野良犬の生活

部活もバイトもやっていない堕医学生の暮らしを記憶するレポート

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劇団四季「クレイジー・フォー・ユー」新潟公演感想レポート



 新潟無機終焉都市では、毎年一つは必ず劇団四季の地方巡業公演が行われる。ミュ-ジカル好きの私には嬉しいことである。これまでも機会があればチケットを求めて劇場に足を運んでいるのだが、その一方で、諸事情のために泣く泣く観劇を諦めなくてはならなかった作品というのも、これまでにはあった。その一つが「クレイジー・フォー・ユー」である。
 あれは数年前のことで、新潟に「クレイジー・フォー・ユー」が来ると知って、私は大きな喜びに狂気乱舞したのだが、その公演日を確かめてみると、一転して絶望の淵に陥ったのだった。公演日は、その年度でも最難関とされる重~い試験の前日だったのである。これでは流石に観に行けそうもなく、あえなく私は観劇を諦めることとなってしまった。
 それから年月は過ぎ、新潟で暮らす最後の年度に、再び「クレイジー・フォー・ユー」が無機終焉都市で観れると聞いた私は、またしても喜びに踊った。だが、その公演日はあろうことか、学校の卒業試験期間の真っただ中にある。またか・・・・と思ったが、今一度試験日程をよく確認してみると、公演はどうやら某科の試験が終わった後の夕刻に行われるようである。試験前日だったらもしかしたら諦めなくてはならないところだったが、試験が終わった日の一晩くらいならば、自分の楽しみに走っても何も問題ない。これで私は無事に「クレイジー・フォー・ユー」の観劇に出かけられることになったのだ。

 会場は新潟県民会館。ここで日雇いの底辺バイトをしたことも何度かあるから、表から裏まで知り尽くしている馴染みの劇場である。チケットの席番からしてその予感はしていたが、いざホール内で座席に落ち着いてみると、1階前から5列目中央寄りでステージから超チッケェ!こんなに前方で観劇するのは初めてのことかも。しかもこの会場は、座席前後間の勾配がちょうどこのあたりから始まるようになっているうえ、私はそれなりに身長が高いこともあって、前の視界を遮るものが何もないどころか、明らかに私の頭が周りから一つ抜けているようなかたちになって、変に目立っていて小恥ずかしい。
 さて、まずは、何から書いていけばいいだろうか。とりあえず、いちばん分かりやすいことを先に述べておこうと思う。
 これいちばん好きだわ。
 この世に生まれ落ちてからというもの、劇団四季作品を観劇する機会がそれなりにあったが、その数ある中でも、私はこの作品がいちばん好きかもしれない。好き度でいったら、大袈裟でなく「ライオンキング」も「ウィキッド」も超えたような気がする。芸術性があるものよりも、大衆的な作品の方が好みというだけかもしれないけれど。
 「クレイジー・フォー・ユー」は四季ミュージカルにしては珍しい、純粋なラブ・コメディである。他の演目には、心に訴えかけるようなメッセージ性を有するものもとても多いのだが、この作品にはいい意味でそういった教訓めいたメッセージがないというのがポイントである。小難しいことを考えずに、ただ楽しんで笑えて心が満たされるという、その気軽さがまず心地いい。
 1930年代のアメリカ、大都市ニューヨークとネバダ州の田舎町デッドロックを舞台に物語は進む。当時からショービズの本場であったニューヨークと、アメリカンドリームの面影残る金鉱の町デッドロックという2つの町は、盛衰の点でいえばとても対照的だが、どちらの土地もどうしようもなくテンプレート的な「アメリカ」を感じさせてくれる。主人公のボビー・チャイルドは銀行家の息子だがダンスに夢中でブロードウェイでの成功を夢みている。そのボビーが一目惚れするヒロイン、ポリー・ベーカーはデッドロックで唯一の女性だが気が強く男勝り。この主人公とヒロインからして、極めてアメリカ的なキャラクターに思える。他にもニューヨークのショーガールたちや、荒野に暮らす野蛮で粗野なカウボーイたちも登場して、舞台の上には最初から最後まで「古き良き」という言葉がよく似合うアメリカが創られている。
 この作品の大きな魅力は、ガーシュインの洒脱な音楽と、その美しいメロディーに合わせて繰り広げられる華麗なダンスにもある。とりわけダンスシーンに、一層の力が入っているというのがよく分かる。ボビー役の松島勇気さんはじめ、俳優さんのダンスの凄まじいこと!第一幕のクライマックス「I Got Rhythm」など、ダンスに圧倒されてしまうシーンが本当に多い。クラシカルなタップダンスとジャズダンスを主体にしているのも、私好みだった。
 とりわけ好きなシーンとしては、事実上のオープニング「I Can’t Be Bothered Now」を挙げる。物語上の出来事を音楽に乗せて演劇的に表現するものがミュージカルだと私は思っているが、このシーン、そして第2幕の「Nice Work If You Can Get It」は出来事ということではなく登場人物の心の懊悩や心象風景を歌とダンスで表現している。だから、車の天井を透過することもできるし、その場にはいない空想上のショーガールたちも車の中からたくさん出てくることができるわけだが、このシーンはどこかアニメーションチックである。このシーンに限らず、様々な場面でキャラクターたちのアクションは直線的なものが目立っていて、アメリカのカートゥーンを連想する。
 そしてやはりコメディだけに、脚本がずば抜けて面白い。講演時間は休憩含めて190分で、最初は長ぇ!と思っていたが、テンポもいいので最後まで飽きることなくストーリーにのめり込むことができる。また台詞の一つ一つからして面白く、かつお洒落なものも多い。「ポリーと朝から晩まで一緒にいやがって!」「“晩から朝まで”一緒にいた方がいいのかね?」また、終始小技が効いているというか、さりげなくやっているけど実は難しそうな動きが要所で見える。ダンスでもそうだし、小道具の使い方もいちいち上手いなと感心しきりである。
 脚本、音楽、ダンス、どれをとっても素晴らしい「クレイジー・フォー・ユー」はエンターテイメント性の高い、極上のミュージカルである。スタンディング・オベーションという習慣は今や一般にも広く普及しており、かく云う私も様々な公演ではカンパニーへのリスペクトを込めて、そのようにする機会がほとんどなのだが、今回の作品では、その満足度から、本当に心から納得のいくスタンディング・オベーションができたような気がする。

 国家試験終了翌日に劇団四季が新潟無機終焉都市で公演するらしい。しかも演目はあの「コーラス・ライン」ときている。こんなに物事がうまく運ぶなんて、なんだか話が随分と出来過ぎではないか?










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筆者紹介

シバケン-いかれたNeet-

Author:シバケン-いかれたNeet-
Sex:\(`・ω・´)
Work:堕医学生
Base:新潟死期終焉都市

趣味はお散歩、特技は悪だくみ

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