野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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鎌倉独歩記(かまくらひとりあるき)

 用事があって横浜に行くことになったときに少し時間ができたので、ついでにひとりで鎌倉に足を運んでみることにした。鎌倉に行くのはこれで二度目になる。昨年の五月に友人たちと訪れたのが最初だったが、八幡宮や大仏などの主要な観光地はそのときに大体見てしまっている。ひとりだと、一度目と同じルートで回っても見え方が違ってくるかもしれないのでそれでも別によかったのだが、せっかくなので今回は趣向を変えて、八幡宮の近くから東に走る金沢街道沿いの寺社を訪ねることに決めた。
 鎌倉駅からバスに乗り、杉本観音で降りてすぐのところに杉本寺がある。この寺は坂東三十三霊場の第一番札所なのだが、石段が有名で、この石段の苔むし具合が鎌倉最古とも言われる杉本寺の歴史を感じさせてくれるということだった。だが、この日は不運にも茅葺き屋根の補修工事が行われており、作業の必要性からこの石段には覆いがされてあってついに一目も見ることができなかった。なにもしないで戻るのも馬鹿馬鹿しいので、不揃いの階段(件の石段は見学専用になっており、その隣に別に階段が作られている)を工事真っ最中の本堂まで登った。工事をしているのは屋根だけなので、お堂の中に入ることはできる。この寺のご本尊は三体の十一面観音である。薄暗い堂内にあやしく佇む観音様を見ていると、仏教のよさがわかる気がする。工事でお目当てのものが見れなかったこともあって、観音様には道中、そして今後の無事平穏をお願いした。

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 そこから歩いて浄妙寺に行った。浄妙寺は鎌倉五山の第五位(その他四つは上から建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺)に数えられている名刹である。ちなみに最寄りのバス停や周辺地域の名前が「浄明寺」と漢字が変わっているのは、お寺に敬意を表してのことらしい。開けていて大きな寺である。境内では猫が気持ちよさそうに寝ていた。いくら撫でても全く起きて動く気配がない。境内には喜泉庵という建物(某旅行雑誌の鎌倉篇の表紙写真はここで撮影されたもの)があって、そこで抹茶とお茶菓子を楽しむことができる。せっかくなので私も頼んだ。某ゆるふわ軽音楽部アニメで抹茶の作法はだいたい心得ている。庵で抹茶を嗜みながら静かに日本庭園を眺めるというのは、とてもいいことだ。これがほんとうの洗練というものだろう。こんな生活をずっと続けるのはなんだか老けそうなので遠慮したいが、それでも時々はこうやって心を洗う機会を設けることができたら、どんなにかいいことだろう。

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 金沢街道にはもう一つ大きな寺があって、これこそが報国寺である。私はこの寺をいちばん楽しみにしていたところがある。報国寺は竹庭でよく知られている。「竹の庭」と言って、およそ二千本もの孟宗竹の間を静かに歩くのだ。空高くのびる竹に包まれてする散歩はどこか非現実的である。木漏れ日や風の音も涼しげでここでも心が清廉になる体験をした。竹の他にも松や桜など、手入れの行き届いた庭園は見ていて飽きない。今後鎌倉訪れる機会があったらもう一度(あるいは何度でも)行きたくなる感じだ。そんな中、奥の庵でお茶を飲んでいる中高年女性の騒々しい声が聞こえてきて思わず閉口。あれは反面教師の良い例である。

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 金沢街道の三つの古刹を巡ってみてもまだ時間に余裕があったために、少し長谷寺まで行ってみようと考えた。長谷寺は鎌倉でも有数の名所であり、私も昨年訪れているが、私は数ある寺の中でも長谷寺はかなり気に入っているので、先程の報国寺のように何度でも足を運びたいと思っているのだ。また長谷寺は、先日読んだつげ義春先生の「貧困旅行記」という本にも登場していたので、私にとっては二重の意味で聖地巡礼ということになる。
 金沢街道の浄明寺バス停から鎌倉駅に戻り、そのまま江ノ電に乗って長谷駅で降りる。平日だというのに、この辺りは相変わらず混んでいる。長谷寺に大仏の高徳院もあるからなおさら人が集まるのだろう。それなのに各所までつながる道はとても細いので危ない。いろいろな店が出ているが、食べ歩きはおろか立ち寄る気にすらなれない。抹茶や竹庭で洗われた心もいつもの調子に戻ってしまう。長谷寺の参道に重要な建物がある。對僊閣(たいせんかく)という名の旅館である。高浜虚子や与謝野晶子ゆかりの旅館で、建物自体歴史的に価値があるのだが、先程の「貧困旅行記」によると、どうやらつげ先生はここに泊まっている。玄関のガラスから中を覗いてみると、それは本に載っていた写真そのままの光景だった。長谷寺の近くとは書いてあったが、まさかこれほどまでに近いとは思いもよらず、私はひとりで驚いていた。對僊閣は現在も営業をしており、調べてみると素泊まりか一泊朝食付きで、案外と安価で泊まれるみたいである。

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 あまりにも商業的な自動券売機や、デカデカと長谷寺と書いた大提燈はあまり好きではないが、やはり長谷寺はいい。二つの池を配した庭園はクリエイティブだし、上から見下ろす海の眺望も格別。しまいには弁天窟という薄暗い洞窟まであったりと、どうにもここは見応えがある。観音堂に安置されるご本尊の十一面観音菩薩像(いわゆる長谷観音)の息を飲むような迫力は、筆舌に尽くしがたい。つげ先生もおっしゃっていたが、仏教はいい。静かながらも確かにこちらに押し迫ってくる迫力を直に感じると、神や仏を信じる値うちがあるように思えてくる。思うに神や仏の存在というのは、実体云々ではなく、それを信じる心そのものなのかもしれない。

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  1. 2014/03/28(金) 09:26:17|
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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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