野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

妖怪の“おかげ”なのねそうなのね

 小児科のクリニックはどこでも、待合や診察室など、院内はアニメのキャラクターでいっぱいである。また、小児科の医師や看護師を見てみると、例えば名札などにさりげなく、子供たちの人気者の姿を認めることもよくある。
 今さら私が言う必要もないが、これらは皆、患児たちの心配を和らげ、しっかりと診察をするための工夫である。
 普通、病院が好きな子供はいない。病院に入ったり、医者の姿を見るだけで泣き出してしまう児や、実際は痛くもなんともない聴診器を胸に当てられるのも怖がってしまうような児がほとんどである。
 こうなってしまうと満足に診察できないので、子供たちの好きなもの、つまりはアニメのキャラクターたちで気を引いたり、恐怖心を和らげるようとするのである。
 私のかかりつけだった小児科の病院も、正しくそのようにして、実にファンシーだったのを憶えている。
 その印象があまりにも深かったので、私は、昨年度の病棟実習、いわゆる「ポリクリ」で小児科や小児外科などを回るときに、当時大人気だった「妖怪ウォッチ」のシールをわざわざ購入し、「ジバニャン」をネームプレートに貼って―「ジバニャン」と「シバケン」って似てるよね―臨むことにした。
 それに加えて、そのシリーズが始まる前から「妖怪ウォッチ」のTVシリーズ(新潟無機終焉都市で放映が始まったのはその頃だったのでちょうどよかった)を見始め、子供たちの話についていけるような知識を、一から身に付けるようにした。ただシールを貼っているだけじゃ不十分だと思ったからだ。
 それに私は、子供が見たらヒキツケをおこすのではないかと思われる異相の持ち主なので、児らと私の気持ちが繋がってくれるのが、他の人よりもだいぶ難しくなっているのである。私はこういった試みによって、子供たちに全力で媚びを売ろうとしたのだ。
 この“悪だくみ”は成功を収めた。やはりその頃の「妖怪ウォッチ」パワーは凄かったのだ。外来で出会う子供たちや入院している患児たちの反応の凄まじいこと!「ジバニャン」一匹のおかげで、児らとの関係作りがかなりスムーズになった観がある。
 その時私は、実習前に買ったシールセットを、常時スクラブのポケットに忍ばせていたので、名札の「ジバニャン」に反応した児たちに、シールをあげたりもしていた。子供たちに、何か一つでも楽しい思い出が、病院という場所でもできたらいいなと思ってのことだ。
 何度思い返しても、「ジバニャン」がいるのといないのでは、実習の様子が全く違っていたと感じる。私の悩みをだいぶ軽減させてくれたという意味でも、本当に妖怪サマサマなのである。
 その後、私が第六学年に進級して程なくして、再び、妖怪の力を思い知らされる出来事があった。
 その時、私はクリニカルクラァクシップで、新潟県内のとある市中病院の救急科に配属されていた。
 救急外来には子供たちもやってくる。重症な児は滅多にこないものの、救外として、最低限の検査や処置を大抵は行うことになる。採血や、点滴用のルート確保がそれらに含まれるが、こういった“おちゅうしゃ”系のものは、子供たちが大いに恐れるものの一つであり、ほとんどの子供は、それはもうすごい勢いで泣き出してしまうわけである。
 処置の最中に子供が動いてしまうと危ないので、タオル等で身体をグルグル巻きにして行うこともままあるが、簀巻きにされて泣き叫びながら“おちゅうしゃ”される児を見るのは、正直、心痛むものがあった。
 そんな救急外来の一コマ。この日もまた、子供の患者がやってきた。主訴は「発熱」だったかな。
 あれよあれよという間に、グルグル巻きにされて採血に臨まんとしている患児。もちろん、激しく泣き叫んでいる。いつもの光景である。
 すると、看護師さんがおもむろにあるものを取り出し、子供に見せた。介助をしていた私も気になって少し見てみると、それは「ロボニャン」のシールであった。またしても妖怪サマのご登場である。
 その時、まるで嘘のような出来事が起きた。あれほど激しく泣き叫んでいた患児が、その「ロボニャン」を見つけた瞬間に、パっと、本当にパっと泣き止んだではないか!嘘のような唐突さ。
 『これ誰か知ってる?』
 「・・・・ロボニャン。」
 『じゃあこれは?』
 「・・コマさん。」
 『どの妖怪が好きー?』
 「・・・・オロチ。」
 そしてこの落ち着きようである。
 妖怪すげえ。
 子供たちの爆発的な感情をもコントロールしうる妖怪たちの力を、改めて思い知らされるような一場面であった。
 昨今、何かよからぬことが起きるとすぐに「妖怪のせい」とされる時期があったが、彼らがもたらすのは決して悪いことばかりではない。「妖怪のおかげ」で助かることもたくさんあるということ、気づいてあげて下さい。
 ちなみにその後、ずっと見せてあげればよかったのに、どういうわけか看護師さんはその「妖怪ウォッチ」シールを全部片付けてしまったので、その子は再び大泣きしだして、結局いつものように、児の泣き声が響く中、“おちゅうしゃ”をすることになってしまった。嗚呼。


150301_191632_20150627204637f6a.jpg
↑お子さんがいるからか、たまに「妖怪ウォッチ」に過剰なまでに食いつく先生もいます(笑)











にほんブログ村 大学生日記ブログ 医大生へ






この部屋からトータルへ 私たちとつながってください

  1. 2015/06/27(土) 20:47:26|
  2. 日記
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<湯沢温泉入湯記 | ホーム | いっぱい食べる君が好き(クリクラ日記11)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://shibakeneet.blog.fc2.com/tb.php/531-c3a3bcbb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

筆者結語

日常系赤面ブログ「野良犬の生活」を応援していただきありがとうございました

「野良犬の生活」の物語

 はじめましての皆さんへ

長い間ありがとうございました

レポート検索

最新レポート一覧

アーカイブ

2016 04 【1】
2016 03 【4】
2016 02 【4】
2016 01 【5】
2015 12 【12】
2015 11 【10】
2015 10 【14】
2015 09 【8】
2015 08 【15】
2015 07 【14】
2015 06 【11】
2015 05 【17】
2015 04 【12】
2015 03 【12】
2015 02 【9】
2015 01 【9】
2014 12 【8】
2014 11 【13】
2014 10 【22】
2014 09 【18】
2014 08 【2】
2014 07 【14】
2014 06 【13】
2014 05 【13】
2014 04 【22】
2014 03 【17】
2014 02 【28】
2014 01 【29】
2013 12 【28】
2013 11 【28】
2013 10 【29】
2013 09 【22】
2013 08 【20】
2013 07 【30】
2013 06 【18】
2013 05 【15】
2013 04 【19】
2013 03 【3】
2013 02 【6】

カテゴリ

コメント

トラックバック

メッセージ

質問・要望どんとこいです!

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。