野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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他学の生徒たち(クリクラ日記12)

 夕食を求めに街に繰り出した際は、毎回と言っていいほど、道中の古本屋に立ち寄っている。この書店は明治の創業であり、その歴史に違わず、外見からしてただものではない風情を纏っている。
 店は二階建てとなっていて、一階には一般の書店のように雑誌や新刊等を置いているのだが、土足禁止の二階スペースには、本好きにはたまらない夢のような空間ができている。
 そこには様々な分野の書籍、しかもかなりの年代モノが、本棚にぎっしりと並べられているだけでは収まりきらず、そのあたりに高々と積まれているのだ。この、まさに“本の山”から目当ての本や面白そうな本を探しているだけでも、大きな楽しみである。
 欲しい本が見つかったら、それを持って一階に佇むおばあちゃんに声をかければいい。すると、例えば「これは二百円ね。」というように、その場で本の売り値が伝えられるのだ。ただ「中古」というだけでなく、本当の意味での古本だというのに、この値段で買えるというのは魅力的である。
 また、店の表に出された本棚にも本が並べられていて、このコーナーはどれも一冊五十円で買えるという。棚を漁っていたら探していた本が見つかり、それをたったの五十円で買える喜びといったらない。
 おかげで、この古本屋に立ち寄るたびに必ず一冊は本を買っていってしまうという妙な癖が根付いてしまった。



 ついに部活動に励むことなく大学生活を終えようとしている私だから(他にも理由はありそうだが)、その他大勢の一般学生よりも、他の大学の学生と交流する機会が極端に少なかった。『少なかった。』・・・・?否、もはや完全に、『なかった。』である。
 さて、私のクリニカルクラァクシップ(以下「クリクラ」)第三シリーズの舞台である某県の某病院には、私と同じようなクリクラの医大生たちもいた。この医大生たちこそ、他学の生徒なのである。県境を越えるとなると、おそらくこういう事象にぶち当たるだろうなとは思っていた。
 例えば、せいぜい一日二日程度の病院見学の日程がかぶるとかならまだしも、それなりの期間にわたる臨床実習ともなると、彼らと行動をともにする時間も自然と長くなってくる。回っている診療科が同じであったらなおさらである。
 しかもよくないことに、他大の学生とはいっても、彼らの方は所属を同じくしているので、仲が良いとまではいかなくとも最低限顔見知りではあるだろうから、彼ら同士でのコミュニケーションは比較的にスムーズなのである。私は異邦人として、突然にその超絶アウェイの状況下に落とされたのだ。
 最初はお互いに牽制をし合っているような状態であった。なんとなく話が続かないし、話してみたところで、出身が云々、国家試験が云々という、全く当たり障りのない、そして非常につまらない話題で時間を潰すことが多かった。互いに深みには入らず、自分自身をさらけ出すこともなく、会話のジャブやローキックで間合いを測るようなことばかりしていた。
 それが、流石に何日か過ぎて、彼らとの時間もある程度積み重なっていくと、各人のキャラクタをいうものが現れ、気安く接し合うことができてきた。最終的にはボケ・ツッコミの関係ができたり、お互い罵りあうことができるまでに仲良くなっていた。
 私はこれまで他大の医学生と出会う機会が本当になかった。ここにきて、彼らと親交を深めるチャンスが訪れてくれたのは、自分のとてつもなく狭い世界を広げていくという意味で、あまりにも大きく思える。
 同年代の人間の考えを色々と聞いてみたくもあったし、なにより、自分の学校にいないタイプの生徒と知り合えたのは、とても新鮮で面白かった。
 他大と私の大学とでは、クリクラのローテーションの日程がわずかにずれ込んでいて、これによって、彼らは線実に実習を終え、この病院を去って行ってしまった。その後、自分ひとりで過ごす控え室が無性に寂しかった。
 当初私は、別れを惜しむまでに彼らと仲良くなれるだろうとは、あまり思っていなかった。そもそも私は、学校の友人からして少ないし、他の人たちとなんとなく話が合わないと感じることの方が多い。そんな自分が他の大学の生徒と仲良くできる自信がなかったのだ。
 彼らと入れ替わりで、また新たな生徒たちが、実習にやってくるらしい。彼らとの出会いも少し楽しみな一方、またジャブとローキックの応酬をしなければならないのかと思うと、少し気が重くもある。


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↑自分ひとりだけの部屋。上に何も置かれていないデスクが寂しい











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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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