野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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俺の Disney's Best of Best [映画篇]

 ディズニー映画の大きな魅力の一つは、作品を彩る素晴らしい音楽だと思う。1928年公開の、世界初のトーキー・アニメーション映画「蒸気船ウィリー」の時代から、ウォルト・ディズニーは音楽にはより一層こだわり、それにより今も色褪せない名曲が数多く生まれた。シャーマン兄弟、アラン・メンケン、ランディ・ニューマンなどが創りだしたディズニー音楽は、たとえ映画を観ていなくても、聴く人の心に残り続けるだろう。
 ディズニー音楽はそれだけ魅力的であるからか、何かの節目ごとに、ディズニー音楽の名曲を集めたベスト盤がよく発売される。出版社が独断でセレクトしたものもあれば、ディズニーファンからのアンケート結果をもとにして選曲したものもある。これまでにも多くのベストCDが発売され、私はその度ごとにその実物および音源を手に入れた。だが、CDに収録されている曲のラインナップを眺めていると、ふと、ある疑問が湧いてくる。
 これがホントに“ベスト”なのか?
 疑いようもなく「A Whole New World」は名曲だ。また「Beauty And The Beast」ほど美しい歌もない。他の曲もいつまでも燦然と輝く音楽ばかりだ。だがしかし、そんな素晴らしい歌が集められているというのに、どうもベスト盤は物足りなく感じてしまう。理由は簡単で、はっきり言ってデキレースなのだ、こういうのは。今のうちに断言しておくが、今度ベストが発売されるなら、絶対に「Frozen」の「Let It Go」が収録されるだろう。こういったCDでは選曲はいつもとあまり変わりばえのしないものになることがほとんどだ。“ベスト”というのは、多くの人向けの“ベスト”なので、名曲として認知度の高い定番の数曲が選ばれて当然なのだ。
 だったら自分にとっての“ベスト”は何だろう?ディズニー音楽に親しんで十数年の、日本に住むとあるひとりのディズニーファンにとっての“ベスト”はどのようになるのだろう?そんなことを思った。
 というわけで今回は、私が考えるディズニーベスト12曲を紹介していこうと思う。今回はあくまでも映画音楽、かつインストゥルメンタルも含めると途方もないので、歌に限定して考えた。また、ディズニーランドなどのパークミュージックについては、違う機会にベストを紹介してみようと思っている。



1.Poor Unfortunate Souls 哀れな人々
 そもそも私はヴィランズの歌が大好きなわけだ。ディズニーの悪役は洗練されていて実にかっこいい。物語では最後にはやっつけられてしまうが、全編を通じてストーリーを支配しているのは彼らだと言ってもいい。まさに絶対的な存在だ。そんなヴィランズが歌い踊る映画がいくつかあるが、この歌というのがまた名曲揃いなのである。「ライオンキング」の「Be Prepared」もセクシーでいいが、私が一番愛しているのは「リトル・マーメイド」のこの歌。ディズニー音楽の中で考えてもこの曲は上位に入る。海の魔女・アースラが主人公・アリエルに取引きを持ちかけるシーンで歌い上げられるソウルなのだが、序盤の神妙な雰囲気から、静かでねちっこい緊張感を漂わせながら、次第に気持ちを高ぶらせ、終盤には圧倒的な歌声で畳みかける。悪のしたたかさと強大な力、そして胡散臭さを兼ね備えた名曲だ。パークでは、ディズニーシーのマーメイドラグーン・シアターで上演され、惜しまれながらもクローズした「アンダー・ザ・シー」で巨大なアースラが登場し、ショートアレンジされた(またこのアレンジがかっこいい)この歌を歌っていたし、「ファンタズミック!」でも使われている。
 

2.Pink Elephants On Parade ピンクの象の行進
 世間一般的なディズニーらしさ溢れる歌ももちろん嫌いではないが、私はヴィランズソングが好きなように、むしろ“ディズニーのダークサイド”とでも言えそうなものの方が気に入ることが多いと思う。最近はイメージを重視して抑え気味であるが、初期のディズニー作品は、子供が泣いて恐ろしがるようなシーンがちらほらと散りばめられていた。そしてこの歌のシーンでも、全編ほのぼのとして可愛らしい「ダンボ」作中、そしてディズニー史でも類を見ないほどに、キチガイじみた、まるで悪夢のような世界が展開される。だが、こういう悪趣味な世界観、私は好きだ。曲自体もよく聴くと結構かっこいいことに気づくだろう。カリフォルニアの「ファンタズミック!」ではこの歌のロック・アレンジが使用されているが、これが最高にカッコイイので一聴の価値がある。東京ディズニーランド15周年アニバーサリーの「ビバ・マジック!」でもこの場面をモチーフにされているし、最近だと人気のプロジェクションマッピング「ワンス・アポン・ア・タイム」でこのシーンで出てくるみたいだ。これは私はまだ観ていないので、生で観れる日を楽しみにしている。また、Youtubeにはメタル・カバーされたのもあるのだが、これまたクソかっこいい。


