野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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“人魚”に会いに行く / 紀伊半島鉄道でぐるりの巻

 紀伊半島の東に位置する伊勢、あるいは鳥羽の町は、思い切った気持ちがなければ行けないところである。そりゃあ近郊からは電車で一本なのかもしれないが、ここ新潟無機終焉都市から発つとなると、話は別となってくる。というのも、新潟―伊勢を直通している経路はなく、一度名古屋、大阪等を経由する必要があるからだ。時間的にも距離的にも、おいそれとは行けず、いざ訪れようとするならば数日の用意はほしいところだ。
 また、貧乏学生たる私からすると、経由地の大阪、名古屋に行くのにもちょっとした(経済的)覚悟がほしいのだが、そこからさらに足を伸ばして伊勢鳥羽となると、これはいよいよもって「破産」の二文字も見えてくるというものである(実際、この旅行のために定期預金崩しましたからね・・・・)。そういった事情もあって、伊勢鳥羽というのは、これからも滅多に行けない土地だと思っている。もしかしたら今後一切訪れることはないかもしれない。先の春期休暇、クラスメイトとの伊勢鳥羽旅行を思い切って決め、又とないチャンスを得ることになったのだ。これは思う存分堪能しなければ大きな損である。
 観光のハイライトである伊勢神宮の参拝という目標は達成できた。それでは他に何か・・・・と考えたとき、是非とも足を運んでみたいスポットが一つあった。全国一億六千万人の水族館ファン垂涎の、鳥羽水族館である。
 近鉄鳥羽駅を降りて、水族館へ数十分の道を歩いていく。駅を出てすぐに、風が磯の香りを醸しているのに気づいた。そう、すぐそばには伊勢湾が広がっていたのだ。昨日は神宮を中心に見物して回ったので、伊勢鳥羽にいるといっても、正式に伊勢湾と対面するのは実はこのときが初めて。強いていうなら、しまかぜやその他の列車の車窓から垣間見た程度だろうか。前日の煮え切らない曇天から一転、この日の空は見事な快晴で、海も日差しに映えて余計に綺麗に見える。潮風(もしやこれが「しまかぜ」というやつか?)も爽やかで気持ちがいい。
 ミキモト真珠島を見過ごし歩いていくと見えてくる建物がお目当ての鳥羽水族館である。飼育種類数日本一の、名実ともに日本を代表する名水族館だ。日本屈指の水族館と聞いていたから、きっと八景島シーパラダイスやその他都市型アクアリウムみたいにファッショナブルに気取っているのかと思いきや、外見や内装はどこにでもある地方の水族館といったようにそれほど垢抜けていないのが好感をもてた。
 飼育種類数日本一の肩書きはダテではなく、館内では本当に色々な生き物に出会うことができる(「へんな生きもの研究所」で数を稼いでる気もするが・・・・)。ラッコやアシカにペンギンと、水族館の人気者は勢揃いの一方、スナメリやカブトガニなどちょっと珍しい生き物たちや、日本で唯一あるいは世界で唯一の飼育ということで大きな目玉となる生き物も多い。
 その中でも最大の目玉といえるのが、ジャングルワールドに暮らすアフリカマナティー(世界唯一)と、人魚の海で待っているジュゴン(日本唯一)だろう。外から見えない後ろ足、水平に平たい尾、ひれのような前足で、そのあたりはクジラに似ているが、二種類とも海牛類に分類される草食の水生動物である。胸に乳があること、歯の生えかわり方、海藻を食べることなど、どちらかというとゾウに近い種類なのだという。ちなみに、マナティーとジュゴンの違いは、尾びれと前足で分かる。尾びれが丸くてうちわのような形をしているのがマナティー、魚やイルカのように中央がへこんでいるのがジュゴン。また、前足はどちらもひれのような形をしているが、マナティーには痕跡のように爪が残っている。
