと平行して国道が走っているため、そもそも車通りは多くなさそうなので、それほど問題はないのかもしれない。
 四寺という名の通りに寺が集まった区画があるのだが、そのうちの光照寺を訪れてみた。越後三十三観音霊場十九番に拝された古寺だが、禅僧・良寛が出家した寺として知られている。良寛は詩人、歌人、書家としても高名であり、子供との戯れを愛氏、民衆にも解りやすい仏法を説いていたことから庶民にも慕われ、いまも「良寛さん」という呼び名で新潟県民に親しまれている。その良寛さんは出雲崎に生まれたため、この町は良寛ゆかりの地ともなるのだが、実を云うと私は良寛さんのことには詳しくないし、作品にふれる機会さえなかったので、この方面には大した熱意はなかった。私は、妻入りの町並みさえ見れれば満足だったのである。この光照寺を訪ねたのは、いわば間を持たせるためである。
 旧街道から入った路地のいちばん奥、石段を渡ったところに光照寺が建っている。それなりに大きな寺だが、庭園の植栽は最小限といったところで、小ざっぱりとした印象を有つ。本殿に踏み入れてみると、小ざっぱりとした外見の割に、色彩豊かで豪華な装飾が施されてあるのに軽く驚いた。高台にあることで、庭先からは彼方に波打つ日本海を望むことができる。十八歳の頃、良寛はここで出家剃髪し、それから四年間の修行に励むのだが、仏門を志す青年の目にもこの海が映っていたのだと考えると、途方もなく大きな時間経過のスケールに戸惑ってしまう。
 後ほどには、街道と日本海に挟まれて建つ良寛堂にも足を運んでいる。良寛の生家跡に建てられたこの小さなお堂は浮御堂と云って、まるで日本海に浮かんで見えるように作られているそうだ。お堂四隅の釘隠しの衣装が楓の葉のようで可愛らしかった。堂内には良寛の遺品である石地蔵をはめ込んだ多宝塔が置かれてあった。お堂の裏手には、良寛さんの銅像がいる。静かに座して、彼方の日本海や佐渡島を細めた眼でじっと見つめている様はなかなかに味わい深い。
 時系列は前後するが、光照寺から一旦街道に下りてからは、断崖上の良寛記念館を目指した。目指したのは確かに記念館なのだが、我々の目星は同敷地内にある良寛と夕日の丘公園にあった。
 記念館の展示に興味はなかったので館内に入る気はなかったが、庭園内は散策可ということだったので、少しだけ歩いてみる。良寛が住んでいた質素な庵の複製や世界一の大きさとも云われる硅化木などもある、それなりの庭園は造られているが、あまり手入れは行き届いてはいないように見える。
 やはり館内には入らずに、記念館脇から公園への階段を上っていく。この公園は新潟の景勝地百選の第一位に選ばれている。町でも最も見晴らしの良いこの場所からは、真正面に天の川がよこたふ荒海の佐渡、右手に弥彦山、眼下には日本最長の妻入りの町並みと良寛堂が一望にできる。当地を代表する景色を一目に収めることができるのである。
 私が特に気にかけていた妻入りの家並みは、高地から見下ろすことで、その様子がよく分かる。妻入りとは細長い長方形をした建物の短い辺を玄関とした形式のことで、このような家々が軒に軒を重ねて、海岸線に沿っておよそ三・六キロの町並みを形成しているのである。家屋がこのような形になっているのは、間口の広さによって税金が掛けられていた往時の名残りである。旧街道を走った時にすれ違う家々の中には、見るからに年代モノと見受けられるのも多く残っている。昔ながらの面影がいまも息づいている町の姿はそれだけで魅力的なのである。

  1. 2015/12/03(木) 19:00:00|
  2. 旅行記
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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者結語

日常系赤面ブログ「野良犬の生活」を応援していただきありがとうございました

「野良犬の生活」の物語

 はじめましての皆さんへ

長い間ありがとうございました

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