野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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SL銀河―どこか遠くへ




 今年の四月からJR釜石線で運転をしているSL銀河。その存在を知った一月からずっとこの蒸気機関車の旅を夢み続け、以前の赤面レポートに記憶した通り、紆余曲折の末にSLの切符を手に入れることが叶い、先の暑中休暇の間に念願の乗車を果たしてきた。
 SL銀河の運転は土日や休日を含む二日間を一単位として、一日目に花巻から釜石の下り列車が、二日目に釜石から花巻の上り列車が走る形になる。今回私は二日目の上り列車に乗車することになっていた。実を言えば、宮沢賢治ゆかりの地・花巻から乗り込む方がよかったのだが、その日は団体が座っているとかで、切符を手に入れることができなかった。新幹線などの便やツアー旅行の存在から、下り線の方が人気が高くなる傾向にあるみたいである。また、指定席の販売状況(釜石線の主要駅で見れる)を見てみると、上り下りともに花巻―遠野間に人気が集中するみたいだった。私は始発から終着まで揺られていたい派だが、ただSLに乗れればいいのなら、確かに列車ダイヤ的に花巻―遠野の都合がよくなる。
 乗車当日。事前に宿泊していた遠野から鈍行に乗ってひとまず釜石へ。前日には花巻から遠野までの列車にも乗っていたため、SL乗車以前に運行ルートを見てしまったことになる。釜石に着いてみると、すでにSLはホームに停まっていたので、少し肩透かしを食らったような気持ちになった。しかし一方で、人が集まる前にゆっくり機関車を見たり、写真を撮ったりする時間ができるので、嬉しかったりもした。武骨な機関車も見応えがあるが、この列車で注目なのはむしろ四つの客車のデザインだろう。「スーパーこまち」を手掛けた奥山清行氏によるデザインだが、モチーフはもちろん宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」である。一号車から四号車につれて、鮮やかなブルーから重厚なネイビーへと、車体の色がグラデーションしているのが心にくい。これは夜明けを連想しているのだという。また、はくちょう座やさそり座など、作中に登場する星座をはじめ、鷺やいるか、リンゴなど、物語中にちらっとしか書かれていないものまで描かれていたりしている。結構原作に準拠しているんだな、と生意気なことを思ってしまった。出発までホームにいてもよかったのだが、八月の暑い日である。午前から気温が上がって、直射日光も強かったため、今後のことも考えて、しばらくは駅の待合所で涼んでいることにした。釜石駅の周りには面白そうな場所が少しもないので、一時間でも何時間でも待合にいるのが正解なのである。しばらくすると駅に集まってくる乗客らしき人たち。案の定団体はいないみたいだった。経験上、旅先で最も煩く、最も旅心を削ぐのは団体のツアー客だと理解している。そこを行くと、個人や家族連ればかりなのは安心である。しばらくして改札が始まる。その際に乗車記念のオリジナルしおりが手渡されるが、これ無料(タダ)でもらっていいの!?と思ってしまうくらいよく出来ている。そして出発まで再び撮影に興じる。今度は周りに人がいるので、頼んで自分とSLとのツーショットを撮ってもらっちゃったりなんだりした。ひとり旅で、人に頼んで自分の写真を撮ってもらうのには、もう慣れました。
 車内は宮沢賢治が生きた大正~昭和の世界を表現しているらしいが、あたたかなレッドの座席や、木材をふんだんに使ったインテリアは、「銀河鉄道の夜」原作のイメージにぴったりである。ガス灯風の照明や星座のステンドグラスも幻想的な旅によく似合う。また社内の要所要所に賢治に関連した展示があり、彼の足跡、世界を学ぶことができる。何から何まで賢治づくしで、その徹底した統一には脱帽である。極めつけは一号車に創られたプラネタリウムである。内容はやはり「銀河鉄道~」の一場面を再現したもの。これを鑑賞するには、プラネタリウム周辺で常時配布されている整理券が必要なのだが、このことを知らずに最後までプラネタリウムを観ることができなかった乗客もいたので、このアナウンス方法には一考の余地があるだろう。なお、プラネタリウムの映像には“向き”があり、私が座ったところだとちょうど真逆の方向となるので、正しい“向き”で観るべく、ずっと首を曲げていたので、疲れた。部屋に入って、すぐ右手の椅子に座ればいちばんよかったのだと思う。
 さて、ついに出発である。車内で販売されている遠野名品のズモナビールを飲みながら、出発の汽笛を聴くという贅沢を味わう。座席は窓際でこそなかったが、進行方向を向いていて、車窓の流れはスムーズ。座席はブロック式で、ほとんどのブロックは乗客で埋まっていた。ちなみに私の属したブロックには、18 kipperのおっさんと、北海道&東日本パス(超お得な切符!)持ちのおっさんと、なぜか他の号車に家族がいてほとんどそっちにいたおっさんが座っていた。なぜか他の号車に家族がいてほとんどそっちにいたおっさんが、進行方向窓際の座席の持ち主だったのだが、なんやかんやで結局私がその窓際に座ることとなった。ラッキー♪なお、同ブロックのおっさんたちとは、例のビールがどこで売っているとか、プラネタリウムの鑑賞方法、車窓の風景についての情報交換をした程度で、対して会話は弾まなかった。でも、それぞれがそれぞれの旅に生きていたので、決して気不味くはなかったと思う。
 列車の旅の醍醐味の大きなところを占めるのは、車窓から見える風景であろうが、私は一度走行ルートを走ってきているし、そもそも見えるのが山や農村風景で、これはあまり私の故郷の風景と変わらない・・・・。だが、目を見張る光景こそないが、この刺激の少ない車窓景は、『私はいま、イーハトブで鉄道に乗っているのですね。』と、どこか遠いとこに来たような思いを招き、十分に旅心を満たすものであった。またSLとなると、外からこちらに手を振ってくれる住人の存在が嬉しいが、以前乗車したSLばんえつ物語の場合と比べると、岩手の人たちは少しSLに対して冷めてはいないか?まあ、シカのいるような(実際にいる)森や農地、山地など、そもそも人のあまり住んでいないところを走るので、仕方ないか。だが、主要な駅での出迎え見送りの歓迎っぷりや、自動車でSLに並行して走り手を振ってくる人たちがいたりして、思わずこちらも笑顔で手を振り返してしまう。私はこの体験こそSLの旅の面白みでないかと思っている。そういえば、夏の暑い日にも関わらず、熱心な撮り鉄もたくさんいたが、撮影スポットで有名な宮守のめがね橋は、車内からは全く視認できないのであしからず。
 途中に遠野で一時間の停車をしながら、約四時間の旅は終点の花巻で終わりを告げる。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に思いを馳せて辿ったこの旅は、あっと言う間の出来事のようではあったが、それでいて時間を超えた大切なものを手に入れることができた気がする。


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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
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Work:堕医学生
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