野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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ゆりてつ!―由利高原鉄道(鳥海山ろく線)の旅

 長期休暇等の折、私が新潟無機終焉都市から故郷・秋田県に、鉄道を利用して里帰りをするには、主に二通りの方法がある。一つ目は、新潟から白新線・羽越本線・陸羽西線・奥羽本線と乗り継いで、湯沢で降り、親に車で迎えに来てもらう(私の田舎町は鉄道が通っていないので)というもの。二つ目は、新潟から出る特急いなほに乗って日本海沿いをひたすら北上し、羽後本荘で降りて、親に車で迎えに来てもらうというもの。今まで電車を使って帰省するときは、上記の二法のいずれかを用いていた。
 だが今回の帰省は、いつもと少しだけ趣向が変わっていた。特急いなほに乗る方法を軸としているのだが、そこからもう一つ、新たな路線を加えることにしたのだ。羽後本荘から連絡をするローカル線・由利高原鉄道(以下「ゆりてつ」)である。よくよく考えてみれば、どうして今までゆりてつを利用しなかったのだろう。というのも、羽後本荘よりも、ゆりてつの終点・矢島の方が、はるかに実家から近いのである。
 ゆりてつは、羽後本荘から矢島まで、走行時間にしておよそ四十分というわずかな区間を結ぶ、まごうことなきローカル線である。私の、故郷・秋田県の鉄路全制覇という小さな野望の件もあるし、以前、家族がゆりてつに乗車したことを自慢してきて少し悔しかったということもあって、今春に乗った秋田内陸縦貫鉄道と並んで、乗車を心から夢みていた路線である。

 新潟発の特急を羽後本荘で降りて、ゆりてつに乗り換える。ホームに停車している列車は、ローカル線の証である一両の編成。ゆりてつでは、松山せいじ作の漫画「ゆりてつ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~」とコラボをしたラッピング列車なども走っているが、今回はスタンダードなデザインの車両の乗車となった。ゆりてつでは、全国各地のローカル線と同様に期間イベントなどを積極的に催しているようだが、この日はゴールデンウィークの最中ということで、鯉のぼり列車(車内に鯉のぼりがいっぱい☆)の運行がされていた。列車内のみならず、駅構内や、各駅のホーム、はたまた沿線の要所要所で鯉のぼりが上げられていた。昨今、鯉のぼりを上げる家庭はあまり見かけなくなっている。以前は私の実家でも大きな鯉のぼりを挙げていたが、いつの頃からかその習慣はなくなっていた。そういう意味でも、青空に泳ぐ鯉のぼりを見るのはなんだかなつかしくて、心穏やかな気持ちになる。ちなみに、ゆりてつといえば、おばこ姿に扮したアテンダントさんが名物にもなっているが、残念なことに、私が乗った列車には不在。ちぇっ。
 一両の車内は、先述の通り、小さな鯉のぼりがたくさん飾られていたが、座席としては主にボックス席が用意されていて、各ボックスに広いテーブルが備えられている。いかにも、こちらのテーブルでお弁当をどうぞ!と言いたげな風情であるが、私は先の特急の乗車のうちに早めのランチを摂ってしまっていた。観光気分ではなく、日常の交通として利用する地域住民のためか、対面式の座席も車両の前後に少しだけ設置されている。車内にはしっかり御不浄もあるので、何かと安心だ。
 羽後本荘から終点の矢島まで、およそ四十分の短い旅。本庄の住宅街を抜けたと思うと、次第に車窓の景色は農村のそれとなる。各地のローカル線には、のどかな風景の中を走るものが多いが、このゆりてつについては、線路が農村の集落ではなく、農地を切り裂いて伸びているような印象を受ける。左右どちらにも田んぼが広がっている景色がほとんどである。季節的に田んぼには水も張られ始め、年間通じていちばん爽やかな、そして私にはなつかしい田園風景がそこにはあった。どうして水の張られた田んぼは、あんなにもキレイに空を映すのだろう。
 ゆりてつは、鳥海山ろく線とも呼ばれているが、その名の通り、車内からは、“秋田富士”こと鳥海山を望むことができる。羽後本荘~矢島だと、ちょうど鳥海山に向かうように走行をするので、眺めやすい。雪国・秋田にも春が訪れ、人々は実りの秋に向けて田植えを始めるという時候にも関わらず、鳥海山にはいまだに白銀の陰影が残っていて、緑の映える周囲の景観と比べてみると、明らかに浮いている神妙な姿になっている。山岳信仰というものが生まれたのにも頷ける光景であった。ちなみに、鳥海山はこの辺りから見ると、ただただ裾野が広がっているだけだが、私の田舎町を含む雄勝地域から見ると、“秋田富士”の異名にふさわしい、実に均整のとれた壮麗な様を認めることができる。
 ストレスとは無縁の、実に土臭くて日本的な沿線を走り抜けて、列車はあっという間に終点・矢島に着いた。まだ五月の始めだというのに、外は蒸し暑い。矢島駅構内もまだ冷房は入っていないのか、なんとも嫌なあたたかさが漂っている。ここで、迎えの母親と合流である。さて、矢島駅にきたからには、ゆりてつ名物である、売店の主・まつ子さんに会わないといけないというのは、オセアニアじゃあ常識なんだよ!まつ子さんは大変に話し好きという評判だったが、まあ、そういう人はザラにいるよね、と穿った印象を抱いていたところ、まつ子さんの話し好きは予想以上に凄まじかった。まず、駅の利用者のハント率が凄い。売店から離れたところを歩いていても、「お兄さん!お兄さん!半ズボンのお兄さん!」と呼び止められ、気がつけば梅風味のお水を振る舞われている。まつ子さんに呼び止められた人は、みな売店に寄っていってしまうので、売店の周りはやけに賑わっている。そして凄まじい勢いで多くの人に話しかけたり、売店業務をしたりと忙しいのに、ちっとも疲れを感じさせないまつ子さんは恐ろしい素人である。母親はまつ子さんに会うのは初めてではないので、色々と踏み込んだ話をしていたが、聞くところによると、母親の知っている人がまつ子さんの親戚であったらしい。世間は狭いものだ。まつ子さんからは、最後には「早く嫁もらえ!」という激励を受けた。いやあ、すぐにでも嫁がほしいのはやまやまだが、いかんせん好い人がいなくてねえ・・・・。もう、やんなっちゃう。
 矢島駅には、季節柄巨大な鯉のぼりや、超年代モノの手書きの鯉のぼりなども飾られていた。また、漫画「ゆりてつ」関連の展示もあったので、少しこの作品に興味が湧いてきた。噂によれば、ただ女の子がかわいいだけの漫画ではないらしい。ひとしきり見学して、車に乗って故郷に帰る。矢島は私の田舎町の隣の町である。道中、我が町の名所旧跡である「石馬ッコ」を久しぶりに見かけたが、改めて見ると実に薄気味の悪いスポットだと感じられた。


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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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