野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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ロスト・ヴァージン

 私というのは文章上でそう云っているだけで筆者自身ということではない。

 私は超低空を飛ぶ人である。
 そう云ってもよく分からないだろうからこれからきちんと説明をしていくが、これは私の本業での話である。間もなく職替えを控えているが、今なお私の本職は学生のままである。学生は、各講座の試験を適時受けてそれで合格点を取り、卒業に必要な単位を奪っていくのが主なお仕事である。
 私も、今の学校に入ってから今日に至るまでに試験を数々と受けてきたが、実は私は今の今まで、試験というものに落ちたことがない。所属する学部学科の都合上、それなりの人数が不合格の判を押される試験もあったのだが、それらもことごとくかわしてきたのだ。とはいえ、私のような人間は他にも何人もいるだろうから、それほど珍しくはないと思われる。だから別に自慢するほど大それたものではないし、私だって自慢をしたいわけではない。ただ、これが私の学校におけるアイデンティティの一つだと云いたいのである。
 こういうことを云うと、ハハァ、こいつは自分がいかに優秀であるかを誇示したいだけなのだな、などと考える短絡者が出てくるかもしれないが、それは大きな間違いである。実力としては、私は中の中の上くらいにいる。試験に落ちないということは、決してその人間の優秀さを示しているということではない。そんなことがあるわけがない。確かに、いつもいつもしくじっている学生には碌な奴がいないようにも思えるが、それはただの偶然であり、決して悪意のあるこじつけはしてはならない。
 試験には元から合格の基準というものが決められている。基準は各学校でそれぞれだと思うが、大体のところで、点数が過半を超えればそれでいいのである。そのため、試験に対する取り組みも、実はその程度を目標とする労力で済んでしまう。何も、毎度毎度満点の努力をする必要は一切ないのである。もし優秀な学生になりたいというのであれば、それなりの努力をすればいい。だが私は別に優秀な学生になりたいわけではないし、ただ手っ取り早くこの学校と決別したいだけなので、そこまでしなくてもいい。
 その伝で、私はこれまでできるだけ少ない労力で、ただ一つ、合格という結果だけを掴んできた。先日に、自分の成績通知表というものを見てみたが、どの科目においても、パッとしない実に微妙なラインの得点ばかりが並んでいる。それでも絶対に落ちることはない。この処世の形式から、私は自らを超低空を飛ぶ人と称しているのである。

 そして現在は、卒業試験期間の最中である。当初は二か月に渡る試験のマーチに戦々恐々としていたが、いざ始まってみるとそれほど重くはなかったので、意気を落として例の超低空飛行に切り替えたのだが、それでも落ちない。そして卒業試験、案外チョロいじゃんなどと思っていた矢先のことだった。
 私の学校の場合、試験結果は不合格者の学籍番号を並べることで提示としているのだが、某科の結果の用紙に、全く見慣れぬ、それでいて誰よりも身近な数字が書かれてあった。 
 それもその筈。それは私の学籍番号だった。
 目を疑ったが、紛れもなく私の番号である。大学において、学生の名前など何の意味も有たない。だから学校では、各種管理に使われるこの番号こそが私そのものだから、その大事な数字を間違えるはずがない。
 私はこの学校に入って初めて試験に落ちたのである。この瞬間に、入学以後粛々と守ってきた清らかな我が貞操を奪われてしまったのだ。マジウケる。
 それだけではない。それから数日後、また別の科目の試験結果にも、私の番号があったのである。一度貞操を奪われてからというもの、すっかりと堕ちぶれていったような気がした。しかも、これらの試験はたくさんの学生が落ちるものでは決してないというのが、余計に胸に苦しく、思わずリバるところだった。私を含めて試験の不合格者は前者は十一人、後者に至っては八人しかいない。ルージング・イレブンとワースト・エイトという不名誉を獲得することになって超ヤガモ・・・・。
 前者の試験は、まさか落ちるとは微塵も思っていなかったが、しかし心当たりが全然なかったわけではない。ここには詳細は秘すが、なんというか私には誠意というものが足りなかったのだ。
 しかし、後者に至っては完全に青天の霹靂。落ちる要素はどこにもなかったし、そもそも試験を解き終わった時の手応えからして違うから超MMだ。一応の対策はしていてそれなりにAIモードだったし、事実、しっかりと解答ができていた。それなのになぜ落とされたのか、全く分からない。
 この試験には記述式で医者の倫理を問うような問題があったのだが、事情を知るクラスメイトには、この記述問題の文量が足りなかったのではないかと云う者がいた。しかし私は常日頃から文章を書いている人間だし、その文字数からして結構なものだから、自然と記述問題にはそれなりの文量で当たっている。いつもなら試験会場をいちばんに退室するところだが、この試験ではその記述問題に時間がかかってしまい、他の学生が数人出ていってから解き終わったのである。だからその線はない。
 ならば、そもそも書いている内容がずれていたんじゃないかと云う人がいた。しかしこの問題は一般的な倫理というよりは、各人はどのように考えるかを問うようなものだったので、書いていることがそれぞれで違って当たり前である。それなのに、書いていることが採点者の意見と合致しないという理由で評価されないというのは、腑に落ちない。
 ついに、きっとイケメンな私に嫉妬しているのだろうというトンデモ仮説が挙がるというレベルで、もう意味不明な不合格である。私としては自ら落ちたというより、学校に脚を引っ張られてつまずいたとしか思えない。
 聞くところによると、この学校の卒業試験は単位を有っているわけではないらしい。実は私たちはすでに卒業に必要な単位は揃えているということなのだ。だからこの卒業試験は形だけで、本当はやらなくてもいいものということになる。だから、そんな試験に落ちたところで、そう気に病むことではない。
 卒業試験期間はあと一か月続く。AYモードだとまた足元をすくわれてしまうかもしれないから、残りの試験は超AIモードで、完璧を目指すべきであろう。だが、見たところ、これからは足元をすくうという嫌がらせをしそうにない科目ばかりが残っている。それに、今回の事件で、何が起こるか分からないという教訓を得、正当な過程が必ずしも正当な結果をもたらすわけではないということを学んだので、やっぱり超低空飛行のままでいいやと改めて思った。










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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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