野良犬の生活

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劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター [エルサレム・バージョン]」新潟公演感想レポート




 「キャッツ」「オペラ座の怪人」の作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー、そして「ライオンキング」の作詞家ティム・ライス。彼らの出世作こそ、「ジーザス・クライスト=スーパースター(以下『JCS』)」である。ジーザス最後の七日間を歌いあげたこの衝撃作は、ロック・ミュージカルの原点にして今も燦然と頂点に輝き続けている。演出・浅利慶太、美術・故金森馨による劇団四季版「JCS」は、すでに公演回数千四百に達し、「劇団四季ミュージカルの原点」などと呼ばれている。その四季版「JCS」が現在、数年ぶりの全国巡業を行っており、私の住む新潟無機終焉都市にもやってきたので、ミュージカル好きのクラスメイトを伴って劇場に出かけた。
 海外での「JCS」は、舞台は煌びやかに飾り付けられ、どこかお茶らけたものになることが多いのだが、ここ日本の四季版では、舞台として草木一つないエルサレムの荒野だけが創られている。基本的に小道具も必要最低限が用意されており、衣装も土臭く、地味である。大がかりな舞台装置は、演劇の演出として欠かせないものであったり、それ自体が一つの見どころとなることもあるが、この四季版「JCS」はそのような、いわゆる「ケレン味」とも捉えられそうな要素を一切取り払い、演技、音楽、歌、振付、照明のみで物語を表現することを試みている。この“引き算の演出”は、物語、そして劇場に異様な緊張感をもたらす。
 公演時間一時間四十五分と、他のミュージカルと比べて短くなっているが、全編歌のみの構成と、例の“引き算の演出”の効果もあって、観客は舞台にグゥーっと引き込まれて離れられなくなる(よほど芸術鑑賞の素養のない人じゃない限り)ので、いたずらに時間を延ばされるよりも、このくらいのほうが丁度いいのかもしれない。
 「JCS」は“ロック・オペラ”と称される。ジーザスの人知れぬ苦悩、ユダの葛藤を、A・L=ウェバーは数ある音楽のジャンルの中からロックを選んで表現したのである。今ではギターとドラムさえあればロックとみなされ、清潔な“優等生の音楽”になりつつあるが、「JCS」発表当時(1970年代)はおそらくロックというものは若者たちの熱狂を集め、昂ぶる感情をぶつける音楽表現として君臨していたはずである。ジーザスらが登場する古典的な“宗教モノ”の物語を、ジーザスを「ただの男」とみなし、若者の音楽・ロックで表現していたからこそ、この「JCS」は大きなセンセーションを巻き起こし、社会現象を引き起こすまでになったのであろう。とはいえ、全編がロックというわけではなく、クラシック調の歌もあれば、ラグタイムに聴こえる名曲「ヘロデ王の歌」もあるので、作曲家A・L=ウェバーのレパートリーの多さを実感することができる。クライマックスの「ス-パースター」はやはりミュージカル史に残る名曲である。(ひとり)カラオケで毎回歌っちゃうんだよな。
 ストーリーは、ジーザス最後の七日間として、ジーザスが自らを「神の子」と称し、群衆に崇められるところから、ユダの裏切りによって一気に十字架に張りつけられるまでを描いている。物語としては第一曲目の「彼らの心は天国に」の時点で半分は終わっていて、あとはどこまでもジーザスは転落していく一方なのである。圧政と頽廃の最中、自らを「神の子」に仕立てあげてしまったジーザスの苦悩、ジーザスを救おうとするも一向に聞き入れてもらえずに裏切りをしてしまうユダの葛藤、自分だけはジーザスの心の安らぎであろうとするマリアの心情に気がとられがちだが、私は“もう一つの主役”と呼ばれる群衆たちの心の動きが何よりも気になった。混乱の中でジーザスに「救世主」を見出し讃え崇める姿、ジーザスに施しと治療を生々しく求める姿、そしてジーザスの逮捕で一転し、彼に石を投げつけ強く糾弾姿する姿、これが同じ人々の姿なのだろうかと思うほどに、群衆は煽動されやすいのである。「ピラトの裁判と鞭打ちの刑」では、かつて全面的に讃える対照であったジーザスが鞭打たれるのを、嘲るように笑って見ているのである。そのあまりもの態度の変化を見て、背筋が薄ら寒くなるのを感じずにはいられない。
 今回のキャストを見てみると、注目はやはりユダ役の芝清道さんだろうか。四季の中心となるベテラン俳優である。思ったよりもスマートな体格に見えたが、あの声量と歌い方は、なるほど芝清道さんであるに違いなかった。ジーザス役の神永東吾さんは、端正なマスクとファルセットで、ジーザスはなかなかハマり役なのではないだろうか。また、劇場のキャスト表を見るまで完全にノーマークだったのだが、ヘロデ王役が、あのレジェンド・下村尊則さんというね。まさか今も演じているとは思っていなかった。意図せずレジェンドとの対面を果たし、かなり得した気分になった。
 音楽、演出、照明、演技。総合的に見て、この「JCS」四季版は、割と私好みな作品であったが、惜しむらくは、音響があまり効いていなかったことだ。どこか音楽も歌も、ボリュームが小さく感じるのだ。これは全国公演仕様ということなのだろうか。しかし、以前の「ソング&ダンス 60 感謝の花束」の時は音響が気になることはなかったので、もしかしたら「JCS」だからあえてこのように地声のように聴こえる音響にしているのかも・・・・、などと思ったりしたのだが、せっかくコンサートホールで演るのだから、これでもかと言わんばかりに、魂の歌で私たちを包み囲んでほしかったところだ。










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シバケン-いかれたNeet-

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