野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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臨床医学入門篇、始動

今日から臨床医学入門が始まった。
この一連の講義・実習群の目的は、私達が今後患者さんの診察をするにあたって必要となる基本的な臨床技術・知識を習得すること、という風に表向きはなっているが、
実際の中身は、単に、来年私達が受ける客観的臨床能力試験(OSCE)の対策である。
先生達は、どうやったら点数が取れるかとか、何をしてはいけないとか、そういうことを私達に教えるのである。
聞こえのいい文句は最初のガイダンスのみで、あとの授業ではあからさまに「OSCE、OSCE。」と連呼していた。
これでは国立の予備校である。
確かにこのOSCEを通過しなければ私達は進学できないので、ある程度の熱意をもって取り組むのがいいだろうが、
臨床的な技術の習得はOSCEのためだけではなく、これからの医者としての人生に不可欠なものであるので、
これについて私達は、もっと長い目で見る方がいいだろう。

OSCEというものは、診察・検査の基本が身についているかを確かめる試験である。
こういうトレーニングは確かにあった方がいいのであるが、
試験というものの性なのかもしれないが、合格のためには現実世界と乖離したテクニックを身につけなければならない。
現実世界とかけ離れた診察を習得しなければならないのである。
このOSCE世界において、医者の診療は患者に対して過剰に恭しくしていなくてはならないということになっているようである。
医者自らが患者を呼び、ドアを開けて迎え入れ、「どうぞかけて。」と顔に似合わぬ紳士道をお披露目し、
不自然なタイミングで挨拶をし、ご丁寧に自分の名前の書き方を教え、そして今一度患者の名前を確かめるのである。
この冒頭の流れからして、気味が悪い。
私はこれまで患者として、医師の診察を受けた事が何回もあるが、一度としてこのような至れり尽くせりの待遇を賜ったことはない。
ここにおいて医療は完全なるサービス業に成り下る。
その後の診察でも、色色な質問をして、その度に相槌をして、時には同情をしなくてはならない。
成程、こういった心遣いは確かに患者の心を打ち解けさせるかもしれないが、あまりに過剰すぎてかえって白白しく思えるのである。
もし場うてがしたら、たった一言「もう少し詳しく話していただけませんか?」という魔法の言葉を唱えれば、プロの患者さんが勝手に喋ってくれる仕様になっているので一安心だ。
なお、授業でこのOSCE世界での診察の模様を収めた映像を見たが、私は冒頭のパートから笑いをこらえるので精一杯だった。何度講義室を抜け出そうと思った事か。
ここまでくると一つのギャグに見えるのである。全編そうとはいかないまでも、そう思える瞬間が定期的に訪れる。
いやあ、ものすごくあのDVDほしい。特典にメイキングとNG集つけてほしい。
それを自宅で見て思いっきりゲラゲラ笑いたい。

この世界では診察のやりかたと同様、医者の態度についての細かいマニュアルも作成されている。
このマニュアルには、丁寧な言葉遣いとか清潔な衣服とか、医者だけでなく、大抵の人間ならば当然大切にすべきことばかり書かれてある。
思うに医学者というのは、頭がいいからか、あるいは虚栄心が強いからか分からないが、
何に関しても、主義とか理念みたいに大袈裟な名前を付けたがる傾向がありすぎる。
人としてして当然なことにすら輝かしいばかりの権威を持たせる必要はあるのだろうか。
少しは放っておいてもよさそうなものである。これだからこういったヘンテコな世界ができあがるのだ。

ところで、このマニュアルに則って診察をすることは、患者にいい印象を与えるためなのだが、特に高齢者への配慮というものがが色濃く出ている。
うむ。こういった清廉な態度は確実に高齢者ウケするだろう。
しかし、これについても私の経験とだいぶ違っている。
私は田舎町に生まれ育ったので、もしかしたらこういった生育環境から以下のように思っているのかもしれないが、
私の知っている高齢者には、もっとフレンドリーな若者の方を気に入る人が多い。
ばあちゃんどうしたの~?」みたいな方が好きな人が結構いるのである。
そういう人はおそらく、OSCE式の診察に戸惑い、怯え、気分を害し、
そしてたぶん家に帰ってきてから自分の娘に「あの先生ちょっと怖いから嫌だわ。」と言うだろう。
経験則
確かにビデオで見た医者の診察は、一歩間違えると不審者の口ぶりに聞こえるところがあった。
マジメな態度に好感を持つ老人は確実にいるだろう。
でもOSCE式は私の思い浮かべる人達を完全に無視している感じがしてなんか嫌だ。
どうせOSCE式マニュアルは過去に、上流にいるとっても偉くてお堅いお医者さん先生の皆様方が作り上げたものだろうから、こういう庶民のマインドの欠如した有様になってしまうのだろうな。

さて、私はさっきからOSCE式の診察方法に文句を言っているわけだが、
しかしそれでも、このOSCEが謳わんとする基本的な理念ー医者と患者の信頼関係を築くーということには全面的に賛同する。
それに診察のトレーニングをしてくれるのは、正直有難いし、
OSCE式の診察法は、実に奇妙なことになっているが、流れは実際のそれととても似ている。
それに、冒頭で述べたように、臨床技術の基本は必ず押さえておかなくてはならない。
この実習入門はアイデア次第で、大きな得になることは必至である。
だから、これも冒頭で言った事の繰り返しだが、目先のことを考えずに、
もっと長いスパンで物事を見るようにした方がいいだろう。
OSCEに関しては、内心で馬鹿にしながら、表面上は“いいお医者さんの演技を勉強している生徒”の演技をするのがよさそうだ。
どうせ試験なんてものはすべて軽くこなせばそれでいいのだから。
その分私は大切なことにひたむきに向かうから。





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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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