野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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さかた湊町チャリ紀行・一日目

 先の夏期休暇の最中に、泊りがけで山形県の酒田市に出向く用事があった。その用事は丸々二日間を要するものであったが、それを挟む前後の二日、つまり酒田に前乗りした日と、新潟無機終焉都市に戻る日にそれぞれ半日ほどの自由時間ができたので、せっかくなので酒田の町を色々と見て回ることにした。
 観光列車に乗って酒田に前乗りした日、到着は正午過ぎであった。夏らしいカラッと晴れた天候である。なんとかの一つ憶えではないが、今回の旅でも私はレンタサイクルを利用しようと考えていた。酒田市では観光用自転車を無料で貸し出していて、その貸出場所も市内に点在しており、そして自転車の返却は貸出場所ならばどこでもよく、別に借りたところでなくてもいいことになっているのだ。これは便利なサービスである。しかも私の宿舎も貸出を行っているので、なおさら都合がよく、こうなっては利用しない手はなかった。
 早速、酒田駅の観光案内所に尋ねてみると、“ボランティア風”(他の都市の案内所ではかっちりと“職員風”だったのに比べてあまりにも“ボランティア風”)のおばちゃんが人を見下したような態度で曰く、「もうここ(駅)にあるのは全部出てしまった」とのこと。おやおや、なんかいきなり雲行きが怪しくなってきたぞ。ならばと、他の貸出場所、特に駅に最寄りのホテルなどではどうなのかと聞いてみると、“ボランティア風”のおばちゃんはやはり人を見下したような態度で、そこももうないかもと、なんとも無慈悲な返答をする。ちょっとまて。果たしてそうだろうか?駅ならまだしも、本当に他の場所にも自転車はないのだろうか?バスで主要観光地への行き方を教えてくれているおばちゃんの話を、適当に相槌を打ち聞き流しながら、とりあえず近くのホテルに行こうと思った。ホテルに行ってみると、ある。あった、自転車たくさん。はん、ざまあみろ。
 酒田の町の地図は先程もらっていたし、観光自転車のカゴにもマップが備え付けられているのだが、なぜか酒田は一向に土地勘がつかめなくて困った。私は地図の読めないタイプではないし、むしろ得意な方だと言ってもいい。初めての町でも、地図さえあれば自由に動けると自負している。のに、どうしても酒田の町には慣れるのに時間がかかり、目的地までの道を憶えることもできずに、何度も地図を読み返しながら巡っていた。なお、酒田の道は結構せまくて危ないし、坂もあったりするので、お世辞にも快適なチャリ路とは言えなかった。
 私は旅先では有名な観光地よりも、自分の趣味に合う場所を優先して回る傾きがあるので、酒田に来て第一に訪れたのは山居倉庫でも本間家旧本邸でもなく、光丘(こうきゅう)文庫という図書館であった。駅から相馬樓を右手に見やり、舞娘坂を走って正面の小高い山に佇むこの図書館は、酒田の豪商・本間家に関係のある施設で、三代当主光丘(みつおか)の奨学の意志を継いだ八代光弥が設立し、大正十四年に竣工した建物である。当時としては進歩的な鉄筋コンクリート造りで、耐火・耐震性に優れ、今も大正当時の姿を保ち続けているのだ。どこかオリエンタルな雰囲気漂う社殿造りの建造物だが、高台の森にひっそりと建っている姿は、少し薄気味悪い。歴史的な建築だが、今も図書館として現役であり、館内には多くの展示、蔵書を閲覧することができる。とはいえ、私は建築目当てにここに足を運んだので、あまり資料には興味はなかったのだが・・・・。しかし、自分の他に誰もいない図書館にいるのは、悪い気がしない。
