野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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リゾートみのり―陸羽東線の旅

 山形県鶴岡市に滞在中に、当地出身の作家・藤沢周平先生のエッセイ集を買った。その中に、「仙台から鶴岡に鉄道を使って帰郷したときに見た、陸羽東線沿線の景色が印象に残った。」という内容のものがあったのだが、この一篇を読んだ私は驚いてしまった。なぜなら、私がその文章を読んだのは、まさしくその時、陸羽東線を目指して走る列車の中でのことだったからだ。最初から仕組まれていたかのような、あまりにも出来すぎな偶然の一致。やはりシンクロニシティ(共時性)というのはおとぎ話ではないなと、思わず唸ってしまう。

 陸羽東線は山形県の新庄と宮城県の小牛田を結ぶ路線である。新庄は鈍行で秋田県に帰省するときには必ず使う駅だ。そこから出る奥羽本線、陸羽西線、山形新幹線は何度も利用しているのに対して、ただ一つ、陸羽東線にはこれっぽっちも縁がなかった。そのために私は、一度でいいから陸羽東線に乗りたい!と熱望していたのだが、鶴岡市に滞在をすることで、ついにこの路線に乗車するチャンスを作れたのは幸いであった。ただ線路を乗り潰すだけではなく、沿線の瀬見温泉、鳴子温泉の訪問といった目的もあったが、鉄道絡みでいうともう一つ、この路線を走るジョイフルトレイン・リゾートみのりへの乗車という、大きな心づもりがあった。
 陸羽東線の旅には、七月初旬のとある土日を充てた。
 第一日に、新庄から小牛田までの線路を乗り潰した。小牛田も陸羽東線の他に東北本線、石巻線、気仙沼線の四路線が乗り入れるターミナル駅である。ここで乗り換えて太平洋側の路線にも食指を伸ばしたい気持ちはやまやまなのだが、今回はあくまで陸羽東線沿線を念頭に置いているので、小牛田駅に降りてからは記念スタンプを押すだけにとどめ、すぐさま、鳴子方面に引き返す列車に乗り込んで戻った。
 第二日。リゾートみのり乗車はこの日の計画であった。この観光列車は新庄と仙台を結んでいる。私はできれば始発から終点まで乗っていたいと思うのだが、タイムスケジュール的にそれは難しそうだったので、かなり妥協して、鳴子温泉―新庄間の切符を取ることにした。
 瀬見温泉に宿泊したので、一端、普通列車で鳴子温泉に向かう。鳴子温泉駅に着くと、そこにはすでにリゾートみのりの下り列車が停まっている。乗りたい列車ではあったのだが、新庄駅で何度も出会っているし、実を言えば、前日に鳴子温泉に立ち寄った際にも、全く同じ下り列車を目にしているので、車両を見て改めて感動することはない。今回あるのは、今まで見ているだけだった列車に乗れることに対する感動である。
 前日、この列車の停車しているホームには観光協会の人々や、当地のマスコット「なる子ちゃん」などが集まって賑やかであったが、この日はというと観光協会の人の姿も少なく、なる子ちゃんに至っては早々に控室に戻っていってしまうという有様であった。そもそも前日と比べ、乗客の数も明らかに少ないので、それに比例してもてなす側の熱意も減退してしまうのだろう。
 ひとしきり車両の撮影を済まして、早いところ座席に落ち着く。切符を買ったとき、『希望通り窓際の席を取れてラッキー☆』などと思ったが、これは別にラッキー☆でも何でもなく、単に列車内がとても空いていただけである。幸い、私の隣の座席にも、終点の新庄まで他の乗客が座ることはなかった。
 しばらくしてリゾートみのりは線路を滑り出す。鳴子温泉から新庄まで、およそ一時間半の短い旅である。
 リゾートみのりの魅力とは何か。まず思い浮かぶのは車窓から眺める風景、だろうか。特に紅葉の時期は素晴らしいと聞くが、この日は初夏である。紅葉など見えやしない。それに私は、前日のうちに新庄から小牛田までの全区間を乗り潰しているうえ、小牛田から瀬見温泉までに至っては、“往”だけでなく“復”もしてしまっている。つまり私は、この時点で陸羽東線のほとんどの車窓景を眺めているのだ。ここにきて、窓から見える景色に張り付いている必要はないわけだ。もはや、横目でチラくらいで十分である。
陸羽東線は、通称を「奥の細道湯けむりライン」と言い、その沿線にバラエティに富む温泉がいくつか所在することを特長としている。沿線の湯めぐりも魅惑的なところだろうが、やはり私は前日のうちに鳴子温泉と瀬見温泉に立ち寄っている。第一、鳴子温泉から新庄まで降車する予定はなかったので、こうなってくると、リゾートみのりに乗って何をするかというと、特に付随の楽しみはなかったわけである。
 車内イベントの類もないので、いよいよ、終点までただ列車に揺られているだけであった。だが、私は電車に乗っているだけで楽しめる性質だし、窓に過ぎ去る景色をぼーっと呆けて眺める方が、かえって気楽でいいような気もするので、これはこれで悪くないと思える。着席して早々に買った車内販売のビイルとスナックをお供に、景色を見ているんだか見ていないんだか、終点までの短い間は恍惚の時であった。


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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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