野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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動物農場

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 いや、なんというか、久しぶりにえげつない本を読んだ気がする。「動物農場」(ジョージ・オーウェル作)。この本は学校で空いた時間ができたときに読む用として持って行ったのだが、作品はそれほど長くない中編であったことと、作中の一文一文が私の集中を引き寄せるものだったため、あっと言う間に読み終わってしまった。
 ジョージ・オーウェルといったら、ディストピア文学の大傑作「1984年」で有名な(改まって有名と言うのも恥しいのだが)作家である。「1984年」の執筆を始める2年前に発表した今作「動物農場」に描かれているのは、残酷でグロテスクな動物たちのディストピアである。
 話のあらすじとしてはこうである。場所はイングランドのとある農園。人間たちによって過酷な労働を強いられてきた農園の動物たちは、ある日一念発起して農園主を追放した。そして彼らは、人間たちの支配から解放された、いわば“動物の動物による動物のための農場”を創り上げるために奮闘をしていく・・・。あらすじだけを見れば、一見微笑ましい小説に思えなくもないが、途中から雲行きがアヤしくなり、最後の方には、支配管理統制格差過酷な労働情報の隠蔽歴史の捏造欺瞞反抗者の粛清貧困見せかけの理想言論の弾圧愚民政策恐怖政治が氾濫する、完全なるディストピアができあがっているのである。つまりこの作品は地獄郷完成までの道のりを辿る物語であり、中盤から結末に至るまで、えげつない場面がひたすら続くのである。
 物語に登場するのは馬、牛、豚、羊、にわとりなどの動物たち(人間も数人出てくるが、引きたて役に過ぎない)。動物たちは人間ほどの知能がないと私たちは考えているので、人間社会が舞台となるディストピア小説を読むときより、なんとなくひどい仕打ちの場面でも、動物は愚かで鈍感だというイメージからか、いくらかコミカルにも見え、精神的なダメージも和らぐ・・・はずなのだが、確かにこの作品に出てくる動物たちは一部を除けば知性に欠けるものばかりだが、だからこそより純粋なのであり、そんな純粋な彼らがとんでもない仕打ちを受けている描写は、後味の悪い、鈍い痛みを心に与える。
 また、出てくるのは動物ばかりであるというのが、悪趣味で気味の悪い印象を抱かせる。もしこの物語が大体の筋書きは同じくして、舞台を人間社会だというふうに変えてみたとしても、大した感想はもたないだろう。作中の出来事はすべて動物たちが引き起こしたものだからこそ、その場面を想像して、背筋が薄ら寒くなるような気分になってしまうのだ。またこの小説では、多くの動物の中でも、豚がキーとなるのだが、物語の鍵を握るのが豚というところに、類稀なるセンスのよさを感じるのだ。これは豚でなくてはいけないのだ。牛や馬ではダメなのだ。この役ができるのは豚しかいない。豚だからこそ、この作品により一層の悲惨さやグロテスクな味が出るのである。
 「動物農場」は題名の通り、動物たちの世界を舞台としているが、それを通して描いているのは、明らかに私たち人間が創った社会である。またこの作品には「おとぎ話」という副題がつけられているが、オーウェルの創りだしたこの寓話を「寓話である。」と自信を持って言える人は果たして何人いるだろうか。この一冊を読んで「豚は誰なのか?」を考えてみる夜もあっていい。










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シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
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Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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