 せっかくだから、この辺りの名所を巡ってみようと思い、すぐそばの酒田大仏に向かった。私はデカいものを見るのが好きだ。幸い酒田大仏がある持地院はすぐに見つかったが、境内までは幼稚園を通るかたちになっていて、少し戸惑う。大仏はどこにあるのか探してみたが、案内に従って進むと、今度は幼稚園の運動場に出てしまう。こんなところに大仏があるはずがないと、一度引き返したが、住民たちが次々とお供えの花を手にして運動場の方に歩いて行くのが見えたので、まさかと思いながら再び運動場の奥まで行ってみると、そのまさか、幼稚園を見下ろすように、大きな大仏様が立っていた。なんだこの光景は。偶然にこの日は何かお祭りをやっていたみたいで、住民が絶えまなく訪れては大仏様に花を供えて拝んでいく。酒田市民の信仰を見た気がした。お供えの花は用意できなかったが、私も彼らに倣って心をこめて拝む。
 日和山公園方面にチャリを走らせて、今度は海向寺を訪れた。映画「おくりびと」に登場するNKエージェントを通りの向かいに見て建つ海向寺は、庄内地方にある六体の即身仏のうちの二体・忠海上人と円海上人を祀っている。私は宗教人ではないので、即身仏についての詳しい説明は省くが、簡単に言うと、つまりはミイラである。その即身仏が同じ場所に二体祀られているというのは、全国的に考えても極めて珍しい。大願成就の為に、一千日の厳しい修行を経て即身仏となった二人の上人に実際に対面を果たすと、宗教人ではないにしろ、何か心に沁み伝わるものがある。新潟県の西生寺には日本最古と呼ばれる即身仏弘智法院が祀られており、以前そこで対面した時に同じような感覚を覚えた。またここ海向寺は弘法大師空海が開いたと言われ、故に大日如来を御本尊としているが、これは私の干支(未年)の御本尊と同じであるため、そういう縁もあっていつもより心なしか熱心に拝んだ気がする。お堂にひとりで即身仏といる時間は、実際の時間の経過や目的を超えてそこにあったように感じる。
 日和山公園周辺は色々と見物しがいのあるスポットは他にもあるのだが、すでに夕方の時間になりつつあり、少し疲れてもいたのであまり無理はしないで、公園内を軽く散策するに止めることにした。酒田は松尾芭蕉ゆかりの地でもあり、公園には芭蕉翁のブロンズ像や句碑が残され、他の文学者の二十九基の文学碑も建てられて、「文学の散歩道」なるものが形成されている。広大な芝生の広場があり、犬の散歩をする住民の姿や、芝の上を走りまわって遊ぶ中高生を見かける。また、高台の展望台からは酒田港を望むことができ、爽やかな眺望にしばらく見入っていた。園内には明治時代建築の、日本最古級の灯台や、北前船の模型が池に浮かべてあったりと、湊町として栄えた酒田らしい光景を目にする。こういう公園っていいなあ、と素直に思う。
 宿舎までの道のりの途中に、あの有名な山居倉庫があったので、ちょっと寄って行くことに。米蔵が並ぶケヤキ並木の小道は、ここでしか見られない光景であり、なるほどたしかに見事なものであった。並木の道はそこだけ涼しくなっていて、爽やかな風も吹き抜ける。ちょうどよく屋外に休憩用のテーブルが置かれていて、全く感じがいい。蔵の中は物産館になっていて観光客で賑わっていたが、そういうのにはあまり興味が湧かない。お土産屋とか面白い試みとか、そういうのがなくても、ケヤキ並木を散歩したり、ボーっと座ったりするだけで旅心が満たされる。こういう時間や感覚は必要だと思う。
 そこから、観光自転車で通るには少し危ない大通りをひたすら走って宿舎へ。部屋が超タバコ臭かったので、備え付けのファブリーズをありったけ噴射していたら、霧が床に落ちて湿っぽくなってしまった。この日の夕食は、偶然に私と同じ用事で酒田に来ていたクラスメイトと、駅近くの食堂でふんわりディナーを楽しんだ。


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  1. 2014/09/22(月) 19:26:30|
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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者結語

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