野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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三鷹独歩記(みたかひとりあるき)

 一趣味である洋館巡りを兼ねて、中央線に乗り三鷹を訪れた。ジブリ美術館が所在することで広く知られているが、私にとっては太宰治が住んでいたということから、彼のゆかりの地としての印象の方が強い。今回は時間の都合で叶わなかったが、「三鷹太宰ツアー」と称して文学サロンやあの跨線橋を回ってみたく思う。
 この日の目的は、静かな三鷹の街に佇む山本有三記念館である。山本有三は大正から昭和の文豪で「路傍の石」などが代表作として挙げられるだろうか。三鷹市の彼の旧邸は、現在遺品やゆかりの品を展示する記念館となっている。洋館は駅から玉川上水に沿って、「風の散歩道」を通って数分のところに建っている。レンガ風のタイルや石造りが、花が咲き木が生い茂る庭の自然の色に溶け込んでいながら、鮮やかなブルーの屋根やえんじのラインが程よいアクセントとなり、周囲の景観と館全体のバランスなど、調和が乱れることはない。三角屋根や三本の煙突はまるでおとぎ話に出てくる家のようである。テラスのある南側は比較的左右対称に見える(もちろん実際は非対称である)が、入口を設ける建物正面は、ありえない形の屋根や、ゴツイ煙突下部などが重なり、複雑なレイヤーを形成している。
 館内は先述の通り記念館となっているが、こういう施設には珍しく、建物内は展示品含めて写真撮影が禁止されていない(フラッシュ撮影は禁止)。記念館用にいくらか手は加えられているが、暖炉や応接室など、住宅だった頃の面影もうっすら残っている。重厚で落ち着いた雰囲気にまとまっている。二階には山本の書斎が残っている。こちらは竹や自然木などが用いられた和室となっている。また、展示品として彼愛用の着物が保存されている。彼はおおきな呉服商に生まれ、着物には一層のこだわりがあったのだそうだ。洋館に造られた和風の書斎、そしてこの館に住む着物を羽織った文士。その時代ならではの和洋折衷のロマンの香りに胸がドキドキした。私の夢みる暮らしは大体こんな感じなのである。
 記念館を出たが、予定を考えるとそろそろ都心部に戻り始めた方がよさそうな頃合いである。帰路は近くの井の頭公園を歩き、吉祥寺から戻るルートに決めた。井の頭公園と聞いて何を思い浮かべるかは人それぞれだろうが、池に浮かぶボートを考えるのがもしかしたら大半なのかもしれない。「イノカシラ」つながりで「孤独のグルメ」を思い出す人もいくらかはいるかもしれない。あのマンガでもコゴローが都内の公園で憩うエピソードがあったが、あれは井の頭公園ではなく石神井公園での話である。しかしここでもあの話しにあったような食堂が「おでん」を掲げていて、違うとは分かっていても作品の中に入り込んだような錯覚を覚えた。そういえば昨日、東京在住の親戚と日本橋三越本店を冷やかしに行って屋上に上がった時、そこに花屋があって『これ「孤独のグルメ」だよな。』と思ったが、私が考えているエピソードは池袋のデパートが舞台である。今回の東京滞在ではこのような“似非「孤独のグルメ」体験”をすることがしばしばあった。
 閑話休題。私は井の頭公園を、それまで一度も訪れたことがないにしても、どことなく“文学的な”場所だと思っていた。多くの文人が住んでいた街にある安らぎの場、太宰や野口雨情などの文豪が通った公園。作品の舞台になったならないの事実でなくとも、どこか“文学的な”雰囲気を纏っているように見えたのだ。
 また、ここは私の愛する小山清の「犬の生活」に登場しているのがとても大きい。この中に出てくる野口雨情の歌碑や七井橋、池畔のベンチに、はたまた犬を散歩させている人々たちと、この小説を連想させるものを眺めながら歩いていると、ついに感慨の浅からぬものがあった。
 井の頭公園は広い土地を有つ公園である。ランニングに励んだり子供を連れ遊んでいる住民を見て、とても羨ましくなった。また、私ほど男振りの劣る者もいないが、それでもこういう公園にいれば、周囲に溶け込みそこの風景の一部になることができる。ひょっとすると、少しは絵になる姿になれるかもしれない。それが私の、公園が好きなところであり、最新のショッピング・モールは決して持ち得ない魅力である。なんてことを、ソフトクリームを食べ歩きながら思ったのだった。


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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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