野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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「遠くとも一度は詣れ」

 休暇が終わる直前に、一泊二日の日程で長野と松本を軽く巡ってみた。長野は二日目の午後に回った。長野といわれて真っ先に思いつくのは、創建からおよそ千四百年、「遠くとも一度は詣れ」とうたわれる日本屈指の古刹・善光寺である(善光寺しか思いつかない気もするけど)。私は寺社仏閣を見るのが好きなので長野でもまず善光寺に向かったが、時間の都合上、善光寺詣でを果たしただけで私の長野旅行は終わった。
 この日の長野の天気は雨(時おり止んだりするが、平均としては雨)。最近どこかに出かけるたびに雨に見舞われているので、もしかしたら自分は雨雲にストーキングされているのかもしれないと思い始めている(んなわけない)。そのような天候かつ平日だったからか、思ったよりも観光客の姿はなくしょんぼりとしている。普段はもっと大勢の人でごった返していると思うが、私は混雑というものが苦手なので、これくらいしょんぼりしていたほうが嬉しかったりする。雨は嫌だが、こういう結果をもたらしてくれるならたまにはいいかもしれない。
 長野駅から大通りを歩いて二十分ほどで善光寺に着く。宿坊の並ぶ通りを抜ければ、目の前に仁王門がそびえ立っている。仁王門自体は珍しいものではないが、善光寺の仁王像は通常とは異なり左側に阿形が置かれてある。高村光雲と米原雲海の合作という仁王像に、まるでそこに生きているかのような肉体の躍動を感じ、その迫力に思わず圧倒された。
 仁王門をくぐると、山門までまっすぐ仲見世が続いている。浅草寺の仲見世と違って道幅が広いので歩きやすい。ふと目に入ったみそソフトクリームが気になったので食べてみる。思ったよりもみそだった。甘じょっぱくておいしいが、食べているうちに飽きてくる。長野名物のおやきなんかも売られていて食べ歩きするのも楽しそうだ(境内で食べちゃだめですよ)。
 仲見世を抜けると、山門が堂々たる風格で立っている。この山門は1750(寛延3)年に建立された日本に現存する最大の栩葺(とちぶき)建造物であり、国の重要文化財にも指定されている。山門の楼上に上ることができるので私も上ってみた。外からだと門は大きく見えたが、階段を上るとあっさりと楼上に出たので肩すかしを食らったような気分だった。そこからの景色もそれほど高さを感じない。別に屋根に上っているわけでなく、楼上に留まっていたからかもしれない。楼上には仏間があって文殊菩薩像と四天王像が安置されている。門の上にこういう立派な仏間があることに少し感動した。手すりから身を乗り出すと、「鳩字の額」と呼ばれる寺額を間近で見ることができる。「善光寺」の中に五羽の鳩の姿が隠されているとかでこう呼ばれているのだが、案内をいくら見ても「これのどこが鳩なの?」と思わずにはいられない。また「善光寺」の「善」が牛に見えなくもないという話もある。牛。そういえば境内の休憩所内に牛の像があるので頭を撫でるといいだろう。もちろん「牛に引かれて善光寺参り」の伝承がモチーフである。
 そしてついに本堂とご対面だ。山門に負けず劣らず、本堂も巨大である。堂内は薄暗くなっていてしんと静まり返っている。天井の高い内陣では、頭上で輝く来迎二十五菩薩像や妖しく佇む左右の地獄菩薩像と弥勒菩薩像に見られている気がして射すくめられたようになった。内々陣には入ることはできないが、周りから中の様子を伺うことはできる。光が遮断されている陣にある御本尊御開山仏具一式の豪華絢爛な装飾に見応えがあるが、どれがよかったというよりも、それらが合わさって、そこに創りだされている空間そのものに厳かなものがあったように感じた。やはり仏教には私の感情、あるいは細胞レベルに訴えかける何かがある。内々陣の奥にお戒壇めぐりの階段がある。お戒壇めぐりとは、簡単にいえば御本尊の安置される瑠璃壇の下にある真っ暗な回廊を歩いて途中にある極楽の錠前を探す道場である。曰く、錠前に触ることができた者は極楽浄土が約束されるらしい。参拝客が少なかったため、ひとりでゆっくりと歩くことができた。道中は真っ暗であるということは前から知っていたが、まさかあんなに真っ暗だとは思わなかった。真っ暗な場所は落ち着くが、しかしあの場所で真っ暗は恐ろしい。たしかに修行にはなりそうである。右手で探りながら歩いていくと、錠前らしきものに触れた。思わず興奮してしまい、触れるだけでなくガチャガチャした。真っ暗でよく分からなかったが、あんなにガチャガチャ動くのは錠前に違いない。これで私にも極楽浄土が約束されたわけだ。本堂を出ると、ちょうどよく鐘がつかれ、しみじみとした音を響かせる。私はここにきてよかったと思った。
 雨が強くなったので、参道に並ぶ店で少し雨宿りをすることにした。せっかく長野に来たのだからおやきは食べておきたいと思い、小川の庄おやき村という店に入った。身体が冷えていたので囲炉裏の近くに座る。客は私だけみたいだった。若い頃は美人だったと思われるおばあさん(店員さんです)に勧められるがままに卯の花おやきと野沢菜おやきを頼んで食べる。私はおやきを食べるのは、意外にもこのときが初めてだったが、こんなにもおやきがおいしいものだとは思わなかった。おやき、おいしい!いっしょに出されたそば茶もおいしい。もう一人のおばあさん(店員さんです)があれこれ世話を焼いて出してくれた大根キムチやふきのとう膳(売り物のような気がしましたが・・・)もおいしい。思わずおばあさんに「うまいです!」と報告してしまった。私はひとりだと案外無口な方なのでこういうこと(報告)はあまりしないのだが、あまりのおいしさに思わずやっちゃった。囲炉裏の傍でこんなにおいしいものを食べるなんて、まるで夢のような至福のときであった。今度長野を訪れる機会があったらまた足を運びたいと、素直に思った。小川村の本店にも行ってみたくなった。
 雨で散々になるかと思いきや、いろいろなことがあって最後には心から満足のいく旅になった。「遠くとも一度は詣れ」。この言葉はほんとうだった。

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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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