野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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モーニングの名古屋でモーニング

 新潟無機終焉都市ならともかく、関東や東海などのもっと南の地方なら、この時期にはもう暖かくなっているだろうとタカをくくっていたのが、そもそもの間違いだった。バスから降り立った名古屋の朝は思っていたよりも厳しい冷え込みを見せており、例の早合点から薄手のコートを羽織っていた私は身を震わせて歩かなければならなかった。
 時刻は、午前六時過ぎ。ここ、名古屋で乗り込む予定の列車は、だいたい四時間後の午前十時半に出発をする。そして、クラスメイトの乗る新幹線が、東京を出て名古屋に着くのが、午前九時過ぎ。合流もその辺りになるが、それまでは私ひとりの時間だ。さて、どうしようか。
 だいたいの目当てはある。名古屋で過ごす朝といったら、独特のシステムと満点のボリュームを誇る朝食セット、通称“モーニング”ということになるだろう。いずれ朝ご飯は食べることになるのだから、当地にきたあかつきとしてモーニングを楽しみ、残りの時間は名古屋城見物でもしてぶらぶら過ごすつもりでいた。
 事前にモーニングが食べられる店を調べておいたが、流石にこの早い時間から空いているところは一軒もない。一旦、JR名古屋駅構内で、どの店に行くか吟味しつつ待機することにした。過去に一度だけ、名古屋を訪れたことがある。だが、それは高校時代、部活動の遠征のときであったため、自由な時間は少しもなく、名古屋の街をじっくり見て回ることはできなかった。観光らしいことといえば、移動のバス車内から名古屋城をちらと見かけたくらいである。だから、日本でも有数の大都市とはいえ、名古屋に関してはよく分かっていなかった。
 バスの降車場から寒さに耐え忍びながら歩く。奇怪な名物モニュメント・ナナちゃん人形を通り過ぎて程なく見えたJR名古屋駅は、高く聳えるJRセントラルタワーズが目立ち、ひどく巨大な印象を持った。駅構内もダダっ広く、中央コンコースをはじめ、多くの飲食店やお土産屋が入っているが、その割に何かがあるというわけではなさそう。座って休むところも見当たらない。
 まだ朝早い時間帯であったが、驚いたことに構内のお土産屋はすでに営業を始めている。喫茶店などが開き始める頃まで他にすることもないので、暇つぶしにどんな名古屋みやげがあるのかを見ていた。その中に、名古屋モーニングをモチーフにしたお菓子なんかもいくつかあったが、それらを見て察するに、どうやら小倉トーストというのが有名であるらしい。確かに事前に調べた際にも、小倉トーストなるワードはよく見かけていた。トーストに小倉クリームを塗るという得体の知れなさから、当初はそれほどのときめきは抱いていなかったが、こうやってお土産にもなるくらいに推されているのを目の当たりにしてしまうと、思わずミーちゃんハーちゃん心が疼きだしてくる。
 行きたいお店は他にもあったが、あの寒さの中、再び外に出るのも嫌なので、今回は駅構内にある喫茶店Gにて小倉トースト、もといモーニングをいただくことに。開店してすぐだったため、店内には私の他に中年の男女一組が見えるばかり。私の注文は小倉トーストのモーニングで、厚みのあるトースト一枚(縦にカットされ二分されている)につぶあんの小倉クリームと生クリームが添えられたプレート、ゆで卵一つ、そしてドリンクのコーヒーがセットにされている。これで確か八百円程度。他のお店だとこのくらいの値段でパンが食べ放題だったりするので、正直、お得感はあまりない。自分で小倉クリームをトーストに塗りたくって一口目を口に運んだが、これが思っていた以上においしくて驚いた。洋風のトーストと和風の小倉が妙な調和を持っているのだ。生クリームをトーストの上に載せると、つぶあんとは違った淡白な甘みも加わって、これまたおいしい。名古屋滞在中だけでなく、定期的に食べたくなる味である。食後もしばらくダラダラとコーヒーをすすりつつ今後の予定を確認していたが、次第にビジネスマン様の客の姿が目立ってきて、旅行者にしか見えない私には場違いに感じ、喫煙席から漏れ出てくるタバコの毒煙にも耐えかねて、店を出ることにした。本当はもっとのんびりとしていたかった。