3.A-E-I-O-U (The Caterpillar Song) ア・エ・イ・オ・ウ (イモムシのうた)
 すみません、これも個人的な趣味です。1951年の「不思議の国のアリス」は、現在グッズのモチーフやショーの題材として人気だが、意外にも曲のよさはあまり注目されていないのでこれが不思議なところ。もしかして映画自体観たことない人が多いんじゃ・・・・?作品自体が結構サイケデリックなため、「In A World Of My Own 」や「All In The Golden Afternoon」などの数少ない例を除くと、音楽も割と薄気味悪く胡散臭いものに仕上がっているが、だからこそ好きになるということもある。インストだと作品終盤の「March Of The Cards 」がそのシーンの凄さも相まって好きだが、歌だとすると、やはりコレを取り上げずにはいられない。単純で短い歌だが、そのエキゾチックなメロディは一度聴いたら忘れられない。東京ディズニーランドの「ディズニー・オン・パレード~100イヤーズ・オブ・マジック」のアリスのフロートでこの曲が使われているのが嬉しかった。初代「ワン・マンズ・ドリーム」はちょっとトホホな感じだが・・・・。


4.Casey Junior ケイシー・ジュニア
 「リラクタント・ドラゴン」「ダンボ」(ともに1941年公開)に登場する蒸気機関車ケイシー・ジュニアのテーマ曲で、「ダンボ」の冒頭で聴くことができる。この曲は一番最初のファンファーレ~イントロが最高。何度聴いても痺れるかっこよさだ。また、この曲を聴くと、私が最も愛しているアトラクション「ミッキーマウス・レビュー」を思い出してしまう。終演後に流れるが、そえを聴く度に「よーし、もうひと遊びするぞー」という気持ちになれるのである。なお、ケイシー・ジュニアの「ケイシー」とは誰かというと、ケイシー・ジョーンズという実在した機関士のことだと考えられる。


5.Ev'rybody Wants To Be A Cat みんな猫になりたいのさ
 何も知らずに聴いたら、誰もディズニーアニメの曲だとは思わないんじゃないかな。良質なジャズだ。1970年公開の、制作には携わってないもののウォルト・ディズニー御大が最後に企画にゴーを出した作品「おしゃれキャット」の挿入歌の一つだ。トーマス・オマリー役には「ジャングル・ブック」のバルー役でおなじみのフィル・ハリス。スキャット・キャット役は“サッチモ”ことルイ・アームストロングがキャスティングの候補に挙がっていたが、最後にはスキャットマン・クローザースに決まっている。サッチモの声質はネコにしてはドスが効きすぎていると思うので、この選択でよかったんじゃないかなと私は考えているが、皆さんはどう思いますか?


6.Bella Notte ベラ・ノッテ
 少しベタな選曲になってしまったが、この歌はアニメ史に残る美しさなのだから仕方がない。「わんわん物語」(1955年)は、私は個人的にはあまり好きな作品ではない(だってレディがかわいそう・・・・)のだが、しかし挿入歌の一つであるこの曲は数あるディズニーソングの中でもお気に入りなのである。トランプ兄貴の行きつけのイタリアン・レストランの主人トニーと従業員ジョーがアコーディオンとマンドリンで、レディとトランプ二匹の「美しい夜」を歌いあげる。ミートボール・スパゲティ(うまそう!)をお互いにたどって最後にはキスしてしまう二匹の様子は、ディズニー・アニメーション屈指の名場面である。これほどまでにロマンティックなシーンもない。


7.On The Front Porch 
 少しマイナーな曲を取り上げてしまいました。1963年の「夏の魔術」の挿入歌なのだが、この作品、日本ではまったく認知されていない。かくいう私も、一度も観たことがない映画だったりする。「Classic Disney Volume II」というCDに収録されており、これを通じて知ることになったのだが、初めて聴いた時、私に電撃が走った。この曲好みすぎる・・・・!そして色々と調べて、この歌が「夏の魔術」の挿入歌であることが分かったのだ。20世紀初頭のアメリカの田舎町が舞台ということで、実に古き良きといった感じ。静かな夜に、ひとりで聴くと落ち着いてくる。何気にシャーマン兄弟の作ということでも、埋もれてほしくない映画に思える。


