野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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浅間温泉投宿記

 一泊二日の計画で長野と松本を見物して回ったとき、宿泊地は諸々の都合から松本にした。その際、ビジネスホテルでも別によかったのだが、せっかくだからと少し、いや、かなり奮発して松本市内にある浅間温泉に宿をとった。浅間温泉は「松本の奥座敷」と呼ばれ、多くの文人墨客に愛されてきた歴史のある温泉街である。
 浅間温泉は松本駅からバスに乗って約二十五分。午後五時頃に宿に到着した。宿はホテルUをとった。素朴な宿の多い浅間温泉の中で比較的新しめの旅館である。よく旅館の玄関に「歓迎 ○○御一行様」とか「歓迎 ○○様」とか書いてありましょ?そんななかに、おひとり様の若僧たる私の名前も書いてあって思わずニヤリとした。
 部屋出しの夕食の時間を決めて、外に散歩に出かけた。宿の下駄を借りたが、カランコロンという音がうまく鳴らなかった。私の歩き方がおかしかったのだろうか。さて、散歩とはいってもこのあたりには特に目立った景観はなく、地図を片手にぶらりと町中を歩いていただけになる。とはいえ、町をただ歩くことも面白みがあって私は好きだし、浅間温泉の町並みはノスタルジックな風情を醸しているので退屈はしなかった。地図に載っていた「不動の滝」が気になったので行ってみた。細い道を山に入るように歩くと、ちょろちょろとしたか細い滝が落ち、その傍らには不動明王の彫刻があった。なるほど、だから「不動の滝」なのかとひとり納得した。滝の上には護摩堂がある。日も落ちて薄暗くなってきたときに、人気のない山のお堂にいるのは気味が悪かった。山を下りて道路に復帰したところで、どこかの寺で鳴らす鐘の音が聞こえた。辺りはすっかり暗くなり、しんと静まり返る町に聞こえるのはどこかから聞こえる鐘の音と、自分が慣らす不細工な下駄の音だけ。なんだか心細くなる。いろんなことをぐるぐると考えていたら、いつの間にか宿街ではなく住宅街を歩いていた。道に迷ったのかもしれない(地図はあったが、あまり詳しくない)。住宅街にいると急に余所者意識が出てきて帰りたくなる。すると向こうから、中高生と思しき女子がふわふわとした部屋着(いいですよね、コレ)を着て歩いてきた。すれ違うときにちらと見たが、タオルなどを抱えていたので、大方温泉施設に行く途中だろう。温泉街に住むとはこういうことなのかな、としみじみ思った。住宅わきの狭い路地を歩いていくと、なんとか見覚えのある大通りに出ることができた。
 宿に戻った頃にはもう食事の時間になっていた。夕食は部屋出しにしてもらうのだが、部屋に帰ると、ドアの前で女中さんが食事を載せたカートと携え待っていたので申し訳なく思った。女中さんが準備をしてくれている間、私は手持ち無沙汰でなにげなく部屋の中を行ったり来たりしていた。宿の周りは本当に静かなので部屋の中もしんとして、多少気不味い。温泉宿にひとりで泊まると変なところで気を遣う。食事は長野の食材をふんだんにつかった懐石料理である。長野の冷酒を飲みながらいただく。どの料理もおいしかったが、特に信州牛のすき焼きはひとりで食事をしているクセに思わず「うまッ!」と唸ってしまうほどうまかった。毎日あんな料理を食べて生きていたいが、それは夢のまた夢である。なお、ひとりでの食事には慣れているが、場を温泉宿に移すと少し寂しかった。
 食後は、宿の人が敷いてくれたふかふかの布団でひとしきりゴロゴロしてから温泉に入った。浅間温泉には割と遅くまで使える外湯もあるのだが、また外に出るのも面倒なので、ここは宿の大浴場だけにしぼってのんびりすることにした。平日だったためか他の宿泊客も少なく、大浴場も貸切りの状態で浸かることができた。食事は少しアレだったが、入浴は断然ひとりの方がいい。心の底からくつろげて、思わずハミングもしてしまうというもの。日中の歩行の疲れもすっかり癒えた(ような気がした)。この日は夜更かしせずに、明日の準備をして素直に寝た。
 翌日の天気は雨。朝の散歩もしたかったが、それは諦めておとなしく朝湯に入る。このときも浴場は貸切り状態で気持ちよかった。朝食は広間で(確か部屋出しで予約したはずだったけど・・・)、ということだったが、ひとりで広間で食事ってなにかの罰かしら?他の宿泊客のお膳もあるが、彼らはすでに食事を終えたと見えて、結局私は広間でひとりでぽつんと朝食を摂ることとなった。女中さんがひとり控えていて気不味い。まるで生きた心地がしないまま食事を済ませた。料理はもちろんおいしかったですヨ?毎日あんな料理を食べて生きていたいが、それは夢のまた夢である。
 その後はチェックアウトの時間(この日は忙しくないのでゆっくりできる)まで椅子に腰かけてお茶を飲んだり本を読んだりして過ごした。つまり“何もしなかった”のであるが、この“何もしない時間”ほど贅沢なものはないと思う。いい時間になったのでフロントで会計をする。松本駅行きのバスの時間までは旅館のロビーで待たせてもらった。温泉に泊まって何をしたのかと問われたら答えに窮するが、良質な時間を過ごせたことは確かであろう。

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  1. 2014/04/10(木) 19:32:47|
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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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