野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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SLばんえつ物語―磐越西線開通百周年ラストラン

 福島駅で旧友と別れ、新潟へ戻るべく、一路、会津若松駅に向かう。会津若松―新潟といったら、磐越西線が運行する“走る貴婦人”こと「C57」のSLばんえつ物語で決まり!どうせ磐越西線に乗って帰らなきゃいけないのだし、指定席券として五百十円を払えばSLに乗れるのなら、そりゃもう乗るしかないだろう。ばんえつ物語は昨年の秋に、当時会津若松にいた旧友を訪ねに行った時に、上りの列車に一度だけ乗ったことがある。初めてのSLに乗るというのも感動だったし、停車駅で歓迎を受けたり、道行く人がこちらに手を振ってくれたりするのが嬉しく、Paradise Lineを感じる素敵な旅路に、その時からSLの旅の虜になってしまった。
 福島駅から東北本線で郡山駅へ。特に目を惹く景色がなくとも、初めての路線というのはそれだけで楽しい。先頭車両でどこまでも先に伸びる線路を眺めて約一時間を過ごす。乗り継ぎのために、少し時間があり構内を散策していたが、郡山駅は結構デカくて新しい。駅前の通りもなかなか栄えているように見える。
 郡山から会津若松へは快速列車に揺られる。列車に乗り込んですぐ、そばにいた仙人のように白く長いヒゲを伸ばした薄汚い老人に、列車の進行方向について尋ねられたが、それは私も知りたかったこと。一時間ちょっとの乗車だから、できればここも先頭で線路を見て過ごしていたい。薄汚い老人が言うには、車窓から猪苗代湖を見ることができるから、どの座席に座るのかが重要になってくるのだそうだ。ちょっとまて。猪苗代湖?確かに郡山から会津若松までの道のりの間には猪苗代湖があるが、電車から見れるなんてことはあまり聞いたことがない。薄汚い老人は、極端に悪い滑舌で車内の女子学生に例の質問を浴びせ、彼女を困惑させているが、最後には車掌さんが登場して進行方向を教えてくれたが、案の定、湖は見ることはできないらしい。見れたら素敵だったが、仕方がない。先頭車両へ。
 郡山から会津若松の路線も磐越西線ということになる。磐越西線は今年が開通百周年。それを記念して、いろいろなイベントを行っているらしいぞ。車窓はどこにでもありそうな農村風景と猪苗代湖付近の山間部を走る。その区間の他とは違っているところは、ユニークな形の磐梯山がデーンとそびえているところであろう。猪苗代駅周辺はなんとものどかな空気。猪苗代駅では愛しのことりっぷの写真グラビアになっている光景が目にすることが叶い、少し嬉しくなった。途中でどこかの駅で列車の行き違いのためにしばらく停車したが、外を見るとカメラを掲げた人がいたので、なんだろうと思っていたら、向こうから485系のあいづライナーがやってきたので、なるほどと納得した。
 会津若松駅に着く。先週も家族旅行できたばかりの、最近何かと縁のある駅だ。時間的にそれほど散策できるゆとりはなかったから、ホームでSL乗車を待つ。客車だけがホーム横の線路にあり、機関車はまだ姿が見えなかったが、しばらくして登場し、バックをするように機関車と客車の連結が行われる。何がどうなっているのかはよく分からないが、とにかく見応えのあるシーンだ。そしてばんえつ物語は汽笛を鳴らして、一旦前進をして、再びバックをするように乗客の待つホームへと進入する。割と発車時間ギリギリに入るので、乗客は急いで写真撮影をして、急いでSLに乗り込んでいく。会津若松と新潟を結ぶ下り列車では、機関車に連結されるのはグリーン車である(グリーン展望席から連結部が常時見られる)。すると、オコジョルームが最後尾ということになるのだが、今回の私の座席はオコジョルーム隣接の号車にあり、つまり機関車からいちばん離れた普通席号車ということになるので、機関車の撮影をしてからかなり急いで乗り込まなくてはいけない。しかも他の乗客がだんだんと乗り始めてからも機関車のところにいたので、結局、時間ギリギリまでいたのでなおさら急ぐ必要がある。しかし、まあ実はそんなに急ぐことはなく、そこらへんの乗車口から入って、車内を移動すればいいだけだ。しかし、少し慌ただしくなるのは必須で、汽笛が響き私たちを乗せた列車が動き出す瞬間、ホームに残った人たちが手を振って見送ってくれる瞬間を、ゆっくりと味わうことができなかった。この瞬間が好きだったのに。これなら最初は落ち着いて座席に座って発車を待っていればよかったと、少し反省する気持ちであった。
 SLばんえつ物語の普通指定席はブロック席の形式だが、幸いに最後まで私は一ブロックひとり占めをすることができた。在りし日のロマンを醸しているワインレッドの座席に座り、早速買ってきたエチゴビイルを嗜みながら、静かに車窓でも眺めるか・・・・と思っていたところに、思わぬ困難が私を襲った。西日。進行方向左側は、この時間には鋭い西日が射しこんでくるのだった。先のとれいゆつばさの時といい、なんだか西日に縁があるなあ。それほど気になるほどではなかったが、たまに目に入って苦痛になる時があったので、通りを挟んで向こう側のブロックには誰も座らないみたいだったため、時折そちらに移動したりして凌いでいた。西日避けだけでなく、景色を見る時にもちょくちょく移動した。