8.I Won't Say (I'm In Love)  恋してるなんて言えない
 「ヘラクレス」(1997年)ってどうなんだろう?モチーフがギリシャ神話ということだったが、原作無視でなんともアメリカンなミュージカルになり、その界隈の人達が糾弾したとかしないとか。私は神話には特に思い入れも何もないので、気軽に楽しんで観れますけど。こういうとき日本人でよかったと思う。さて、この作品、音楽は何気にアラン・メンケンが担当しており、流石としか言いようがない仕事っぷりを見せつけている。マイケル・ボルトンが歌う主題歌「Go The Distance」も最高に勇気づけられる名曲なのだが、今回はヒロイン・メガラが歌うこの曲を紹介したい。メガラはこれまでのディズニー伝統の小動物と会話できるような清純で透明感のあるヒロイン像とは全く違う、むしろ何か恋愛関係でハデスに弱みを握られている(というか自殺した系ですか・・・・?)という、どちらかというとより現代的な女性だ。そんな彼女が、ハデスに命じられて誘惑しているヘラクレスに本当に恋に落ちちゃった?、という歌だ。コーラスのミューズ達が盛り上げる雰囲気も、歌っているメガラの表情もいい感じ。隠れた名曲である。ちなみに、日本語吹き替え版ではメガラは工藤静香が演じているが、結構声合ってますよね?


9.The Bells Of Notre Dame ノートルダムの鐘
 これまたどうなんだろう?な作品、「ノートルダムの鐘」(1996年)のオープニング曲。作品としては全然好きではない(どこか観るのに覚悟がいる)のだが、アラン・メンケンが紡いだこの歌、そしてオープニングはディズニーアニメーションの最高傑作という声もあるほど。まあ私がひとりで言っているだけかもしれないけどね。聖歌隊のコーラスをバックに、物語のプロローグを狂言回しであるクロパンが歌い語っていくのだが、緊張感が途切れず、観る者聴く者を一気に物語の世界に集中をさせる。曲終盤は何度聴いても鳥肌が立つ。本当に凄まじくドラマチックな曲である。


10.The Second Star To The Right 右から二番目の星
 さあ、残り3曲、畳みかけていきますよー。「ピーター・パン」(1953年)のオープニング「The Second Star To The Right」。この作品のテーマにはどうやら“童心”というものがありそうだが、子供のキラキラ輝いた眼や、期待に満ち溢れた心を思わせるような、綺麗な歌である。どこか懐かしく、聴く度いつも私の瞼の裏を熱くさせるのだ。「ピーター・パン2/ネバーランドの秘密」(2002年)でもこの曲のアレンジが使われており、流石ディズニーわかってるなぁ~!と感激した憶えがある。


11.Feed The Birds (Tuppence A Bag) 2ペンスを鳩に
 ディズニーファンであれば知らない者のいない名曲中の名曲。ウォルト・ディズニーの大傑作「メリー・ポピンズ」(1964年)作中では、シャーマン兄弟が生み出した多くの名曲(というか全部名曲)を聴くことができる。アカデミー歌曲賞を獲得した主題歌「Chim Chim Cher-ee」や奇妙奇天烈なショーストッパー「Supercalifragilisticexpialidocious」、誰もが羨む魔法の力「A Spoonful Of Suger」などは今も多くの人に愛されているが、その中でこの「Feed The Birds (Tuppence A Bag)」は世間の認知度としては比較的影の薄い曲かもしれないが、ウォルト・ディズニー御大がおそらく生涯で最も愛した曲と言うことができるかもしれない。御大とシャーマン兄弟の金曜日のエピソードはもう誰もが知っていることと思うので、ここでは言及はしないが、この曲に歌われる慈愛の心こそ、ディズニー作品から共通して感じられる“よくわからないやさしさ”の正体なのかもしれないと、今は考えている。


12.When You Wish Upon A Star 星に願いを
 やっぱりこの曲はどうしても外すことができなかった。ディズニー史、アニメ史、映画史、そして人類史に残る名曲と言ってもいいだろう。今さら私が言うまでもないのだが、この歌はそのままディズニーのスピリットを歌っている。最近方向性がよりがめつくなっているが、ディズニーの思う“夢”や“願い”というものは夜空に輝く星にそっと打ち明けるように、本来はもっと慎ましいものではなかったかと思う。様々な機会で、色々なアーティストがこの曲をカバーしてきたが、私はやっぱりやさしくてあったかい風合いのオリジナル版が一番好きだ。



 「Part Of Your World」は?「Circle Of Life」は?と思う人もいるかもしれないが、以上が、私のディズニーベスト[映画篇]になる。12曲選んだが、絶対に外せない曲は数曲あったものの、選考はかなり難航した。自分が所有するCDや音源を聴き返したり、Youtubeなども閲覧してみたが、改めてディズニーの音楽の魅力を確認できたんじゃないかなと思う。日本で「ディズニー」と言うと、パークの方を思い浮かべる人が多くなると思うが、是非とも、そのパークの土台となっている映画、そしてそれを彩る音楽の方にも興味を持つ人が増えてくれればうれしいなと、とあるひとりのディズニーファンは考えているわけである。









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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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