 世界唯一、日本唯一という意味合いでも、彼らとの対面は実に貴重なものである。また私は幼い頃に動物図鑑を見るのが好きで(今でも好きだけど)、普段の生活や並の動物園・水族館では会えない海牛類には憧れのようなものを抱いていたので、あたためにあたためた念願を叶えることができて感無量なのだ。
 アフリカマナティーは体長三~四メートルもあろうかという巨体かつでっぷりとした中心性肥満の持ち主で、ぶっちゃけ顔は不細工にできているが、あの体躯でのんび~りと泳いでいる様はのんのんとしていて、見ていて落ち着く。このかわいらしいマナティーは世界でも数が減っている種の一つである。絶対に、ステラーカイギュウの例を繰り返してはいけない。ジュゴンは人魚伝説のモデルとなったという、ミステリアスな話がつきまとう動物である。白い身体や特徴的な口の形は神秘的だが、水槽内ではひたすらに好物のアマモを貪っていて、その姿は人魚とはほど遠い(苦笑)。たまに思い出したように水面に顔を出しに行く(彼らは肺呼吸だから時々水面に顔を出して空気をすう必要がある)が、そのゆったりとした泳ぎは、成程、確かに神秘的であるかもしれない。とてもマイペースに生きているのね。
 「へんな生きもの研究所」というコーナーがある。その名の通り、カラッパやウミケムシ(なんじゃそりゃ!?)など、今まで見たこともないようなへんな生きものたちが集っているのだが、ここに、我々共通のお目当てである、ダイオウグソクムシがいるのである。深海に棲むダイオウグソクムシは未だに生態が謎に包まれている生物の一つで、そのダンゴムシのような、それでいてロボットのようにも見え妙に愛くるしいルックスから、今、人気が沸騰している。絶食実験も有名で、某コメントが右から左に流れる動画投稿サイトでも話題である。日本で飼育しているのはここと、確かサンシャイン水族館だったかと思うが、グソクムシ人気を牽引してきたのは鳥羽水族館であろう。高鳴る鼓動を抑えつつ、ダイオウグソクムシの展示を一直線に目指すと、水槽内は真っ暗でレッドライトが灯されてうっすらと中が視認できるかなという感じであった。なんか思ってたんと違う!しかし、水槽の隅でじっとして少しも動かないグソクムシの鎧を確認することはできた。しかし、思っていたよりも感動はしないものだな。なんだかなあ。
 鳥羽水族館は、アシカショー、セイウチパフォーマンス笑(ショー)、ペンギン散歩と、イベントも連日開催している。私たちはなんだかんだかんだなんだで全部のショーを見てしまった(大の大人が二人してアシカショーを見ている光景は名状しがたいものであっただろう)が、どれも面白くて楽しめた。特にセイウチのショーは“イケメン風”のお兄さん二人の軽妙な関西弁トークと二頭のセイウチのコミカルな掛け合いが面白い。セイウチがヒレで「バシンッ!」という生々しい音を立てながら思いっきりお兄さんにツッコミを入れていたけど、あれ痛いよなあ・・・・。
 鳥羽水族館を満足して出た私たちは、次なる電車まで時間もあるので、伊勢名物赤福の鳥羽支店に立ち寄り、例によって「盆」で一服する。この旅行で何回食べたか分からない。店の中でゆっくり赤福餅を味わっていると、鳥羽の爽やかな青空をバックに、しまかぜがそばを駆け抜けていった。ああ、私は今、本当に伊勢にいるのだなあ。にしても、伊勢鳥羽の町を歩いていると、「赤福」という文字を頻繁に見かける。東西南北方角を変えても、どこかしらには「赤福」を認めるし、歩いて一分に一回くらいは「赤福」を発見するのだ。電柱広告も全部「赤福」だし、もちろん土産やののぼりも「赤福」、駅のホームにも、イベントのポスターの主催にも「赤福」だ。この地域を支配しているのは誰かを誇示しているかのようである。

