野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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犬に乗られる生活

 秋田県にある私の実家では犬を一匹飼っている。ミニチュア・ダックスフントの雄犬。たしか今年で九才になるのだが、この年齢を人間に換算するとどうやら働き盛りも過ぎる中高年頃となるらしい。完全に立派におっさんである。
 この犬は家族の中でも私にとりわけ懐いている。進学のために家を出ている私は家族よりも彼と過ごす時間が短いにも関わらず。かわいさ余って彼をちょんと蹴とばしたり(痛くない程度に、本当に“ちょん”と)床をころころ転がしたりと、私はいろいろと彼にひどい仕打ちをしてきたにも関わらず。犬同士(?)気があうのだろうか。理由はよく分からない。
 犬はよく私に乗る。これはどういうことかというと、私がカーペットに胡坐をかいたときに太もものつけ根と下腹部でできるわずかなスペースにのそのそと乗ってきて、そこでとっぷりと落ち着くのである。四肢を折り曲げ、アゴを私の手首に乗せ脱力してすっかりリラックスをするのである。そのままうとうとすることもよくある。彼が犬用のベッドに寝ているときも、冬場にはストーブの前に寝っ転がって腹あぶりをしているときも、私が胡坐をかく(あるいは、かいている)のを見つけるといそいそとこちらに向かってきてのっそりと胡坐の上に乗りにくるのである。また最近は直立している私を下からじっと見上げて、まるで「胡坐をかきなさい」と言っているような顔でおねだりをすることもある。私は慣れているので犬の表情をしっかりと読み取り、少しじらしてから胡坐をかいてやるが、やはりすぐさま犬は乗りにくる。このように私が意図して胡坐の上に乗せるのはいいが、犬は、例えば私がこの座位で読書をしているにも関わらず太ももに乗ろうとするのは正直煩わしいのでやめてほしい。

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↑筆者が胡坐をかいて読書をしているところに乗る犬。アゴを私の腕に乗せるので本を読みづらい。

 また私が食卓の椅子に座っているときにも、犬は腿に乗りたがる。いつもダックスフントに特徴的なあの短い後足で懸命に立ちあがり、前足で私の膝を小突いて「乗せなさい」と訴えてくる。私がその訴えを受理し、犬のスンドウな胴体を抱きかかえて太ももに乗せると、やはりここでもあのリラックスの体勢になって睡魔に誘われるのがオチなのである。アゴを私の手首に乗っけて脱力するもんだから、私の手関節にかかる負担はなかなかのものになる。負担というか、もはやうまいこと極まるのである。私が椅子に座り、犬がとなりの椅子の上にいるとき(母がよく椅子の上に上げる)も、犬はあの短い足で私に乗ろうと苦労する。こういうときは結局は私が自分から乗せてやるのだが、その後は例の結末に辿りつく。つまり手関節が極まる。まあ私が意図して乗せているときはいいが、例えば私が食卓でコンピュータを使っているときに手首にアゴを乗せるのは正直煩わしいのでやめてほしい(右手にアゴを乗せるとマウスがうまく使えない。左手の場合は文字が打ち込めない)。
 犬は私の太ももに乗ると安心するのかもしれないが、このとき私も犬のからだを撫でたりして落ち着く。犬と私を包む空間だけが世間と切り離されたようですがすがしい気分になる。私の好きな小説、小山清の「犬の生活」にこんな一文がある。
「そして、こういう動物達の方が、人間よりも、神様のそば近くに暮らしているということが、よくわかる。」
神様のそば近く。それは天上の国のことだろう。聖書に「貧しき者は幸せである。天上は彼らのものである」という一節があった覚えがあるが(誤りがあったらごめんなさい)、ここでいう貧しき者とはどうやら乞食のことらしい。乞食は社会や世間とは関係を結ばずに生活をしている者たちだが、天上、天国というのは彼らにしか達することのできない領域だそうだ。これは仏教における浄土の国にも通じるものがある。私は学がなくこれ以上ボロを出さないために専門外の話はこのあたりで打ち切るが、こういうことを知ったあとだと、私が自分の大腿に乗っている犬を撫でているときに感じるあの澄みきった感情、世間と隔離されたような感覚は、もしかしたら天上、天国、あるいは浄土にもつながるようなものなのかもしれないと、ふと思う。そこまで大袈裟ではなくとも、犬との交流が私にとって数少ない安らぎの時間であることは間違いない。










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シバケン-いかれたNeet-

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趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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