 この列車には一度乗っていることから、オコジョルームや展望車両がどんな感じなのか大体分かっていたため、今回は車内をうろうろと見て回ることはあまりしなかった。簡単な撮影と、記念スタンプ押しと、弁当を買いに行くくらいだ。展望車での景色を眺めるのはほんの少しの間だけだったが、列車最後尾のオコジョルームの奥にも展望スペースがあり、機関車の後ろに伸び、次第に遠ざかる線路を見ることが出来る。上りだとグリーン車が最後部の車両になるため、この光景は普通指定席の乗客だと下り列車のみ楽しめることができる。こういう景色は子供たちにこそ見せてやりたいが、彼らはオコジョルームに夢中なので、奥の展望スペースにはお父さんやひとり鉄道旅行者が集まり、なんとも言えない枯れた哀愁を放っている。
 夕方に走る列車の性か、車内イベントや停車駅での歓迎は控えめ。恒例のじゃんけん大会は行われたが、毎回あいこになってしまい、すぐに着席となってしまう。イベントということではないだろうが、途中の野沢駅で機関車の点検、津川駅で給水作業が行われるため、その様子を見物することができる。その際、機関車の運転室に行くと、順番に室内に入れてくれる。私はこのことを知らなかったのだが、なんだかよく分からないうちに巻き込まれて、そして運転室を見学するに至った。その証拠写真を機関士さんや、他の乗客に撮ってもらう。ひとり旅を重ねて、私もだいぶ図々しくなってきた。室内は、周囲の機械から発せられる熱でかなり暑い。何が何の装置なのか詳しくは分からないが、武骨な雰囲気はとてもかっこいい。何の気なしに、運転室の壁に触ったら、手にすすが付いてしまった。この野沢駅では地元特産の洋菓子が売られていて、ちょうど甘いものが欲しかったし、SL目当ての乗客に相手にされなくてかわいそうだったので、いくつか買った。出発の際には手を振って見送ってくれる。給水作業を行う津川駅には、オコじろうというマスコットキャラクターの家がある。これに対して何か思うところがあるとか、そういうのは全くないが、せっかくだから訪問してみる。上りの時だったら、オコじろう、きっとここにいるんだろうな。
 昨年の上り乗車では、道行く人や家の中にいる人が列車に向かって手を振ってくれる光景に感動を覚えたが、やはり日が落ちてから走るということもあってか、そういう景色にはあまり出くわすことができない。咲花で温泉の宿泊客がホームで出迎え、見送るのは面白く思った。また新津の辺りからは、街中を走るので新津駅や通過する駅でこちらを珍しそうに見る人たちが、また面白い。車窓の風景としては、夕方の阿賀野川が水墨画のようにしっとりとしていて、昼の様子とまた違ったいい風情を醸していた。だが、途中で日が落ちてしまうので、窓から見えるのもほとんどが夕闇になる。しかし、外が暗くなることで、車内のオレンジ色の照明がぼんやりと映えてきて、ただでさえロマン香る客車が、されにノスタルジックで幻想的な表情になる。創作の中にいるような、非現実的な感覚が迫る。津川駅や新津駅でほとんどの乗客が降り、少しの間、車内がひっそりとするのも、この不思議な体験に大きく寄与する。この列車に、私たちの日常が入る込む余地はどこにもなかった。
 新津を発ち、終点の新潟駅に向かう時、車内アナウンスが、今年のSLばんえつ物語の運転はこの日で終わりであることを告げる。実は私はこのことを全く知らず、呑気な気持ちで楽しんでいたのだが、このアナウンスでやっと今乗っている機関車が特別な意味を持っていることに気づいたのだ。磐越西線は今年で開通百周年を迎えた。私が乗っていたのは、その記念すべき年の、最後の列車だったのだ。ちょっとしたラストランである。線路沿いにたくさんの撮り鉄たちがいて、おおー、相変わらず精が出ますなあ!と感心していたが、これは単に秋の風景走るSLの絵を求めていたわけでなく、こういう特別な理由があったのだろう。
 SLばんえつ物語が、終点・新潟駅のホームに入った。三日月が昇る中、夜空に煙を上げている機関車には、なんとも言えない風情と風格がある。C57はこれから整備のために大宮の方に行くのだという。しっかりと点検を重ねて、これからもずっと、私たちを素敵な旅に連れて行ってほしいものだ。とりあえず、今年はお疲れさまでした。ありがとう、SLばんえつ物語。


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  1. 2014/10/07(火) 18:37:48|
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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者結語

日常系赤面ブログ「野良犬の生活」を応援していただきありがとうございました

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