 さて、これから私たちは、その日のうちに大阪に向かう予定であった。近鉄を使えばすぐなのだが、せっかくここまできたのだから、これから一生乗らないような路線を利用しようという認識を我々は共通していたので、参宮線、紀伊本線、阪和線と乗り継いで、紀伊半島をぐるりと一回りする心づもりであった。大袈裟じゃなく、一生一度乗れるかどうかという路線ばかりである(特に紀伊本線は)。
 まずは鳥羽から快速みえで松阪へ。ここで少し待ち時間があるので、昼ご飯に駅弁を調達したいところであった。松阪といえば蒲生氏郷が築いた松阪城の城下町で、本居宣長が暮らしていたことでも有名である。松阪城下の町並みを歩いてみたくも思ったが、そこまでの時間はない。駅周辺で何か弁当屋さんでも探してみるが、駅前には驚くほどに何もない。念のために近鉄側の方にも足を運んでみるが、こちらの方が何もなさ加減が強く、落胆と失望を隠すことができない。ブーブー文句を言いながら、もとのJR駅に戻る。構内のニューデイズにもお弁当が売られているのだが、種類が少ない。売店のお姉さん(四十代)に薦められる形で、お弁当を注文することになった。列車の出発までにはおそらく間に合うし、ホームにまで届けるというお姉さん(四十代)の談だったが、少し心配だなあ。ホームで電車を待っていたが、お姉さん(四十代)が無事にお弁当を持ってきてくれて安心した。間に合わなかったときの悲惨さは想像するだけでも恐ろしい。なお、売店からホームは階段の上り下りがあり、その労作を余儀なくなってしまったことは少し申し訳なく思う。お弁当は当地松阪ということで、牛めしである。出来立てでホカホカあたたかい。どのような場合であれ、料理はできたてが一等ということくらい、オセアニアじゃあ常識なんだよ!乗り込む特急車内で頂いたが、赤ワインで煮た牛肉が上品な味でおいしい。付随する黒コショウをかけて気分を変えて楽しむこともできるぞ。ちなみに、松阪で私たちが乗ったのは、ワイドビュー南紀である。ここからは贅沢をして特急を乗り継いで行くのだ。太陽光線が容赦なく差し込んできて眩しい&熱いで大変だった。日除けに時々空いた座席に移動したりするのだが、なぜか今度はその席に日が射してくるものだからやるせない。
 和歌山県新宮駅に到着した。ここでもしばらくの待ち時間がある。駅を出た瞬間に確信した。『花粉強ぇ・・・・。』確かに、和歌山はなんか強そうだもんな、花粉。駅の周辺には、当然のように何もない。手持ちが寂しくなったので郵便局のATMを求めて歩きまわったが、結構距離がありクラスメイトを付き合わせてしまったことを申し訳なく感じる。夕食を求めがてら、局までの途中で気になっていたローカル臭ただようスーパーに入る。ロゴマークの色合いとデザインが、大手スーパーのそれと似ているような気がしたが、きっと私の思い違いだろう。その日は何か、特売の日だったようで、妙に耳につくテーマ曲をひたすら聞きながら買い物をする。食べやすいものがよかったので、シンプルにおにぎり数個と、から揚げ串などの片手で食べられる総菜を買った。このスーパーは買い物袋は与えないシステムなようで、旅行にマイバッグを持ってきて本当によかったと思った。
 今度我々が乗車するのは、特急くろしお。『絶対に乗れないだろうな。』と思っていた列車の一つである。「オーシャンアロー」と呼ばれた283系ではなく、381系の車両である。撮影に繰り出し、先頭車両を目指していくと、明らかに飛びきり浮いているものを発見した。それがパンダ座席である。紀伊本線はパンダで人気のアドベンチャーワールドまでの起点となる白浜駅を擁している。パンダを推したい気持ちは理解できるが、これは流石に・・・・。まあ、子供にはいいんじゃないかな?
 この時点ですでにだいぶ日が落ちていたので、出発して走り始めると程なくして車窓外は真っ暗となる。これでは南紀白浜の見事なオーシャンビューは堪能することができない。しかし、この日は月夜で、雲のない夜空に、真ん丸ではないにしろ、ぷっくりと太ったお月さまがのぼっていた。淡い月明かりに海や断崖がほのかに照らされ、これはこれでいい風情を醸している。それでも、暗闇を走る列車で過ごす時間は、基本的には退屈なものである。
 そのまま四時間を過ぎた頃、ついに大阪の明かりが見えてきた。カラフルな通天閣が大阪に着いたことを教えてくれる。この日はほとんど列車に揺られて過ごしていたが、それでも結構疲れてしまうもの。宿舎に入ってからは、簡単に翌日の打ち合わせをして床に着いた。


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↑いや、「ん?」じゃなくてね。










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  1. 2015/04/19(日) 19:38:43|
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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者結語

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