 クラスメイトの到着までまだ時間があったため、当初からの思惑どおり、名古屋城の見物に出かけることにした。地下鉄を利用すると楽チンなのだが、街の姿や地理関係を把握したいので、時間はかかるが徒歩で行く。名古屋駅から名古屋城までは、私の足で二十五分ほど。散歩が趣味の私には、「徒歩二十五分」はたいした数字ではない。名古屋高速下の薄汚い通り(菓子問屋などがあって趣は深い)を北に行く。浅間町で右に曲がってしばらくすると加藤清正像や能楽堂が右手に見え、それらを横切れば名城公園である。この辺りでは、まだ金のしゃちほこが有名な天守閣は遠くに小さく認められるばかりである。もっと公園の中に入ればしっかりと見えるだろうと思ったが、ここで思わぬ事態に遭った。実は、公園の入口のところにある門をくぐるときから入場券が必要で、天守閣に近づくにはこの入場券を購入して城内に入らなきゃいけなかったのだ。しかも、私が訪れた午前八時過ぎには、まだ開城はされておらず、これからの予定を考えても、天守閣との対面は叶わぬものとなったのだ。仕方なく、門外、お堀の外縁から天守閣の方を眺めたが、生い茂る木々の間、向こう彼方にやっと見えるだけの天守閣に、どうも煮え切らない物足りなさを感じた。
 弘前城、鶴ヶ城、松本城・・・・。私がこれまで対面してきたお城は、その周りが自由に往来できる公園になっていて、散歩をしている住民や、犬を連れている人たちがたくさんいた。私はその光景に、地域の“魂のシンボル”としてのお城の姿を見、大きな感動と城下町への憧れを覚えたものだが、この名古屋城は一体なんだろう。「公園」とは名ばかりで、実際は市民たちの城内への立ち入りを許さず、距離を置いて、どこかいそいそと身を隠しているようだ。諸々の事情があるだろうが、この出来事だけを以てすれば、残念ながらこの名古屋城はこの町のシンボルにはなりえないと、私は断言する。
 この、予想外の残念な体験により、気持ちがしゅんと萎んでしまったが、愛知県民体育館付近を中心に公園内にはたくさんの野良ネコが生息していて、新たなネコが次から次へと登場してこちらに寄ってくるので、気づけば周りはネコばかりという状況になった。私は動物が大好きなので、朝からネコに囲まれて、先ほどの情けない気持ちが慰められるようだった。
 そろそろクラスメイトが名古屋に着く時間なので、ネコたちに後ろ髪引かれる思いを振り切り、元来た道を駅に戻る。お城があるのに、お城が町のシンボルとして成り立っていない。この町のアイデンティティは一体ドコにあるのだろうか。そういえば結局、中心街らしきところは一度も目にしたことはないな。大都市・名古屋が、未だによく分からない。


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  1. 2015/03/29(日) 18:47:08|
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コメント

猫かわいいー

猫めっちゃかわいいですね!!!

こんなによってくるものなのでしょうか。。。。


うらやましいです笑

応援させていただきます。
  1. URL |
  2. 2015/03/31(火) 08:29:20 |
  3. 中村さん太郎 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

Re:

中村さん太郎さん

そうそう。ネコがどんどん出てきて、こちらに寄ってきたんですよ。
で、脚に身体スリスリしてきたりして、もうネコ好きにはたまらんですよ!


シバケン-いかれたNeet-
  1. URL |
  2. 2015/03/31(火) 15:51:00 |
  3. シバケン-いかれたNeet- #-
  4. [ 編集 ]

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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者結語

日常系赤面ブログ「野良犬の生活」を応援していただきありがとうございました

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