野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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クリクラ日記 はじめに

 実習先の病院に、今回の宿舎について電話で問い合わせてみると、その条件は、想定される中で最もよくないものだということがわかった。宿舎を貸してくれるのは実にありがたいことだが、どうもこちらから持参すべきものが多くなって色々と煩わしい。これはもう、ちょっとした引っ越しである。
 だが幸いにも、同じ実習先のクラスメイトが自家用車を所有していて、私も、荷物も乗(載)せて行ってくれるというので、この煩わしさは大幅に軽減される。渡りに舟とはこのことである。あの大荷物を携えての、電車や高速バスでの移動は、実に骨の折れるものであっただろう。想像するだけで恐ろしい。それと、すでに宿舎の所在地は把握しているので、実習先での暮らしに必要だがそれほど急がないものは宅急便で送るという方法もある。自分から自分への贈り物である。数日後の自分を頼りにして、送料は着払いということにする。



 新年度が始まってからというもの、私は全くと言っていいほど講義に出ることがなくなった。もともと講義には熱心な人間ではなかったが、ここにきて、さらに“無関心”が強化されてきているように感じる。ここで、「出席」という問題がある。大学の講義はその内容云々よりも、この「出席」という、実に些末な問題の方に学生の関心が集まることが多い。昨年度、私は「出席」で痛い目を見たばかりだ。もちろんその全責任は私にある。それでもあの仕打ちは嫌がらせにしか思えなかった。だが、この不条理な経験は全くの無駄ではなかった。学校が行っている学生管理の、稚拙なからくりを知ることができたのだ。このからくりを知ってからは、それほど出席という懸案について考えることもなくなった。不要な心配事がなくなっていくのはとても楽しい。
 第一、あの講義室は空気が悪いときている。風通りも悪いし、空気が淀んでいて新鮮味がない。なぜか未だに暖房がついてるしよぅ。あんな悪質な空気が充満している部屋に長い間座っていたら体調がおかしくなってしまう。「一日中講義に出たら体調崩した。」とおどけているやつがいたが、まさにその通りだ。新年度の第一日、流石の私も『初日くらいは・・・・。』と思って、その日は一日中講義を聞いてみたが、放課後はしばらく頭痛に苦しめられた。それから何日かは体調を崩し気味であったが、講義に出なくなってからは、明らかに体調も回復してきている。
 だが、講義室に行かなくなったことで、うっすらとあるような気がしていた孤立のようなものが、いよいよ確固たるものになりそうで少し怖くもある。部活に入らない、バイトもしない、その他の行動や言動。大学生としてイレギュラーなことばかりしてきている私だが、別に孤独になりたいわけじゃない。むしろ仲間と和気あいあいを愛する性質だ。それなのに、自分のやりたいことをやろうとすると、どうして周囲から離れていってしまうような気がするのだろう。これは、私が大学生の“邪道”を歩き始めたときから抱いているジレンマである。周りとの関係がどんどん希薄になっている一方で、私はいつも周りとの関係に悩んでいる。最近は、大勢の人間の中にいるのも辛くなってきた。知らない顔ばかりの大勢ならおそらく平気だろう。誰もがみんな知っている顔の大勢だからこそ辛くなるのだ。あの顔見知りの集団の中に、自分の落ち着ける居場所が見つけられない。



 授業のある時間は学校の図書館にこもって、ひとりで黙々と勉強をしている。今まで図書館を使うことはあまりなかった(図書の貸し出しはよく利用していたけど、そこで勉強することはなかった)けど、今や毎日のように通っているのが自分でも不思議だ。図書館はやっぱり静かでいいし、あの独特の、古い紙の匂いは好きな匂いの一つだ。ああいう空間にいると、勉強がはかどる。
 家に帰ってからは、書き溜まっているレポートに取り組んでいることが多くなった。先の春期休暇の出来事で、まだ文章に起こしていないのが結構残っている。旅行記がほとんどだが、こういう類は資料がないと書けないので、できれば実習に出掛ける前に書き終えておきたかったのだが、今のペースだとそれは達成できそうにない。さらに荷物が多くなってしまうのだが、実習先に資料の一部を持って行って、向こうでもちょこちょこと書き進めていこうかなと考えている。
 しかし、書こうと思っている心の中にはいつも、『無理して書かなくてもいいじゃないか。』と囁く自分がいる。『そんなものは時間の無駄さ。それよりも勉強をしたほうがいいよ。』と囁く自分が。



 この間、「クラクラ日記」という本を読んだ。この本は、坂口安吾の妻・三千代が書いた随筆集である。戦後文壇の奇才などと謳われた安吾に対し、私はまるで得体の知れない印象しか抱いていなかったが、当作を読み進めるにつれて、彼のありのままの姿が生々しく伝わってきて、やっと安吾の人間味というものを掴み取れた感触を得た。
 それにしても、この坂口安吾にしたって、太宰治のような他の文豪にしたって、私は彼らが羨ましくてたまらない。彼らには、安吾にとっての三千代のように、彼らがどんな人物であったか、何が好きだったか、何時何時になんてことを話したか・・・・。そういう一つ一つを憶えていて、そして時おり思い出してくれる人がいるのだから。

 それじゃあ、私はどうだろう。
 私のことを誰が憶えていてくれるだろう。

 このブログには、一種の備忘録という意味合いもあるのだが、これはつまり、自分が自分を憶えているための方法だということにもなる。「小遣い稼ぎ」には興味がない。「情報発信」にも関心はない。私にとって、自分のことを書くということは、自分をこの世に遺すということに他ならない。自分が生きていた証である。だから、自分が体験したこと、見た物、感じたことは、出来る限り書き記しておきたいのだ。『書かなくてもいい。』と囁いているのは、おそらく心の中のどこか、疲労している部分であろう。疲れて書けないなら、少し休めばいいだけだ。『書かなくてもいい』という声は幻覚である。本当の私はいつも、『書きたい。』と思っているのだから。



 これから始まる臨床実習のことを、「クリニカル・クラークシップ」、略して「クリクラ」などと呼ぶらしい。自らが所属する学校の外で、それも一か月の長期に亘る実習というのは、生まれてこのかた初めての経験である。具体的にどんなことをするのかは、実はあまりよく分かっていないが、なんだか高校時代の部活動の合宿のようで、楽しみなところも大きい。

 向こうであったこと、見たこと、感じたこと。いくらでも書き遺していこう。私の「クリクラ日記」のはじまりに、今の心境を書き記しておこう。
 
 『実習先の病院に、・・・・』



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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者結語

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